【130話目】ねがいを叶えるほしと少女
もしねがいが叶うのだとするならば、あなたは何をねがう?
私はね……
いきが苦しい……さっきからずっとはしってもうはしりたくない、でもそんな事言っちゃダメ、別のかくれ家につくまでがんばらないと。
「いそげっ!拠点まであと少しだ!!」
まっくらな町でお父さんの手をひかれて私はひっしにはしってる。
私の近くにいる男の人たちはまわりを見わたして誰かが来るかを見ていた。
「まずい、来たぞ!!」
そんな声が聞こえた、私は後ろをふり返って来た人たちを見た。
そこにいたのはキョウシンカイっていう怖い人たち。
そしてこの人たちのねらいは……
「……数が多いっ」
私の手をにぎってくれてるお父さんは小さな声でそう言ったのが聞こえた。
お父さんはなにか考えてる顔をしたと思ったら私の手を離した。
「頼む、俺の代わりにこの子を……」
お父さんはそう言って私をいっしょにいる男の人にわたした。
「でも!アンタは……」
「ここで奴等を食い止める……!俺じゃなきゃ出来ない事だ、この子を奴等から守ってくれ」
お父さんはそう言って話してる人のかたに手をおいた。
そう、あの怖い人たちは私をおって来てる、みんなは私を守るために……
「……隠れ家で待ってます!必ず戻って来てください!!」
お父さんに私をたくされた人は小さいけどたしかに力強くお父さんに言って私を背中にのせた。
「まって!お父さんは!?」
私はいきなりのことでわからずに私はお父さんに大きな声で聞いた。
「大丈夫、きっと迎えに行くから」
お父さんは大きくてあたたかい手で私の頭をなでてくれた。
「行けっ!!」
お父さんの手が頭からはなれて、お父さんは後ろを向いて大声でさけんだ。
その声がして私をおんぶしている人はお父さんをおいてはしって行く。
「まって!お父さん!!」
段々とはなれていくお父さんの背中を見て大きな声でお父さんを呼ぶ、けれどお父さんは私の事を見ずに私をおって来てる人たちとたたかい始めて、そして見えなくなるくらい遠くまではなれる。
これが7才になった私の初めての1人だけの家族とのお別れの時。
私は知らない人の背中におぶさられゆられながら空を見た。
黒い空にはきれいにかがやくお星様がたくさんあってキラキラとしてきれいな空だった。
そのきれいな空から1本の光の線が作られた。
聞いた事がある、たまにだけお星様が空からふってくる……たしか名前は流れ星。
その流れ星にねがいを言うとねがいが叶う……まるで私の魔法みたいなお星様。
そんな私と似たお星様に私はねがい事をする。
「どうか……」
──どうか私を、殺してください。と