【41話目】 マジックフェスティバル予選
予選が行われるという会場には俺より先に10人ほどの同学年の生徒がいた。
そのほとんど全てが男でその中にはデイもいた。
「お前も参加するんだな。」
入ってきた俺にデイは嬉しそうに話しかけてきた。
「あぁ、手加減しないぜ。」
恐らくデイはこの予選での最大の敵になるだろう、気を引き締めていかないと。
「よし!!全員集まったな!!」
アーニスが大声で叫ぶ。
「それではこれより、マジックフェスティバルに出場する生徒を決める予選を取り行う!!
ルールの説明だ!!
今いる11人の中で最後まで立っていた2人を予選通過とし、マジックフェスティバルに出場を許可する!!
禁止事項として魔法の使用はありだが、安全に考慮して人器の使用は無しとする。
以上!!」
ざっくりと軽いルールの解説が行われた。
要するに魔法はありで、人器無しでのバトルロワイヤル。
最後の2人になるまで戦えという事だ。
「準備はできたか!!それでは開始の合図を行う、気を引き締めていけよ!!
魔性輪を付けろ!!」
その合図と共に生徒達は魔性輪をはめて、魔法を使える状態にした。
俺も周りに合わせ魔性輪をはめ魔法を使える状態にした。
本格的に魔法が使えるのは、襲撃事件以来だった。
その時はゆっくりと魔法が使えるという感覚を味わえなかったが今回はそういう訳ではないので感覚を味わう。
この感覚は一言で表すなら"しっくり来る"といったところか。
「準備はいいな!それでは予選開始!!」
宣言がされて予選が始まる。
予選が始まって真っ先に俺に向かってきたのはデイだった。
デイの攻撃をとっさにガードするも、衝撃で後ろに飛ばされる。
「ぐわっ!」
後ろに何かがぶつかって変な音が聞こえるも、すぐに態勢を立て直して反撃をしに行く。
「待て!まずは俺から……」
「どけぇ!!」
俺の前に飛び出してきた何かを拳を横に振ってどかしてそのままデイに向かう。
売られた戦いだ、それなら俺も受けてたとう。
俺とデイの拳がぶつかり合い、周りに魔力の衝撃がはしった。
そのまま魔力をこめた拳同士によるぶつかり合いが何度もおこった。
何回も拳を撃ち合ってデイの動きが読めるようになる、俺は次のデイの動きを読む。
デイの拳が向かってくる。避ける事なんて雑作もない、さっきと同じならの話だ。
デイの拳が俺の予想を超えて加速する、デイは魔力で拳を威力ではなく、速さに振っていたのだ。
そのままデイの拳が俺の顔面に直撃して後ろに飛ばされる。
倒れる……だが!こんなところでは終われない!!
その意志でなんとか踏み止まって戦闘を再開しようとした。
「そこまで!予選終了!!」
アーニスの予選終了との声が聞こえた。
「なっ……!?」
いきなりの終了の宣言に驚く。
まだ始まったばっかりだろ?まだデイとの決着もついていない。まさか俺が敗北扱いにでもなった……
「予選を勝ち抜き、マジックフェスティバル本戦へ進むのはデイ・マックラーゲンとユウト・シンドウ!!」
「へっ?」
床に何故か倒れている生徒達に気がつく。
いったい、俺とデイが戦っている間に何があったんだ?
俺は困惑しながらも予選を勝ち抜いて本戦へ進む事となった。




