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やさしい異世界転移   作者: みなと
ディハンジョン
191/242

【190話目】 それは地を守護したる魔

「深層の……魔獣です!」


 パートリーのその発言に場が凍りつく。


 土の巨大な塊のような体に緑のツタが纏わりついているその生物……と言っていいかわからないがコイツは昨日戦った下層の魔獣のヤリンボー、俺達が苦戦した魔獣よりもさらに下の深層から来た魔獣だと言う。

 素直に考えればコイツはヤリンボーよりも強いっ!


 それと同時に納得はする、この威圧感の持ち主だそれくらいじゃないとな……


「……ふぅーっ、でどうする?デイ」


「さっきので行こう……パートリー!他に奴の特徴は!!」


「えっ……えっえっーと、書かれてることが少ない……種ですっ!その魔獣が撃ち出す種には気をつけて下さい!!」


「「わかった!!」」


 パートリーからの情報を得た俺達はすぐさま魔獣へと突き進む。

 注意事項が少ない……これはただやつをそんなに警戒しなくてもいいという事なのかそれとも……


「レイナ!そこの人を頼む!!」


 それでも俺達は戦わなければ……深層の魔獣だなんてあまりにも規格外すぎる……

 それにこの魔獣をなんとかしなくては今現在俺達に助けを求めてくれている人を助けられない!!


「くらえっ!──ラクリアグマ!!」


 デイの斧が魔獣へと振り下ろされると同時に辺りに強い電撃が走る。


「まったく無茶するなぁ──斬風!!」


 それに合わせるようにデイの電撃を交わしながら短剣から風の魔力の斬撃を魔獣に放つ。


 2種類の魔法がそれぞれ狙いの魔獣へと飛び爆発を起こし砂煙が上がる。


「やったか!?」


 その光景を見たデイはすぐさま叫ぶ。


「おい、それダメなやつ!!」


 そんなツッコミを入れた瞬間にも砂煙が晴れ何もいない空間が俺達の前に現れた。


「なっ!?奴はどこに!!」


「ま、真正面!さらに先です!!」


 いきなり姿を消した魔獣に動揺を隠せないでいるがパートリーがすぐさま魔獣の場所を魔法によって特定しすぐに警戒に入る。


 ドシンッ ドシンッ


 再び聞こえる足音、そして奴が再び奥の通路から姿を現す。

 俺達の攻撃が効いてないのかまったくの無傷の状態で再び姿を現したのだ。


「な、攻撃が効いてない!?」


「い、いいえ……僕の魔法で感知しました。

あの魔獣は魔法をくらう瞬間、物凄い速さで後ろへと飛んだんです」


 魔獣は魔法をすぐさま察知してそれを回避するために動いた……

 つまりやつは魔法を警戒している……?

 とはいえそんな速く動ける相手に魔法を雑に放っていても当たるとは思えない。


 だから……


「デイ!多分こいつに魔法は当たらない……だから魔法を使わずジン器による接近戦で潰すぞ!」


「……わかった」


 そうして再び俺達が戦闘を再開しようとしたその時だった……


「ん?なんだ、腕をあげてこっちに向けてる……?」

 

 突如魔獣がこちらに腕を向けてきた。

 土まみれのどデカい腕……その腕には幾つかの穴が見えまるで何かを発射……


"撃ち出す種には気をつけろ"


「そういうことかよ、全員避けろ!」


 すぐに魔獣の行動の意図に気付き大声で注意を促しながら地面を蹴り横へ回避をとる。

 近くにいたデイも俺の発言で危険を察知したのか俺とは反対に避ける。


 そして


 ズポポポポポッッッッ!!!!


 魔獣の腕に空いてる穴から一斉に何が高速で一直線に射出される。

 パートリーとの情報を掛け合わせるとこれが当たってはいけないやつの種……

 パートリーの言葉をそのまま受け取るのであればアレに当たるのは避けねばならない。


 魔獣の直前上かれ逃れられたため、射出された大多数の種が横を掠めていく程度で済んだが……それでもこちらへ飛んでくる種への対処が必要なくらいには魔獣の発射範囲が広かったのだ。


 この程度の球数と速度なら神眼がなくても対処は出来る……現に俺と同じく回避を行なったデイも俺と同じ数の種を対処出来ている。


 問題は後ろのレイナ達……さらには倒れている男の人……無事なのか?

 そう思いながらなんとか後ろの方に視界を移す。


 そこには……倒れた男の人の前に自身の人器の盾を構え種から身を守っているレイナ達の姿が見えた。

 レイナの盾の後ろには倒れている男の人だけでなくパートリーやヴァーリンまでいた。


 全員無事だ……!

 しかしその安堵は長くは続かなかった。


 レイナの盾で守り切るにはあまりにも人数が多かったのだ。

 人数が多く盾からパートリーの腕がはみ出てしまっていた、そんな場所を発射されてる多くの種が当たらないはずもなく……


「ああっ!!」


 パートリーの腕に魔獣の種が着弾してしまったのだ。

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