【283話目】 瞼の奥の焦景
誰もが自分の思い通りにいくわけじゃない。
あんな事出来たらいいな!だとか……
こんな展開になればいいな!だとか……
そんな夢のように事は運ばない、だから少しでも近付けるように行動する、それが人間に出来る精一杯なのだから。
彼だってそうだ、幾度となく打ちのめされようとも立ち上がって前を向く、たとえ勝てない相手だとしても彼は立ち向かっていく勇気があるのだ。
だから……彼が少しでも強くなれるように、私は行動する。
──じゃあお願いするね!
だって彼は私の大切な……なのだから。
強くなってほしい、どんな困難も乗り越えられるようなそんな人に。
だからこそ"彼"に彼を託す、それが1番手っ取り早いのだから……まだ私は彼の前には出せない……その時が来るまで私は見守ってるよ。
ユウトは目を覚ます……何か大勢の声が叫びが聞こえたからだ。
確か俺達はゴルディンから車で帰ってた途中で……
目が覚めた時には車内に人はいなく、俺はすぐに車から飛び出して辺りの状況を確認した……
「なんだ……これ……」
目の前に広がったのは多くの車が爆破されて破壊され、多くの騎士団の人達が倒れているそんな光景だった。
「そんな……一体誰がこんな事を!?」
辺り一面は火の海と化しており生存者を探そうと見渡しても生きてる人は見当たらない……
「ユウ……ト」
そんな時車の下ら辺から声が聞こえて下を覗き込む……そこにいたのは。
「ディーオン!?なんで……」
騎士団最強であるディーオンだった。
「アイツ……こんな時に来やがって、強えぇ……」
ディーオンがそう言った瞬間、気配を感じた。禍々しい悪意の込められた魔力、俺は上を見上げてその魔力の持ち主を見つける。
「やぁやぁ諸君、せっかくだからここで死んでもらおう」
「アイツ……!!れ
そこにいたのは忘れもしない凶震戒のボス……仮面に覆われたその顔は依然として全く見えない。
そんなやつは俺を見下すように上空から睨みつけてきていた。
アイツがこんな惨状を……!!
「許せない……!!」
怒りで魔力が込み上げてくる。
だが勝てるのか?俺にあのディーオンすら倒した男に……
冷静に勝ち筋を考えるが、勝機を感じられない。
「「「ユート(ユウト)!!!」」」
みんなの声が聴こた、俺のすぐ近くにはレイナデイヴァーリンパートリーがいた。
「ユートなら勝てる!!」
「お前なら勝てる!」
「思う存分ぶちかまして来なさい!!」
「が、頑張ってください!!」
駆け寄ってきてくれた4人はそれぞれ俺に声援を飛ばしてくれる。
そうか……みんな、俺に期待しているのか。
なら俺はそれに全力で応える!!
勝てる勝てないの話ではない、俺は……
「ありがとう……みんな」
俺はジン器を"両手で"しっかりと握りしめた。
俺のやるべきことは決まった。
「──絶対に勝つ!!」
力が湧いてくる、まるで物語の主人公のようだ、危機的状況……だが仲間達からの声援が俺を強くする!!
跳ぶ、地面を蹴り上げまっすぐこちらを見下しているボス目掛けて空を跳ぶ。
「さぁ来るがいい、ユウトよ」
「あぁ、俺は勝つ。勝ってこの世界を平和にしてみせる!!」
ボスが持つ刀とユウトの剣が激しくぶつかり合い、激しい光と共にあたりに衝撃波が発生する。
そして激闘が開始される……。




