【37話目】夜の決闘
皆が寝静まっている夜にヴァーリンは机に突っ伏し、頭を抱えて悩んでいた。
今自分の心の中にある、ユウトに対する感情に着いてだった。
前に私は、ユウトに対して他の人とは違う感情を抱いていたのだけれども、セバスの話によればそれは魔法のせいだというのだが、ユウトの魔法は風魔法だとわかった。
それならばこの感情が魔法とは別ならこの感情はいったいなんなのかしら。
コンコン
ドアを叩く音が聞こえた。
恐らくセバスが訪ねて来たのだろう。
「入っても構いませんよ。」
ガチャッ
扉が開く音が聞こえて、セバスが入ってきた。
「なんのようですの?こんな夜遅くに。」
「昨日、お嬢様が危険な時に私がおらず、お嬢様に怖い思いをさせ本当に申し訳ございませんでした。」
セバスがいう危険な事とはこの前の襲撃事件の時の話ですの。
何回もおんなじことをセバスから聞かされて少し嫌気がさす。
「あの日はウォルノン家での新人執事の教育がありましたから仕方ないですわよ、セバス。」
レイナの魔力暴走事件から襲撃事件の日までセバスは私の実家であるウォルノン家で新しく雇われた執事達の指導を行うため、ウォルノン家の屋敷まで帰っていたのだ。
セバスは最初、指導の件は断っていたが、私が説得(セバスがいると面倒だから一度家に帰ってもらうため)して指導を行う事となった。
「で、ですが……。」
「はい、お話はここまでですわ。さっセバスは早く部屋から出てください。」
何か他に意見があったようだが、それを遮るようにしてセバスを部屋から出した。
さて、邪魔は無くなりました。
そして私は紙と筆を持ちました。
この感情と向き合うために、私はユウトにある事を持ち出そうと思いその事についてを紙に書きました。
明日の夜、きっとこの感情の正体を暴いてみせます。




