EpisodeⅦ「動作確認」
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月華騎士団が帰った後、俺達はまた会議室に集まっていた。
「――てな感じになったわけです」
俺はさっきの話し合いの経緯をみんなに話した。
「なんか…敵対した感じになってないか?」
そう言ったのは水域さんだった。
まあ、話聞いた感じだとそう考えても仕方ないよな。
実際怪しいし。
「それは少し否めないですが…。しかし、あそこで舐められる訳にもいかなかったので…」
あの場で下手に出れば、相手との上下関係が決まりかねなかった。
ああ言うのは、強気で行って自分達が上だと主張することが大事だ。
そうすれば主導権を握る事ができて、こちらの要求を言い易くなる。
「その方法だと敵を作りすぎてしまう気もするが…」
「大丈夫ですよ。今回の相手は馬鹿じゃなさそうですから、むやみにこっちに危害を加えようとは思わないでしょう」
馬鹿な奴は自分が下に見られた時点ですぐに攻撃してくる奴。
こう言うのを人は能無しや馬鹿、アホ、戦犯とか言ったりするんだよ。
何事も冷静に。
そして、臨機応変に対応しなければならない。
柔軟な思考も忘れてはいけない。
「それはそれとして。さっきの話し合いの中で気になるワードが出てたな」
「魔力反応…だったっけ?」
「そうです」
シリカと言う少女が言っていたあの言葉は、この世界にある物がある事を示している。
それは。
「魔法…があると見た方が良いのか?」
「そう考えていた方が良いでしょう」
ROMANYさんの言った事を肯定しながら続ける。
「この魔法と言う技術がどんな物で、どこまでできるのか。それを知る事も今後の方針に加えておきましょう」
「そうだな。無知は弱点になる」
「そして、知っていたら武器になる…てか」
「その通りです」
無知はどんな場面でも必ず弱点になる。
しかし、知っていればどんな事にでも対応する事ができる。
知っている、と言うのはそれだけで強力な武器だ。
「しっかし魔法かー」
武神さんがそう言いながら椅子の背もたれにもたれ掛かった。
「俺達も使えたりするのか?」
「それは分かりません。それも知っておく必要があります」
「やる事が増えてくるなー」
「まあ、やるのはカメだけどな!」
KEIさんがそう言いうと、みんなして笑った。
俺は心の中で「勘弁してくれ…」と呟きながら苦笑いをしていた。
「皆さんもちゃんと仕事してくださいよ」
「分かってるって」
俺はまた溜息を吐いた。
「ああ、それと…」
俺は思い出したかのように話を切り出した。
「一度、外で実際に機体を動かそうと思うんですが…」
「え?今はガレージの横に演習場を作ってるんじゃなかったっけ?」
「そうなんですが、あの騎士団が来たと言う事はもう、ここは外にばれていると言う事です」
そこまで言うと、みんな納得したように頷き始めた。
騎士団が来たと言う事は他にも誰かが来るかもしれない。
それが、今回のように話し合いで済めばいいが、そうでない場合は戦う事になる。
その時、万が一にも機体が動かなければ元も子もない。
と言う訳で。
***
俺達はガレージでそれぞれの機体に乗り込む。
そして、システムを起動させる。
起動シークエンスが始まり、すべてが『ALL GREEN』と表示されると機体のカメラからの映像が前と左右のモニターに映し出される。
全機の起動が終わると、ロボット達がカタパルトを操作し、大型エレベーターのへと順番に運んで行く。
その時に足元を見てみると、ロボット達が手を振っていた。
その光景に少し笑いながらエレベータに向かう。
エレベータが上がりきると、目の前の大きな鉄扉がスライドしていき、外が開かれる。
扉が開ききったのを確認すると、ゆっくりと歩を進めた。
機体は大きな振動を立てながらゆっくりと歩いて行き、無事にガレージの外に出ることができた。
その後の全機も問題なく外に出ることができた。
俺達は一度、機体をしゃがませて、降りる。
「無事に全員動いたな」
「そうですね。武器の稼働確認は明日にしましょう」
今は武器を持ってきていない。
とりあえず、機体だけ動かそうと言うだけだったのからだ。
「そうだな。今日は一先ず、機体を動かして実際の感覚を掴もうぜ」
その後、全員再び機体に乗り込み、個々で機体の確認を行った。
そして、日が沈み始めた頃に機体をガレージに戻した。
ガレージに戻った後、みんなには機体の感触や不具合の有無、改善点などをレポートに書いて提出してもらった。
SHUTさんとかは「レポートとか学生時代を思い出すわー」とかおっさんじみた事を言っていた。
実際、俺以外は30過ぎたおっさんなんだけどね。
それ言ったら怒られそう。
夕食を終え、俺は自室に戻り、みんなのレポートを読んでいた。
「不具合は無し…。感触はそこそこ…。改善点は…みんな無茶振り書くなー」
皆それぞれ結構な無茶苦茶を書いていた。
武神さんは「すべてを切り裂く剣と光速に匹敵する速度を求む」とか書いてた。
バランスブレーカーにも程があるだろ。
それに、光速とか自分が先に死ぬだろ。
なんて思うながら見ていた。
「みんな、ゲームだと思って無茶苦茶書いてないか?」
そんな疑問を持ちつつ、読み進めていた。
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