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やさしい異世界転移   作者: みなと
ディハンジョン
196/242

【195話目】 下層に落ちて……

 あの深層の魔獣のツタによってみんなと引き離され鳥の魔獣によって下層へと落とされてしまった。

 最悪すぎる……あの深層の魔獣はまだみんなの近くにいる、速くみんなの元に戻らないと。


 そうは言っても……魔法で上へ登ろうとも先ほどの鳥の魔獣に妨害される危険が高い。

 まだ上の方に鳥の魔獣の鳴き声がわんさかと聞こえてくる……ひとまずここから離れて中層に戻る方法を探した方がいい。


 そう思った時だった。


「いや、マジかよ……」


 ──グワァグワァッッ!!


 さっきまで上空に待機していた無数の鳥達が俺目掛けて高速で突っ込んでくる。


「うわっっと!!」


 最初に飛び込んできた数羽をなんとか回避する、鳥は地面に突き刺さり回避出来た……そう思っていた。

 鳥の魔獣は嘴をドリルのように回転させ地面に穴を開けて抜け出し再び飛ぶ。


 復帰して来た鳥の他にも無数の鳥達が俺を襲う。


「クソッッ!!」


 俺はジン器の短剣を両手に持ち戦闘を始める。

 高速で向かってくる魔獣……回避するので精一杯なら!


「──神眼!!」


 白金の眼が襲いくる魔獣達を見る。

 動きは遅く見え、対応へと行動を移す。


 短剣から放たれる無数の斬撃を魔獣達がくる場所に置くように攻撃を加える。

 飛んできた魔獣達は回避出来ない、斬撃によりバタリバタリと堕ちていく。


「……とりあえずこんなもんか」


 襲いかかる魔獣を退けホッと安堵しようとする、けれどそんな余裕はない。

 ここは下層、先ほどまでいた中層とは状況が違ったのだ。



 ──グォォォォォッッッ!!


 地中から出てくるは巨大なサンショウオ?その体は俺の10倍はありそうなほどの大きく表面がヌメェッとした肌にサンショウオには似合わない牙まである。

 そんなサンショウオは間違いなくこちらをロックオンしている。


 流石にここでの戦闘は無意味……ならば。


「よしっ逃げる!!」


 俺はサンショウオに背を向けて全力で走る。


 ──ドンドンドンドンッ!!


 背後から聞こえてくる大きな足音、振り返るな真っ直ぐ逃げろ!!

 しかしここは下層、その程度で終わるわけがなかったのだった。


「なっ!!」


 目の前に見えるのは魚?人?いいやどっちでもある……体格は人間のようだが見た目は全身にウロコが生えちょっとばかし気持ちの悪い顔をした……魚人が現れたのだった。

 それも10体以上も……


「チィッッ!!」


 流石に数が多い、戦闘してる間に後ろの魔獣に追いつかれる!!

 強めの舌打ちをしながら90度横へ方向転換し逃げ先を変える。


 しかし方向を変えた先にもまた魔獣はいた。

 オオサンショウウオほどではないが巨大の蛇がこちらに口を開け俺を捕食するかのように迫って来ていたのだ。


 流石にここから方向転換は出来ない……そして前から迫る蛇は大きいがオオサンショウウオよりは小さくしかも1匹のみ……


「ならっ!!倒す!!」


 ジン器の短剣を両手に握りしめ白金の眼で蛇の動きを見極める。

 俺と蛇との距離はあっという間に縮まり、もう目の前まで来ていた。


 大きく口を開け俺を捕食しようとした蛇の魔獣……しかしギリギリのところで回避し蛇の真横に着く。


「そこだっ!!」


 蛇の体に2本の短剣を刺し、そのまま真っ直ぐ前へと蛇の体を切り裂きながら突き進む。

 溢れ出す血しぶき、それを被りながら蛇の尾まで切り裂く。


 俺の背後で倒れ他の魔獣達の進行を妨害する蛇の魔獣、その隙に遠くまで駆ける。


「はぁっはぁっ……とりあえず撒いたか」


 とりあえず周りに魔獣の姿はなく先ほどまでの魔獣達はどうやら撒いたようだ。

 しかし油断大敵、また魔獣達が襲いにくるかもしれない。


 そう思って俺は足を止めずに歩く。

 しかしどこに行けばいいのか……上の層に上がるための階段がどこにあるのか、それを知らない。


「……ん?なんだこれ?」


 そんな時、俺の目の前に古く先端が尖っているまるで塔のような建物が地面から突き出てるように建てっていた。


「こんなところに人工物?」


 少しばかり疑問に思いその建物を見つめる。

 塔……にしては割と細めだ、誰がなんの目的でこんなところに建てたのだろう。


 それに……


「なんだろうアレ?」


 塔に何かのマークがつけられてるのが見れた……王冠?華?が合わさったような形。

 ただ古い物で見辛くちゃんとは見れない。


「……っとそんなことしている場合じゃない!」


 俺は今下層にいるんだった!こんな事してたら魔獣達にまた見つかる……気にはなるがここを離れなくては……


 ──ザーッッ!!


 先程から聞こえてくる滝の音……

 辺りを見渡すといくつもの滝が激しい勢いで下から落ちてきていた。

 そういえば俺が中層にいた時も滝が流れたな……


 ……そうだ!


 中層に戻る方法を思いついたのだった。

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