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やさしい異世界転移   作者: みなと
転移!学園!そして……
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【34話目】襲撃事件 終結

 なんだこいつ……。

 学園襲撃事件の首謀者であるドサイは自分に立ち向かってくる小僧に対して、困惑の表情を浮かべる。


 さっきまで弱かったはずなのに、風の壁が現れてからこの小僧の感じが変わった。

 さっきと明らかに魔力量が変わった、それに人器があの錆れた大剣から小さな武器になっていた。


 やつの人器がかわったと思ったら、小僧が目の前からきえた。

 次の瞬間、顔に強い衝撃がはしる。


 小僧は俺の目に追えないスピードで接近し、俺の顔面を蹴りやがった!!

 追撃がくるかと思っていたが、小僧の動きがとまりチャンスと思い反撃を開始する。


 小僧の人器が変わったりして、しばらくの攻防した後小僧の人器が更に変わった。


 最初の短い刀とは違い、今回のは長い刀になり小僧の手に握られていた。

 だが、変わったのは形だけではない。

 小僧の魔力の質があきらかに変わっていた。

 俺ですら恐怖を感じるほどに。


 しかし、次の瞬間には小僧の腕が真っ黒く焦げ人器は落ちてさっきまでの短い刀に戻っていた。

 魔力の質もさっきのに戻っていた、いやさっきよりも質が低下しているのがわかる。


 殺すなら今しかない。

 コイツをこのまま放っておいたら今後俺の障害になる。

 この小僧は俺より強い、だがそれは小僧が万全の状態での話だ。

 今の小僧は弱りに弱っている。

 このチャンスを逃すものか。


 俺は小僧にトドメを刺しに行った。

 今の小僧にはもう俺を倒せるだけの魔力も体力もない、この一撃で殺す。


 その瞬間、小僧は再びあの刀を出す。

 刀から出る異質な魔力に恐怖を感じる。


「魔力 最大解放 神風刀斬」


 小僧が刀を振りおろし、膨大な魔力の斬撃が俺目掛けて襲ってくる。


 まずい……これをくらったら俺は死ぬ。

 とっさに出た野生の感、魔法を使い身を護らなければ。


「なんだよその魔力……」


 あまりの魔力に出る言葉。

 そして俺は魔法を使用する。


「ストーンエッジ!!」


 地面から石柱を5本出し小僧の斬撃を防ぐ。

 しかし一気に3本の石柱が破壊される。

 このままだと持たないと感じた俺は残り2本で斬撃の軌道を逸らしにいく。


 激しい魔力の攻防の果て、俺はなんとか斬撃を逸らす事に成功し、斬撃が当たるのを避けられた。


 小僧も魔力が尽きたのか、体が倒れていくのが見える。

 だが、まだ何をしてくるかわからない。

 俺は今ある魔力を集め、最大魔法を放とうとする。


 膨大な魔力をためた巨大な岩石を相手に放つ魔法。

 それを小僧にやるのはオーバーキル気味だが、それだけ小僧を警戒し、敬意を払っているのだ。

 ここまで強い奴はそうそう見たことがない、ここで殺すには惜しいが仕方ない。


 さぁ!死んで消えろ!!


 放とうとした時、俺の脇腹らへんに異変を感じる、何かに触れられている。

 後ろに誰かいる。

 その気配は冷たく、薄気味悪い。

 そして体全体がこの感触の正体に気付いた。


 これは……死だ……。


 突如として魔力が感じられなくなり、岩石が地面へ落ちていった。


 魔法が使えない……?


 そして俺は前で小僧が女に抱えられて行かれた事に気にも止めず異変の正体がある後ろを振り返る。


 俺はその男について知っている。

 俺達に顔を見せずに学園を襲撃しろと命令した奴がこの男について教えていた。


 この男の異名は【魔法使い殺し】そしてその魔法は……


 魔力が触れている間、魔法を無効化まさに魔法使いの天敵のような魔法だった。


 その男の名は……


 バリオン・フォルコメン


 その男が俺の後ろに立っていたのだ。


「よくも俺の後輩に手を出したね。」


 背筋がゾワッと逆立った。

 俺は咄嗟に後ろへ下がり、有無を言わさず戦鎚を振り下ろした!!


 しかし、戦鎚を振り下ろしたところにはもうバリオンはいなくなっており、


 腹部に突き刺さるような痛みがはしった。


 その痛みを感じる場所に顔を向ける。

 そこには俺の懐に潜り込んでいたバリオンが人器である、レイピアを俺の腹部に突き刺しているのが見えた。

 死の恐怖が強くなる。


「お、おい待ってくれ……殺さないでくれ……。」


 情けなく命乞いをする。

 先程俺が殺した男もこんな気持ちだったのだろうか。


「もう、お前はいいよ。……きえろ。」


 そして無慈悲にもバリオンはレイピアを縦に振り上げ、ドサイを刺してある所から真っ二つにした。


 ドサイの体は内臓が落ちて、血飛沫があたりに飛び散ってドサイは絶命したのだ。


 襲撃者全員の死亡により、このパゼーレ魔法学園襲撃事件は終結した。

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