4人目の女
九本木も慣れてきた。金は無いから、1匹オオカミだからか、とにかくクラブには行く気になれなかった。テレビや映画で観るよりも明らかに可愛い子や綺麗な金髪美女がクラブに入る姿は何度か見たが、どうせ相手にされないかvipルームに行ってしまって眺めることも出来ないのが落ちだ。方向音痴の俺は、何度足を運んでも未だに同じ道をグルグルしてしまうのだが、どうやら九本木には許可を得ていない外国人の店が寄せ集められているらしい。メキシカンのグループがたむろしているエリアはどうも探索する気になれなかった。九本木のコンビニの特徴はトイレがない事だ。駅ビルのトイレは金のメダルが必要だ。まるで、海外ドラマの位置シーンのような厳重なトイレだ。ウィーンガッシャンという音が今も耳にこびりついている。気になる人は、是非九本木に行ってみるといい。1階にある花屋の店員に我慢できないと言えばメダルが手に入るはずだ。そんな、治安の悪い九本木に怪しげな公衆便所がメキシカンの地には設置されていた。それが影響しているのかはわからないが、とにかくあそこには行くことが無かった。エアーズの民や、ミスターウォッカマンなどいろいろな国の人が縄張りを持っていた。その中でも、俺が最初に訪れたのはアマゾンの民が集まるバーだ。狭い店内では夜の営みが行われ、特別室では同じ通りのキャバ嬢の着替えの場になっていた。アマゾンの民は、この世では見たことない日本人の可愛いキャバ嬢が脱いだ服でお楽しみをしていた。ここでわかったことは、報道では黒が悪くて白は正しいだが、ここでは白が悪いことをしていた。詳しく説明すると危険だから言わないが、アマゾンの民は配達が得意である。今ふと、気がつく。4人目の女はここに居なかった。今俺の胸は苦しい。本当の4人目の女はカマロの国の民だからである。真の金髪美女、今でもどこに居るのかと考えてしまう。噂ではピザ パスタさんと結婚したらしいが、カマロの店は店を閉め、カマロのバーは蕎麦屋に変わってしまった。彼女の話はやめよう。俺の今後の人生に関係ない人なのだから。