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EpisodeⅩ「覚悟」

 さて、なんだかんだで時は過ぎ、秋になった。

 この世界にも四季あるようで、森の木々は落ち葉を舞いさせていた。

 しかし、そんな時でも俺達は地下にいた。


 演習場。


「いっくぜー!」


 そう言いながら突進していく、武神さんを狙撃で援護しながら他の人に指示を送る。


「北は武神さんが行っています。援護は俺がするので、他は西をお願いします」

「了解」


 インカム越しからそう聞こえると、スコープを覗く。

 武神さんは相変わらずの無双っぷりで敵を薙ぎ倒していく。

 正に武神だな…。

 そう思いながら武神さんを援護する。


 西側はKEIさんを主軸として、敵を倒していっていた。

 KEIさんが前に出て、機動性を生かし敵を翻弄しながら一機ずつ撃破していく。

 開けた場所にはSHUTさんとROMANYさんが立ち塞がり、圧倒的弾幕力で敵を瞬殺していく。

 壁に隠れている敵や少し遠くで集まっている敵には水域さんが迫撃で潰していく。


 こうやって連携を取る事で隙が無くなり、敵を一定以上こちらに来させなくする。

 そうすれば、敵は思うように動けず、一方的に殲滅できるという仕組みだ。


 大まかな役割は『強襲機体』であるKEIさんと武神さんが敵のラインを崩し、『重撃機体』のSHUTさんとROMANYさんがこちらのラインを形成、KEIさんと武神さんが崩した所へどんどんラインを上げていく。

 俺と水域さんは4人のサポートをする。

 こうやって俺達は対抗戦を勝ち上がってきた。

 しかし、このやり方はお互いの役割を把握し、状況に応じてそれぞれをカバーし合う視野が無ければ成立しない。

 非常に難しい戦法だ。

 俺達だからこそできる事でもあった。


 ***


 演習を終えて、俺達は演習場横に作られた休憩室へと来ていた。

 因みに演習場の広さは学校丸々一個分の大きさで、建物の配置を自由に変えることができる。

 正にゲームのような使用だったりする。


 この演習場ができてから、1週間以上が経つ。

 敵となっている機体はAI(人工知能)が搭載されており、強さも10段階に分かれている。

 さっき戦ったのは一番強い10だった。


「…結構、簡単だったな」

「AIですからね。多少、人間よりも行動が読みやすくて助かりました」


 コーヒーを飲みながら戦闘の感想を言い合う。


「AIの思考読めるとかマジすげえよ…」

「AIは最善手を打ちますから、現状で一番効率が良くて、最善の行動かを理解できたら簡単ですよ」

「それが出来たら苦労はしないんだけどなー」


 SHUTさんの言葉にみんなが頷く。

 それに苦笑いを零しながらコーヒーを飲む。


「さて、演習場での練習も終わりましたし、今度からは外で実戦という事になります」

「ついにか…」


 演習場はあくまで練習。

 安全に配慮していたが、外は違う。

 実際に敵は俺達を殺しに来るし、相手は本物の命だ。

 ゲームではなく、現実。

 そして、そうなれば問題が生まれる。


「…今更なんですが…」

「ん?どうした?」

「皆さんは命を奪い合うという事に覚悟はできていますか?」


 ここはゲームではない。

 引き金を引けば敵は死ぬ。

 それはゴブリンのような魔物かもしれないし、人間かもしれない。

 その事に抵抗感を抱いてしまったら…。


「そんな物、とっくにできてるよ」

「そうだな。騎士団が来た時から」

「俺はカメが防衛手段を確保するって言った時からだな」


 皆、当たり前のようにそう言ったが、その目は真剣だった。


「ここは俺達のいた世界じゃない。別の世界だと思って割り切っているさ」

「…そうですね」


 KEIさんがそう言った事に俺はそうするしかないと思った。

 ここは別の世界で、それがこの世界のルールだと思っていかないとやっていけない。

 郷に入っては郷に従え。

 それがこの世界でうまくやって行く為の方法なのだ。


 空気が重くなってしまったので、話題を変える。


「それはそれとして、この辺の地理について把握できたのでその報告をしておきますね」


 俺がそう言うと、ロボットが紙束を渡してきた。

 これは、この辺の地理状況をまとめた資料になる。


「皆さんも知っている通り、ここは森の中にあります。そして、その森は歩いて6時間ほどで抜ける事が出来ます」

「結構深いな…」

「ガレージの正面は森ですが、後ろ側は山になっていました」

「山?」


 拠点の後ろ側は山となっており、そこにはゴブリンやオーク以外の魔物がいることが確認されていた。

 そのため、ロボット達での探索は困難となったため、山の中までは確認できていない。

 山は一度、俺達自身で探索する必要がありそうだ。


「森を抜けると平原になっていました。少し、歩いた先に道のような所に出たのでそこをたどれば街に着くと思います」

「街か…」


 いずれは行かなくてはならないが、移動手段がない。

 自分達の機体で行けない事もないが、警戒されるのがおちだろう。

 車なら機体よりかは警戒されないだろうから今度ロボットに製作してもらおう。


「これからは主に、森の外に出る事になります。ロボット達だけでは不安なので、その時は誰かついて行ってもらう形になりますが、その時はよろしくお願いします」

「そうだな。何でもかんでもロボットに任せる訳にもいかないしな」

「ああ。俺達も働かないとな」


 報告が一通り終わった所で俺達は解散し、自室へと戻っていった。

評価等々してもらえると励みになります。

よろしくお願いします。m(_ _)m

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