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「ちょっとが空が赤すぎて目に悪いので敵の場と強さを示す光体は爽やかな水色にしておきます。それから点滅もしないようにしとこ。何故なら寝にくい」
アイテム作成:折り畳み式ハンモック
光太郎は「ここが天国だ…・・」といわんばかりにハンモックに揺られ、だらしない表情をしながら野営地を作っていく。
アイテム作成・天幕、100室ある宿屋、クリア(清浄化魔法)を得意とするメイドたち、サキュバスとインキュバスのいる地下ダンジョン、大量の肉、多種多様の大量のケーキ、多様な最高級の酒、マナで動く超巨大冷蔵庫が複数、バーベキューのできる巨大なかまど、化学調味料一式。
「君らはマナ体なのでうんことかしなくても全部エネルギーに変えられる。けれど、どうしても脱糞をためしてみたいというのならクリアなど不浄を消し去る魔法を自前で用意するか、ほかの英雄に頼んでくれたまえ。もちろん僕に頼んでもいい。ほかにほしいものがあれば気軽に申し付けてくれ。戦争をするにあたって士気は大切だからね。僕は天幕の下で寝ているから用事があれば起こしてくれ」
アイテム複製・天光の情報地図
「それから空に浮かんでいる地図を小さくしたものも君らには渡しておく。光に触って地名を唱えるだけでその地点に移動できる優れものだ」
光太郎が天幕の天井を虚無の瞳で眺めながら指を鳴らすと天から100名の英雄にその光の強弱から敵の強さと居場所が分かる地図が配られた。
「君らは強いけど、基本はツーマンセルで動いてくれ。スリーマンセルでもいい。とにかく君らが死んで敵がその強靭なマナを吸い取ったりすると最悪だからね。危険なときはこの僕が寝ている野営地本部まで戻ってきてちゃんと報告すること」
「なんでも用意するけど敵のマナを増やそうとしちゃいけないよ。魔女の邪なマナやオドを体内に入れて手名付けられる手合いばかりじゃない。倒した魔女のマナやオドは黒石というアイテムを作って離れた場所からでも吸収だけできるようにしておく。……君らの左手やら左足やらをみてくれたまえ。すでにそこにあるはずだ。この草原の中央に黒石で出来た塔を用意しておくから帰ったらそこに貯めておいて。かざして念じるだけでうまくいくはずだから」
「集めた邪悪なマナやオドはどうするつもりだ?」
いかにもな聖騎士といった男が質問をする。
「浄化系の魔法で浄化して使えるところまでは自然に返すつもり」
「もし失敗したのだったら」
「安心していい。その場合は僕が天界にラッピングして送り付けてやる」
軽口をたたく光太郎。
すると周囲の時間は光太郎のほどこした魔法よりもさらに上位の魔法で止まり、最高神が優美で清らかな光をともなって天空から雲を割り表れた。
「そういうことすると後の産業廃棄物処理を君に任せることになると思うよ」
「おおこれはなんと神々しい!」
聖騎士は自然と膝をついている。
「そうか?」
胡散臭げな眼で光太郎は立ち尽くしていた。
「できるかぎり敵の未練とか後悔とか解決してから倒してマナやオドの循環を正しくしてね。あとその黒石って便利だなぁ。マナが枯渇して砂漠になっている地域の緑化にも使えるかもしれない。君がどうにかしてくれることを祈っているよ」