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LOST HEAVEN  作者: 宵空希
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The beginning of the end

悪魔はなぜ存在するのか。

ではなぜ人間は生まれたのか。

コインからは表も裏も失くせないように、相反する生物が誕生した理由。

それは世界の創造主が、神が二つに分かたれたからだ。

これから始まるのは、そんな神々による争いを終着点へと誘う為の。

最後の物語である──。




(──俺は、何を守りたかったのだろうか?)

何も見えない真っ暗な闇の中で、一人の男は後悔の念に駆られていた。

(いったい俺に何が出来た?……誰も救えなかった。誰も……何も……)

自分が今、何処にいるのか。

生きているのか死んでいるのかさえも分からないまま、只々嘆き続ける。

それだけだった。

(……最後にあんな顔、アイツにさせたのか。本当に……無様だな。……何だ?眩しい──)

まるで死ぬ事すら許されないかの様に、突如として“それ”は現れた。

闇を切り裂く、一筋の光と共に。



『──いつまで悲嘆に暮れているつもりだ?』

突然かけられた声に男は一瞬戸惑うも、すぐに立て直して声の主に耳を傾ける。

姿は見えない。

そしてどうやら、その者は人間ではないようだ。

この異様なまでの存在感を真似できる人間など、いる筈もないのだから。

例えるならそれは、神とでも言うべきか。

いや或いは、悪魔のそれか。

(……誰だ?)

男にとっては既視感のあるやり取り。

けれど前回と違うのは、それが未知の存在だということ。

纏っているのは恐怖すら覚える程の神々しさであり、その反面、邪悪そのもののような歪なオーラだ。

そんな男の考察を他所に、その者はここで素性を晒す。

『堕天した神、とでも言えば察しがつくか?』

そんな者と会話が出来てたまるものか。

男はそう思うも口にはせず、この時点でおおよその見当をつける。

(……なるほど。用があるのは、悪魔としての俺ってことか)

その回答に満足したのか、少しだけ威圧的なオーラが和らいだ。

そうして堕天した神は告げる。

『そうだ。お前にはまだ役割がある。さあ来い、こちら側の世界に。お前は──“特別な悪魔”だ』

暗闇に浮かぶ光の線を最後に、男の意識はそこで途絶えた──。




物語は終幕へと加速する。

全ては地上に生きる者たちに委ねられた。

“人類の救済を企てる神”と、“人類の滅亡を謀る悪魔”が織り成した。

壮大な物語の結末を──。

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