この天使はドジっ子属性もついてるみたいなんだが
ちょっとずつ投稿していきます。
「す、凄いです……!!こんな光はじめて見ましたよ!?」
「おい、ファム、隠蔽魔法きいてないじゃねぇか。」
「むむー?これは多分……能力値が高すぎて抑えても人間としてはかなり高い数値なんだと思う……」
マジデスカ。
「これは凄いですよ!これなら初めからAランクでもやっていけますね……」
「ちょ、ちょっとまってください!Aランクって……?」
「あぁ、説明していませんでしたね。冒険者ギルドでは実力に合わせて各冒険者にランクが付けられています。そのランクに応じて受けられるクエストも決まってきます。ランクは1番上がSSランク、一番下がCランクです。Aランクは上から3番目ですね」
上から3番目か……。たしかに人間の中では最初からAランクってのはかなり高いっぽいな。
「ということは俺はかなり能力値的には高いってことでいいんですか?」
「そうですね……。全ての能力値が平均を遥かに超えていますよ」
隠蔽魔法してなかったらどんだけすごいんだよ……
「ねー、私も触っていいー?」
あ、ファムのこと完全に忘れてたよ
「あ、はい。どうぞ」
「じゃあいっくぞー!」
ファムは右手をふりかぶって勢いつけて……最後は優しく触った。
「おぉー!光るねー」
「な!?この光は!?」
ピシピシ……パキーン!
「……」
水晶割れちゃったんだが?
「おい、隠蔽魔法は?」
「自分にかけるの忘れてたよーてへっ」
「てへっ……じゃねえええ!!周りめっちゃポカーンってしてんじゃねえか!」
「いやー誰にでもミスはあるって」
「お前は毎回ミスりすぎだろ!」
「あ、あのー?すみません、水晶がわれてしまって測定不能となってしまったのでもう一度別の水晶で測定させて貰えますか?」
「は、はい!
おい、今度こそちゃんと隠蔽魔法かけろよ?」
「わかってるよー、心配性だなー」
「お前が何回もドジってるからだろ!」
そんなこんなでファムも2回目はちゃんと隠蔽魔法をかけて測定し、かなりの能力値ではあるがギリギリ人間の枠に収まった。
「それではこれで登録は完了です」
「なんか色々すみません……。水晶割ってしまったり……」
「それは構いませんよ。もう5年以上あの水晶を使っていましたしそろそろ替え時だったんだと思います。」
「あれって消耗品なんですか……?」
「そうですよ。魔道具店で小さいものなら売っていますよ」
今度買ってみようかな、金ないから今は無理だけど
「これがお二人の冒険者カードとなります。身分証などにも使えるので無くさないようにお願いします。」
定期券くらいの大きさだから普通に無くしそうで怖いな……
「特にこの後なにもないのでしたらクエストを受けてみてはどうでしょう?簡単なクエストなら今からでも日暮れまでに戻ってこられると思いますよ?」
そうだな……ていうかクエストやらないと今日泊まる場所すら確保出来ないじゃん!
「やります」
「それでしたらあちらのクエストボードから受けたいクエストを持ってきて貰えますか?」
「わかりました!」
「えぇー、私はもう寝たいんだけど……」
この天使は……
「あのなぁ……、クエストで金稼がないと今日の宿すら取れないんだぞ?その場合外で寝ることになるんだからな」
「あ、そっか。お金ないんだったね。」
「そうだよ。だからさっさとクエスト行って報酬貰うぞ。」
「おっけー!じゃあ早くクエスト見に行こー!」
はぁ……ホントに疲れる。あいつが天使だってのが未だに信じられん……。