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やさしい異世界転移   作者: みなと
星降る都市
136/243

【135話目】 サンスインへ突入?

「起きろそろそろ着いたぞ」


 チャーチスの声で目が覚める。

 どうやらようやく着いたらしい。

 夕陽が沈もうとしてもうじき夜になろうとしていた時の事だった。


 目を開けて外を見る。

 少し離れてはいるが視界にはパゼーレと同じくらいの壁が見えた。

 どうやらそこが目的地のサンスインのようだ。

 それから数分もしないうちに馬車はサンスイン前まで着き止まった。


「ここまで大丈夫だ、さっ降りろ」


 チャーチスは運転手にそう告げて俺達に降りるように命じた。

 どうやら馬車ではサンスイン内部は行かないみたいだ。

 その言葉通り俺達は馬車から降りる。


 馬車から降りた俺はサンスインの門を見る。

 門はどうぞ中へお入りくださいと言わんばかりに空いており門番らしき人物もいなかった。


「とりあえず門へ近づくぞ」


 最後に馬車から降りたチャーチスと共に全員門へと近づく。

 門へギリギリまで近づいた俺達は前からヒナリ、レイナ、俺、チャーチスの並びで都市の様子を伺った。

 俺目線としてはどこか変わった様子もないただの門、けれど外から見た都市内部に人やその気配は全く無く閑散としていた。


「人が……いませんね」


「やはり都市内部でも何か異変が起こっているようだ……このまま中へ入るのは得策で……はっぁぁぁ!!」


 チャーチスが都市内部を見て今後の事を言おうとした瞬間、チャーチスは叫ぶ。

 なんだ?と思い振り返ろうとした時、背中から強く押され前にいたレイナ、ヒナリおも一緒に前へ強く倒れ込んでしまった。


「いてて……」


「あの、ユート……?」


 地面に手をついて倒れる。レイナが俺の名を呼んで目を開ける。


 目を開けたらレイナの顔があった俺の手もレイナの顔のすぐ横についており、まるで俺が押し倒したみたいな姿勢になっていたのだ。


「うわぁっ!!ごめん!!」


 すぐ目の前のレイナの綺麗な顔に俺は飛び上がって立ち上がった。

 立ち上がった際に周りを見渡す、どうやら俺達は倒れた際にサンスイン内部へ入ってしまったようだ。

 いったい何故こんなことに……


「おいじいさん、何やってんだ!!?」


 すぐ後ろでチャーチスの怒鳴り声が聞こえ俺は振り返る。

 するとチャーチスが馬車の運転手の胸ぐらを掴んで怒りを見せていた。


「な、何してるんですか!とりあえず離してください!!」


 何故ここに馬車の運転手が?

 もうとっくに俺達を送り届ける依頼は達成しているはずなのに……


「いやぁ……まだ報酬を受け取ってなくて……受け取ろうとしたらつい転んでしまってな」


 運転手は悪びれる様子もなく話す。

 どうやら俺達が都市へ倒れ込んだのはこの人が転んだ拍子にチャーチスを押してさらにチャーチスが倒れる勢いで俺達を押してしまったことが原因らしい。


「……ったく、それならパゼーレに戻ってセリティア様に頼めばくださる」


 チャーチスは呆れた様子で運転手に説明をする。


「あぁ、そうですかい。親切にどうも。

それでは私はこの辺で……ってぇ!!??」


 チャーチスから説明を受けた運転手は回れ右して都市の外へと歩き出す。

 しかし次の瞬間、老人とは思えないような声をあげ、彼はその場に倒れ込んだ。


「だ、大丈夫か?」


「あっいえいえ、ついつい大声が出でしまって申し訳ない……

なにせ……"ここから出られなくなっている"みたいでして」


 運転手の大声に驚いた俺達は彼に駆け寄り声をかける。

 運転手は少し慌てた様子を見せるが何事も無かったかの様に立ち上がり意味深な発言をしたのだ。


「出られなくなってる?そんな訳……は?」


 運転手の言葉に疑問を感じたチャーチスはすぐに手を前に突き出して都市から出ようと歩くほんの少し歩いたところでチャーチスの足が止まった。


「ここから……進めない……!?」


 チャーチスの深刻な声を聞き俺達もチャーチスと同様手を突き出して都市を出ようとする。

 しかし……門を出ようとする所でまるで透明な壁が現れたかの様な感触が手に伝わりこれ以上進めなくなっていた。


 どうやら俺達がはこの都市に閉じ込められてしまったみたいだ。

 

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