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やさしい異世界転移   作者: みなと
ディハンジョン
192/246

【191話目】 地を守護せし魔との戦闘

「ああっ!」


 深層から来た魔獣による掃射によりパートリーの腕に奴から放たれた種が直撃し後ろへ飛ばされて地面に倒れ込んだ。


「「パートリー!!」」


 種から身を守りながらも後方の味方を気に掛けていた俺とデイが撃たれたパートリーを見て共に叫ぶ。


 しかし幸いなことに魔獣の種は地面に倒れているパートリーの上を掠め直撃を避けていた。

 けれどこのままだとジリ貧になる……そうなる前に突破する。


 飛んでくる種を1つ1つ撃ち落としていきながらも魔力を足に溜めていく。


「……すぅーーッ、行くぞ!!」


「ユート!?」


 俺はその場で魔力を溜めていた足で強く地面を踏み抜いた。

 そして足に溜まっていた魔力は地面へと流れていく。 

 その力は次第に大地を裂きそして向かうべき敵を切り裂くように走る。


 大地に流した風の魔力が刃となり魔獣へと地割れを起こしながら突き進む。

 魔力への強い反応を起こすのであれば……


 魔獣は風の刃を避けるように地面を蹴り上げ後ろへと飛び回避する、その行動により魔獣は種の射出を一時的に止めていた。


「今だっ!!」


 その隙を突き即座に魔獣目掛けて飛び出す。

 魔法が当たらないのならば次は直接攻撃を叩き込む。


 飛び出すと同時に強く握ったジン器の刃が魔獣を切り裂きに進む。

 しかし魔法を避けるほどの反射神経を持つだけはある、魔獣も負けじと腕を上げジン器を自身の腕で受け止めた。


「かたっ……!!」


 土みたいな見た目とは裏腹に魔獣の腕はかなりの硬度で力が強い俺でも魔獣の腕に刃を食い込ませるのが関の山である……

 魔法も使えばなんとかだが……

 でも……


「デイ!頼む!!」


「……!わかった」


 今は1人じゃない、俺だけじゃ無理でも仲間となら!!

 デイは人器を強く持ちこちらへ向かって走ってくる。

 種による攻撃は今は止まっている、デイの斧と俺の短剣2種の武器による同時攻撃!!

 いくら硬いといってもこの攻撃は耐えきれない!!


 そしてデイが攻撃に加わると間もなく魔獣の腕が破壊されて土が地面にバラバラと落ちる。


「「よしっ!!」」


 いける!このまま2人で押し切ればこの魔獣を倒せる!!


 そう思った矢先だった……

 破壊された腕とはまた逆の左の腕を魔獣は振り上げているのが目に入った、その腕に纏わりついているツタは長くそしてしなやかでまるで鞭のような……


「!!全員!伏せろ!!」


 叫ぶ。次にこの魔獣が起こすアクションを察知して。

 防ごうと左の腕に攻撃を行おうとする。けれど間に合わない、攻撃よりも回避を本能が悟っていた。


 薙ぎ払うように振りかざされる緑一閃──

 元々地面に伏せていたパートリー含めて後方にいた仲間達は俺の叫びを聞きそれを回避する、デイと俺も紙一重で避け切る。


 ──ガッッシャンッッ!!


 緑の線はレイナ達よりもさらに先の俺達が通った通路まで届き通路脇の壁を裂く。

 その衝撃により通路の天井は崩れ、塞がれる。


 退避経路を塞がれた。

 けれど今ここでコイツを倒せばなんとか──


 しかしそう動こうとした俺達の判断よりも魔獣の方が一歩早かった。

 薙ぎ払いを終えた左の腕を地面に着かせる。


 瞬間、地面から生え出る無数のツタが魔獣と俺達の距離を離した。


「なっっ!!」


「多すぎだろ!!?」


 前方を数多のツタに阻まれている俺達を見ながら切り落とされた自身の右腕を拾い、魔獣は背後にある通路へと向かっていく。

 一旦引き下がって体勢を立て直す気か!?なんて賢い!!


 そんな関心をしている余裕はない、あの魔獣は危険だここで対処しないとまずい、そうは思っているが目の前のツタがあまりにも多すぎて魔獣の元に向かえない!


 斬っても斬っても生えて道を塞ぐ……そしてある程度ツタが生えなくなった頃にはもう既に魔獣の姿は消えていたのだった……

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