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やさしい異世界転移   作者: みなと
パゼーレ魔法騎士団
105/242

【104話目】 任務完了!!

 ユウトの渾身の一撃を食らったバクトリは吹き飛び、地面におちる。

 地面に倒れた後もバクトリは立ちあがろうとはせず静かな時が流れる。


 立ちあがろうとはしない、ということはつまり。


「うわぁぁぁぁ!!!そんなぁ!バクトリさんが負けるなんて!!!」


「うそだぁぁぁ!!!」


 盗賊団の奴らがバクトリが立ち上がらない事に騒ぐ。

 そうこの勝負、ユウトの勝ちである。

 ユウトは倒れているバクトリを見て立ち止まっている。


 さて、ユウトが勝ったということは大人しく盗賊団の奴らは降伏ってなるのだが……

 その時、盗賊団の1人が声を上げる。

 

「み、認めねぇぞ!!」


 ……やっぱり


「そ、そうだそうだ!!俺たちのボスがこんな奴に負ける筈がねえんだ!!」


「きっとアイツ卑怯な方法でバクトリさんを嵌めやがったんだ!!」


「みんな!バクトリさんを嵌めたアイツを殺るぞ!!」


「「「うぉぉぉぉぉぉ!!!」」」


 盗賊団の奴らが決起を起こす。

 やばい……流石にこの数、俺と消耗してるユウトじゃ……



「おめぇら!だまれぇぇぇ!!!」


 盗賊団の奴ら以上の大声が盗賊団のアジト内に響き渡る。

 その大声の主はユウトの足元で仰向けで倒れているバクトリだった。


 バクトリの声で盗賊団の奴らは口を閉じた。

 バクトリはそのまま体を起こした。

 地面に座ったまま自分を打ち負かしたユウトを見ていた。

 そしてユウトの顔を見たバクトリは一回瞬きをして、部下達の方を見渡しながら。


「この勝負は俺の負けだ。俺が負けを認めた以上、ゴタゴタぬかすな」


 なんとバクトリはあっさり自分の負けを認めたのだ。

 そしてバクトリは立ち上がりユウトに手を差し出した。


「約束だ、俺は降伏する。……という訳だお前ら、達者でな」


 バクトリはそう部下達に声をかける。

 すると……


「「いやっ!!アンタだけが捕まるなんて納得が出来ねえ!!どうせなら俺たちも一緒に行きます!!!!」」


 盗賊団の奴らが一斉に持っていた武器を地面に置いて降伏したのだ。


「お前ら…………という訳だ、少し数は多いが俺たちは全員降伏する」


 なんと、なんとだ!盗賊団全員がユウトに降伏の意思を示している。

 当の本人は少し戸惑った表情をしながら盗賊団達を見ている。


 何はともあれ、ユウトは勝った。そして敵味方、誰の犠牲も出さずに盗賊団討伐任務を達成したのだった。


 ユウトには関心した、しかし俺自身ユウトに対して何も出来てなかった……ただ子供だと侮っているだけしか出来なかった。

 俺は俺自身に無力さを感じてしまったのだ。


 そんな時、ひとまず盗賊団の奴らを落ち着かせたユウトが俺の方へと近づく。

 少し怖かった……何も出来なかった俺にユウトがね何て言うのかが、けれど。


「ありがとうございました!シノンさん!!」


 ユウトがまず初めに出した言葉は感謝の言葉だった。


「……えっ?」


「シノンさんが俺のことを信頼してくれたから、俺は勝てたんです。だからその事を……」


 ……そうかユウトはこういう人間なんだ、どんな人間を信じる善人。

 それは彼の長所でもあり、おそらく短所なのだろう。


「まぁお前が勝ってよかったよ。次は俺も戦闘に直接参加するよ。……とりあえず戻ろうかユウト」


 そうして俺とユウトは降伏した盗賊団達を連れてアジトを出る。

 しばらく歩いているとアグン隊長達と再会して状況報告をした。


 最初は盗賊団達の降伏に驚く様子だったが事情を話すうちにその驚きが笑いへと変わっていた。


 そして俺たちアグン隊はパゼーレへと帰還して盗賊団達の身柄も受け渡して、正式に盗賊団の討伐任務は完了したのだ。


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