【68話目】 会議
「まずは、ブラッドハンドについてだが。今奴には都市、ゴルディンを潰しに行かせている。じきに戻ってくるであろう。」
ボスは先程十戒士達の間で話題になっていたブラッドハンドの所在を報告する。
ボスは静かな口調で話している。しかし、それでも十戒士達には緊張が走る。
「ひとつよろしいですかな。」
声を上げたのはシルドだった。
「なんだ?シルド、言ってみろ。」
ボスから意見の許可をもらったシルドは立ち上がった。
「では申させてもらいます。我々十戒士は元々は10人でした、しかし例の"シニガミ"などによって我々十戒士は今や7人。
そろそろ新たな十戒士を入れるというのはどうですか?」
シルドの提案は十戒士の再編成についてだった。数が減り、1人1人の負担を考えての提案だった。
そしてシルドの言ったシニガミというのはこれまで十戒士を2人も殺害した、パゼーレの騎士長、ディーオンの事である。
「ふむ、十戒士の増員か……その提案は却下させてもらおう。」
「理由を聞かせてもらっても?」
シルドの提案にボスは冷静に反対した。
その判断にシルドは反対する理由の説明を願った。
「理由としては、この凶震戒には十戒士並みの強さを持つ者が他にいない事だ。
十戒士を増やす事など簡単だ。
ただその役職を与えるだけだからな、だがその者が戦力として未熟ならば十戒士の名に傷が付く。
そう考えたまでだ。」
「ほかに意見がないなら次へいくが?」
ボスは一通り説明を終えて、他に意見のある者がいるかを確認した。
誰も声をあげようとする者はいなかった。
「いないなら次へいく。次に潰す都市についてを話そう。
次、我々が潰す都市は……パゼーレだ。」
その発案を聞いていた十戒士達に更なる緊張感が生じた。
自分達の仲間である2人を殺せる人物、ディーオンがいる都市だったからだ。
「無論、お前達の言いたい事もわかる。相手はアークとウルラを殺った死神がいる都市。こちらも少々準備を行う。」
「まず手始めに、パゼーレの戦力を図るために一部隊でパゼーレに攻める。」
「この役目を……シルド任せられるか?」
ボスはシルドの方に顔を向けて、作戦の指揮に任命する。
「……はっ!もちろんですとも。」
少し間を挟んで、シルドはその命令にしたがった。
「あくまで今回の作戦は戦力を図る事にある。危険な時は逃げろ。
だが、もし潰せるのであれば潰せ。」
「了解致しました。」
「これで今回の会議は終わりだ。各自命令を待て。」
話す内容が全て終わろうとしたが。
「ちょっとお義父様!私は?」
それを止めるかのようにフレリアが意見する。
「お前も待機だ、しばらく大人しくしておれ。」
少し強めな言い方でフレリアに待機命令を出す。それが気に食わないのか、フレリアは頬を膨らませた。
そして十戒士達は部屋を出ようと立ち上がる。
「アーサー、お前は少し残れ。」
ボスに呼び止められて、アーサーはこの部屋に留まった。
「お前には、とある命令を出す。」




