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EpisodeⅣ「今後の方針」

 部隊ルーム(会議室と呼ぶことにした)に戻ってきた俺達はそれぞれ席について今後の方針を決める。


「外を見た感じだと、ここがゲームの中っていうのは怪しくなったな」

「そうですね」


 武神(ぶしん)さんが言った事に俺は肯定した。


「となると、ここはどこなんだ?」

「分かりません…。ただ、一つだけはっきりさせておきたい事があります」

「それは?」

「これからの方針です」


 さっきにも出た事だが、これは何をするにあたっても重要な事だろう。

 方針が無ければ選択をする事ができなくなる。

 行き当たりばったりでは駄目なのだ。


「確かにそうだな…。しかし、方針と言っても今の現状ではよくわからないから、決められないんじゃないか?」


 確かに、SHUT(シャット)さんの言ったように今の情報じゃ細かい行動目的などは決められない。

 しかし、今は細かくなくていい。

 今、決めるのはもっと根本的な部分。


「確かにそうですが、今はもっと根本的な部分を決めるべきです」

「根本的な部分…?」

「はい。今ある情報で分かった事は、ここは俺達の知っている世界でないと言う事。俗に言う異世界です。それがゲームの世界だと、そうでないとしても、これだけは決めておくべきです。それは…元の世界に帰るかどうか…」


 俺がそう言うとみんなの中に緊張が走った。

 帰るかどうか。

 これを基準にして俺達は動いて行く。

 逆にこれが決まらなければ何もできない。


「カメの言う通り、それは決めなくちゃいけない」

「ああ。それは俺達の最終目標になるからな」


 そう言ってみんな一堂に考え始める。

 しかし、これは一瞬で決められる物ではない。

 それぞれ、考える時間が必要だろう。

 故に。


「この件に関してはぞれぞれで考えるという事にしましょう。決まり次第、またみんなで話すと言う事で」

「…そうだな」

「今すぐには決められそうにない…」

「とりあえず、今後の方針は元の世界へ帰る方法を探す、という事にしておきましょう。帰るにしろ、帰らないにしろ、どちらにしても知っておいて損はないでしょう」

「そうだな」


 今後の方針が決まったところで、目先の問題に切り替える。


「それで、次の議題ですが、これから俺達が行うべき事は情報収集です。ここがどこなのか、何故こんな事になったのか、それを知る必要があります」


 俺の言葉にみんなは頷いた。

 それを確認して話を続ける。


「そして、それと同時に行うのが、防衛手段の確保です」

「防衛手段?」

「はい。この世界にどんな物があるのかが一切分かっていない状況ですから、自分たちの身を守る手段は必要です」

「ゴブリンとか、そういうファンタジー系のモンスターがいるってことか?」

「可能性の問題です」


 もし、居なかったとしてもそれはそれでいい。

 ただ、もし居たのだとして、何も対策をしていなければ俺達は死ぬだろう。

 元の世界に帰るための方法を見つけるまでは必ず、生き残らなければならない。


「やっている事に越したことはないってだな」

「はい」

「しかし、防衛と言ってもどうするんだ?俺達は軍隊じゃないんだ」


 水域(すいいき)さんがそう言ったので、俺は思わず笑ってしまう。


「防衛手段ならガレージにでっかい奴があるじゃないんですか」

「…あれ、使えるのか?」

「作業用ロボットたち曰く、使えるそうですよ。メンテは完璧っ…だそうです」


 作業用ロボットと言うのはロボットの整備をしたり、俺たちの身の回りの世話をしたりしてくれるロボットだ。


 その時、作業用ロボットの一機が俺に紙を渡してきた。

 俺はそれをみんなにそれぞれ配った。


「今渡したのは皆さんの機体データです」

「…確かに、数値はまるっきり一緒だな」

「シミュレーターが全機体に入っているらしいので、それで練習してください」


 俺の言葉を聞きながらみんなは資料に目を通している。


「そして、食料ですが、半年は持つそうです。食事もロボットが用意してくれるので、心配はいらないみたいです」

「…なんか、至れり尽くせりだな」

「近未来って感じ…」


 確かに、今の状況はまさに近未来そのものだ。

 男のロマンの結晶と言ってもいい。

 しかし、みんなの中には家庭を持っている人がいる。

 俺は特に元の世界に未練はないが…あっ、積みプラ崩してねえわ…。


「そして、最後にリーダーを決めなければなりません」


 俺がそう言うとみんなが一斉に言った。


「カメだな」


 俺はその言葉に呆然となった。

 信頼されて、頼られるのは嬉しい。

 嬉しいが、丸投げ感が否めない。


「ここまで、すでにカメが取り仕切っているんだし、カメでいいでしょ」

「そうそう。それに、俺達、ロボワーの長は元からカメだろ?」


 KEI(ケイ)さんにそう言われて俺は肩を竦めながら言った。


「分かりましたよ…」


 その光景をみんなはニヤニヤしながら見ていた。


 ***


 この世界に来てから3日が経った。

 皆はシミュレーターを使って機体操作の練習中。

 いずれは外で実戦的な訓練をした方が良さそうだ。


 この辺の地理も調べた。

 俺達の拠点、このガレージは結構広い森の中心部分にある。

 そして、この森には魔物と呼ばれるモンスターがいる。

 それはまさにファンタジー世界と言ったような者で、ゴブリンやオークなどが多かった。


 この情報はすべて、作業用ロボット達に外を探索してもらった時に得た情報だ。

 護身用としてアサルトライフルを持たせたのだが、帰ってきた時にサンプルとしてゴブリンの死体を一匹持って帰ってきた時はみんなで死体処理に悩んだ。

 結局、外の森に捨てた。

 いずれは他の魔物が食べるだろう。


 そして、俺は自室(みんなは隊長室と呼んでいる)場所で書類整理をしている。

 色々な資料に目を通しながら、このガレージの情報を集める。


 機体や武器の調整、補給はすべてロボットがやってくれる。

 壊しても、予備部品を持ってきて交換できるそうなので、心配はいらなさそうだ。

 因みに予備部品や弾薬や燃料などの補給物資の出どころは知らない。

 これは知らない方が良い気がする…。


 いずれは、どこかに実戦練習場のような物を造れたらなと思っている。

 一番手っ取り早いのが、森の一部を拓く事なんだけど…。

 それだと、魔物の乱入がありそうで怖い。


 作業用ロボット曰く、魔物はそこまで強くないらしいので、心配はいらないと思うが、練習中に邪魔をされても困る。

 という訳で、できれば地下に作りたいがそう簡単にはいかないだろう。

 とりあえず、この件は保留にしておこう。


「さて、ガレージでみんなの様子でも見に行こうかな…」

評価等々してもらえると大変励みになります。

宜しくお願いします。m(_ _)m

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