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やさしい異世界転移   作者: みなと
転移!学園!そして……
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【30話目】ユウトVSドン・ドサイ

 そして時は戻り、ユウトとドサイが向き合っている廊下へと戻った。


「おい、お前達の目的はなんだ。」


 俺はいつでも戦えるように構えて、ドサイを睨みながら彼らの目的を聞き出そうとした。


「あぁ!?頼まれたんだよ、とあるヤツからこのガクエンをおそってくれってな。」


 なんとドサイは大人しく、目的を教えた。

 誰かから頼まれただって?

 一体誰が……

 けれども、あまりにも素直に教えた事がいまいちわからない。

 果たしてこれは本当の事なのか?


「本当か?誰がそんな事をお前達に頼んだんだ?」


「しんじるもしんじないもおまえシダイだ……さて話はここまで。さて、ヤるか。」


 そんな応答を返して、ドサイは殺気を放ち俺と戦う構えをとる。

 なんて凶悪な魔力だ!

 このまま相対するのは正直、この魔力で気が悪くなりそうだ。


 だけど、俺がここで止めないとコイツは講堂に行って、レイナ達に危害を加えるかもしれない。

 そうさせないように、俺はコイツと戦って助けが来るまでの時間をかせぐ!!


 足に魔力を集め、地面をけるとともに魔力を放出して加速してドサイの後ろにまわり、攻撃を仕掛ける!!


「そのスピードはさっきみた。」


 ドサイは即座に俺の方を向き、戦鎚をふるう。

 ギリギリでドサイの振るった戦鎚をかわしたが、それでも戦鎚をふるった時に出た風圧によってひるませられ動きをとめられた。


 畳み掛けるようにドサイは戦鎚を地面に叩きつけて床がひび割れ床の破片や岩石が飛びちる。


「ロックブラスト」


 そう唱えた時、飛び散った岩石と床の破片が俺にむかってくる。


 まずい……!!


 そう直感し、魔力を体におおいむかってきたモノをガードする。

 しかし、飛んできたモノの威力が高く魔力でガードしても魔力を貫通してダメージを与えてきた。


「ッッッ!!!」


 ダメージをくらった俺は叫ぶのをがまんし、次の攻め方を頭の中でめぐらせて考えながら地面に着地してまたドサイへ……!!


「ストーンエッジ」


 足元がゆれる、このままじゃまずいと咄嗟の勘で後ろへ飛ぶ。


 地面から鋭く尖った岩の柱が勢いよく、生えてきた。

 後ろに飛んでいなかったら今頃あの柱に串刺しになっていただろう。


 岩石を飛ばしてくる攻撃、岩の柱をだす攻撃おそらくこれはドサイの魔法だろうこれを使われて続けられたら近づく事はむずかしいだろう。


 まったく、某人気RPGゲームのわざみたいな名前にしやがって……


 だがどうする?

 本来なら遠距離攻撃が有効なのだろうけど、あいにくそんな事は出来ない。


 そうなるとこっちからの攻撃はむずかしいが、今の目的はコイツを倒すことではない、助けが来るまでの時間をかせげはいいだけ。


 それならドサイの攻撃をガードして足止めをしていればいい。

 そう思い、人器であるサビた大剣を出してドサイの攻撃をガードできるようにした。


「ロックブラスト」


 ドサイは再び岩石をこちらに飛ばす魔法を使ってきた、大剣を地面に立ててヴァーリン戦の時のようにガードする。


 飛んできた岩石が大剣にあたる。

 ヴァーリンの魔法とは比べものにならない程の高威力で段々と後ろにおされる。

 だけどこの威力ならなんとか耐えきれ……


「なんとかなりそうって思ってた??」


 声が横から聞こえてきた。

 すぐ横にはドサイがいた。

 しまった、魔法はブラフ!魔法に気が行っている隙にドサイはここまで来ていたのだ。

 大剣でガードして、前が見えないのが裏目に出てしまった。


 反応が出来ず、横からの拳にモロ顔面に当たり廊下の壁まで飛ばされる。


 起き上がろうとした時、ドサイが殴りかかってくる。

 なんとか避けるのに間に合ったが、避けるところを読んだか戦鎚で追撃をしそれに当たりろっ骨にヒビが入ったのがわかった。


 息が……呼吸が……。


 痛みで倒れたまま起き上がれなくなる。

 そんな姿をドサイはにやけながら見ていた。


「まったく、そんなになるまでやるなんてバカなやつだなぁ。」


 ドサイは煽るように言ってくる。


 そんな言葉に返す余裕はなく、段々と意識が遠のいていく感じがした。


 俺……死ぬのか?

 近づいてくる死の恐怖、ただ死ぬのをこうして待ってることしか出来なかった。


 あぁ、こんな事ならもっとみんなと仲良くしていたかった、まだ話したい事とかいっぱいあったのに……


 ─ユートは何かやりたい事はないの?子どもの頃とか何かなりたいものとかあった?─


 ふと思い出すレイナとの会話。


 子どもの頃の夢……なんだったけ?

 何かあった気がしたんだ、あれは確か……。


 死の間際の走馬灯か、ユウトの意識は7年前へと遡っていた。


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