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1話 ラーメン

暇つぶしに書いた作品

「気をつけて帰れよー」


教壇に立つ先生がそう言った後、教室にいた生徒たちがわらわらと教室を後にする。「カラオケ行こう」だとか「新しくできたカフェが気になるんだー」とか仲がいいグループで集まって楽しそうな雰囲気で教室を後にする中、俺はその光景をぼーっと眺めながら今日は晩御飯何を作ろうかと悩んでいた。


昨日はカレーを作ったので本当は今日一日目よりおいしくなったみんな大好き二日目のカレーを食べるつもりだったのだが、毎日毎日俺の住かに晩御飯をねだりに来る奴が根こそぎおいしいおいしいと言いながらぺろりと平らげてしまったので急に今日の晩御飯の予定が空白になってしまったのだ。

しかも明日の放課後にスーパーの特売日があるため、その日に買い物をする予定だったうちの冷蔵庫は空っぽである。卵とお米はあるのでチャーハンでも作ろうかとも思ったが具なしチャーハンになってしまう、これは育ち盛りの男子高校生には耐えがたい…やはり肉、肉が食いたい、うーん外食にするかぁ…久々にラーメンとか食べたいし、うん、そうだ、そうしよう、今の一瞬で口がラーメンを欲し始めた。

どこの店に行こうか、いつものこってり豚骨のお店もいいが、ランニングをしてる時に見かけた味噌専門のラーメン屋という選択も捨てがたい……ううむ……


「ねぇ、帰らないの?」


「今はラーメンで忙しい」


「は?」


うわぉすっげぇ低い声、ぼーっとラーメンのことを考えていた頭をぶんぶん振っていつもの状態に戻った後、もうすでに生徒が誰もいなくなった教室に座っている俺に声をかけてきた方に目を向ける。


「あぁ、清水か珍しいな学校で声かけてくるなんて」


「うん?―――確かに珍しいかもね」


「だろ、というかお前友達はいいのかよ、カラオケ行くとか言ってなかったけ?」


そう言って明るく染めた髪に後ろでお団子結びにして校則とか何するものぞと言わんばかりにばっちりメイクをした美人さんにそう尋ねた。


「んー今日はちょっと懐がさみしくてね、断腸の思いでお誘いは断ったんだ」


ほう、珍しい、この美人さん 清水しみず 夏織かおりはそれはそれは大層にご両親から甘やかされており毎月実家からかなりの額のお金を受け取っているはずである。しかも本人曰く普通に使ってたら絶対使いきれないからと言って貯金してるはずだ。


「なにかお高いものでも買ったのか?」


「うん、欲しかったバイクを買ったんだ」


かっこいいなおい、いやうん確かにこいつは確か中型バイクの免許を持っていたはずだからおかしなことではないはずだが高校二年生で自分用のバイクを持っている女子高生とかかっこよすぎないか?


「いくらしたとか聞いてもいいのか?」


「ないしょ」


「さいですか……んで話し戻すけどなんで急に声をかけてきたんだ?」


後でバイク見せてもらって値段調べてやろう……いややっぱ怖いからいいや


「…後ろ乗りたくない?」


清水はそう言ってポケットから何かのキーを取り出しくるくるとまわしながらものすごくいい笑顔で俺に訪ねてきた。


「免許取ってから1年経ってたか?」


「ぎり」


「なら乗らせてください、あっそれと目的地はみやもとラーメンで」


ラッキーだ、駅まで歩いて帰らずに済んだ。ってあれ?この学校自転車登校以外禁止のはずじゃ…あっ、こいつ駅の駐輪所に留めやがったな……先生にばれたら怒られるぞ


「え?ラーメン?今日は外食するの?私お金ないんだけど?」


「しらん、チャーハンくらいはおごってやる」


「えー、足りないんですけど…」


そう言って「うー、数千円は痛いなぁ」とかぶつくさ言いながらとか教室の外に向かって歩き始めた。さて行くか久々のラーメン楽しみだ。





――――――――――――――――――――――――――――――――





「で、これがそのお前の貯金全てを使って買ったバイクか…かっけぇなおい」


「でしょ!いやー我ながらいい買い物したわぁ」


清水と一緒に徒歩5分ほど歩き想像通り駅の駐輪所に止めてあったバイクをお披露目してもらったのだがバイクに関して詳しくない俺でも興奮してしまうほどのかっこよさだ、やはり黒はいいな黒は、渋くていいなうん、


「じゃ、これかぶってあんた用のヘルメット」


ポイっと俺に向けて投げられたフルフェイスのヘルメットを受け取ったのだが、これどうやってかぶるんだろ……


「清水、かぶりかたおせーて」


「えー、しょうがないなぁ」


教えてもらって何とか装備できたがフルフェイスヘルメットは初見じゃ絶対かぶれないと思う、たぶん!そんなに力ずくでつけるとは思わないじゃん


「じゃあ、後ろ乗りなよ、ちゃんと落ちないように私にしっかりつかりなよ?」


「ういーす」


そう言って清水の後ろに乗ってみたがこれはちょっと怖くなってきたぞ、今思えばバイクの二人乗りとか初めてなんだが


「清水様、抱き着いてもいいですか?」


「あー、今回ばかりは許そう、じゃ行くよ」


「おなしゃーす」


俺はがっちりと清水に抱き着いた。良い匂いした…後、俺もバイクの免許取ろう…バイクサイコーだ。

そんなこんなで清水にがっちり抱き着きつつ15分、ラーメン屋に到着した。


「運転ご苦労様です!」


バイクが止まったことを確認し、地面に降りてヘルメットを取って清水に礼をした。ガソリン代とかおごってくれるらしいし感謝は大事である。


「ふふん、どーいたしまして」


清水はそう言いヘルメットを外した。うんすっげぇ絵になるなこいつ、なにかのCMかと言われても信じるレベルだぞ。普段お団子にしている髪をヘルメットかぶるためにほどいているので普段とのギャップがすごい、それに高校の制服っていうのもいい味出してる


「なに?見惚れた?」


「うん、ギャップにやられた」


「ならよし」


清水はそう言いラーメン屋に入っていった。

くそう、なんだか負けた気分だぜ…こいつまじで美人だから普通に目の保養だし…










「で、お前結局ラーメン食べるのかよ」


「しょうがないでしょ、家に帰ってもご飯ないんだし」


「さいですか」


ずるずると俺と清水はラーメンを啜る。俺は豚骨チャーシューメン+白ご飯、清水は大盛豚骨チャーシューメン+から揚げギョーザチャーハンである。


「相変わらず言い食いっぷりだ」


「うるさい」


「あい」


うーん俺は気にしなくていいと思うんだけどなこの大食い体質、こんだけ食べてもどこにエネルギー行ってるんだ?というくらいにはスレンダーだし、まぁこいつもこいつで普段から運動して体系維持を頑張っていらっしゃるんだが(俺も早朝ランニングに付き合わされている)どうやら学校の友達と一緒にいる時は食べ過ぎないように気を付けているようで晩御飯になってから食欲が爆発しているのだ。そのおかげで俺はいつもご飯を多めに作らなければいけない、まぁ食費はいただいてるから問題ないんだが


「にしても、うまいな」


「わかる」


どうやらこのラーメン屋は大当たりだったようだ。え?知ってる店に来たんじゃないのかって?まぁ落ち着き給えよ、理由は簡単さ、もともと行くつもりだった「みやもとラーメン」に向かう道中見つけたラーメン屋の外観がここのラーメン絶対うまいだろっていうラーメン屋の外観をしてたので気になって寄ってみたのだ。やっぱりたまに冒険しないとね


ずるずるずる、うまい、麺は細麺、スープがよく麵に絡む、俺はこってりを頼んだのでスープがかなりドロッとしているがそれがいい、最高だ、ずるずるずる、麵がなくなった。替え玉を頼もう。替え玉を頼んでまたずるずると麺を啜る、たまにチャーシューもパクリ、うっま、ぷるっぷるじゃねぇか、味染みすぎだろ


「清水、チャーシューくそうめぇ」


「知ってる」


って、わぁ…もうチャーシューがなくなってる、よっぽどうまかったんだな、ていうか唐揚げとギョーザもなくなってる。えー食べるのはえーよ、一個もらおうと思ってたのに…追加で頼もうかな、ここまでラーメンがうまいとサイドメニューも気になってくる、ちらりと財布を確認、うんやめとこう、来月またこよう


「ごちそうさま」


「ごちそうさまでした」


「最高だ」


「わかる」


俺も清水も語彙力が終わっているがまぁしょうがない、なんでこんなにお客さんが少ないんだろう?っていうくらいおいしかったし、穴場ってやつなのか?とりあえず店の場所と名前は覚えておこう「ラーメン豚」ね、うん覚えた


「じゃ、お会計してくる、」


「ん、わかった後でレシート見せて」


「了解」


俺はそう言ってレジに向かった。清水と外食するときはいつもまとめて俺が払い、家に帰ってから清水がレシートを確認して払う、という決まりになっている。清水曰くそういうのは店を出てからやったほうが邪魔にならない、だそうだ。



「お会計は4500円になります」


「5000円からでお願いします」


うん、まぁそんなもんか、少し高くついたがおいしかったから問題なしだ。絶対また来る。スタンプカードも作ってもらった。貯まるとラーメン一杯無料らしい、これは清水に上げよう。


「おまたー」


「ありがと、これヘルメット」


さて、帰ろうか、ヘルメットをかぶり清水の後ろに乗り再びしっかりと抱き着い…おなかすっごい膨れてる…いっぱい食べたもんな…そんな俺の考えを見抜いたのか清水は恥ずかしそうに


「……明日いつもの倍走るから」


そう言った。明日はいつもより早起きして弁当作らないと…


「うっす、お付き合いします」


清水は首元まで赤くなってた。ごめん、まじでごめん、そのあとしっかりと安全運転で俺たちが住んでいるマンションに帰宅した。


「んじゃ、また明日」


「ん、また明日…お昼のお弁当は少し少なめでお願い」


「足りるの?」


「頑張る」


清水はそう言って202号室の鍵を開け帰宅した。それを見届けてから俺は201号室の鍵を開け帰宅した。さてまず洗濯物を取り込むか







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