第5話ー魔族に遭遇したよ!
テスト終わったので投稿
リリィが2階に行ったのを見送ってからユウはアリーナさん(受付嬢)にギルドランクの説明をしてもらい、今はギルドを出て、門に向かって歩いていた。
ギルドランクにはGから始まりF、E、D、C、B、A、S、SS、SSSとある。さらにその上にはEXというのもあるらしい。何故、らしいなのかというと、今だこの世界ではEXになったものはいないからだ。このEXは、実際には存在するが、誰もEXには慣れてないので、存在しているがしていないみたいなランクなのだ。
そして、ランクを上げるには自分の同じランクの依頼を10個成功させるか、自分より1つ上のランク(ユウの場合Fランク)を5回成功させればランクアップ試験を受けることが出来るらしい。さらに、ユウが聞いたところランクアップ試験は強制ではないので受けなくていいらしい。だが、Sランクからは、試験が変わる。内容は、その試験官によって違う。
ユウ自体目立つのは嫌いなのでランクはずっとGのままでいいと思っている。
そこで一旦思考を中止し立ち止まり、スキル"気配察知"を使う。なぜここで気配察知を使うのかと言うと、ユウは、ギルドを出たあと、今だに自分に何人かの視線が向けられていたのである。不思議に思ったユウだが、「すぐになくなるから大丈夫だよね」と思いすぐさまスキルを消した。
だが、いつになって自分に向けられる視線が一向に止まないのでもう1度気配察知を使ったのだ。そして、その結果、
(さっき察知したときと人数が変わってない。...もしかして、僕のことを狙ってるのかな? いや、まさかね.....)
そして、ユウは門に向かって歩き出す。...スキルを発動したまま。
(これなら何かあったときでも大丈夫だよね。ついでに、魔力感知も発動しておこう)
そういい、スキル"魔力感知"を使う。これも、スキル作成時に作ったスキルだ。これがあればもし相手が何処からか魔法を使っても感知することが出来る。
そして、ユウはそのまま警戒をとかず門まで歩いて行った。
☆★☆★
ぶち、っと薬草を取る音が森の中で聞こえる。
「え〜っと...これかな?」
そういいつつ地面に生えている薬草を取るユウ。そして、取った薬草にスキル"超解析"を使う。
「...うん。ちゃんと薬草って書いてある。」
そして、その薬草をアイテムボックスに入れ薬草取りを再開させる。
ユウにはスキル"超解析"があるので、薬草の品質が良い物を中心に取っている。
ちなみにユウの今の現在位置は門から出て真っ直ぐにある森の奥深く。薬草なら森の入り口近くあるのに、何故わざわざ森の奥深くに来たのかというと...それは、先程から向けられてる視線が非常に鬱陶しかったからである。
なら何故森の奥深くに来たのかというと、ここは迷いの森と言われている森だからである。迷いの森とは、読んで字の如く森の奥に入れば入るほど元の場所に帰れず、しかも、奥に行くほど魔獣が強くなっていく恐ろしい森なのである。
だから、大抵の冒険者達はここの奥に入らない。それは、ユウの事を追っていた、数人の冒険者達も例外ではない。ユウが奥に行くのを見て冒険者達は追うのをやめたらしく、今は誰の視線しら感じとれない。
ユウはやっと自分を見ていた視線がなくなったのが分かったので、ここら辺で薬草採取していたのである。
「あと、10本っと...それにしても、本当に奥へ行くほど高品質の薬草が手に入りやすいんだね。あるいみ、あの冒険者達に感謝かな?普通だったらわざわざこんな奥に来ないしね」
そう呟きながら残りの薬草を採取していくユウ。
「ーーーふぅ、これで50本かな? やっと終わったぁ〜」
ずっと座って薬草を採取していたので、立ち上がり大きく伸びをする。
「う〜ん、これからどうしようかな? どうせ、結構奥まで来たんだからもう少し奥に行ってみようかな」
そう呟き地面に置いてある10束の薬草をアイテムボックスに入れ、スキル"空間把握"を使う。その瞬間ユウを中心に周りの状況が手に取る様に分かるようになる。
「...え〜と、街があっちだから、森の奥はこっちだね」
そして、ユウは今いる場所から左側へと向きを変え森の奥へと進んで行った。
ユウが森の奥へと歩みを進めてから数分後、リリィはギルドマスター室から出てユウの元へ行くため1階にへと下りていた。その時、1階にいる冒険者達のざわめきが止んだ。
(私が来たら急に静かになったわね。何かあったのかしら? まぁいいか。取り敢えずアリーーー「リリィさん!」ーーー?)
ここでリリィの思考は止まった。いや、止められたと言う方が正しいだろう。何故ならリリィのよく知る人物ーーーアリーナに呼び止められたからだ。
声がかけられた方を見てみると、アリーナが受け付けから飛び出し、大慌てでこちらに寄ってきた。
「どうしたの?」
「リリィさん! お、落ち着いて聞いてください!」
「う、うん...」
いや、落ち着くのはアリーナの方だと思うけど...
「先程の門番の方から連絡があったんですけど......」
そして、アリーナは苦虫を噛み潰したような顔をしてこう言った。
「ユウさんが、迷いの森の奥へと進んで行き、今だに帰って来ないそうです」
「ーーーえ?」
...帰って来ない? ユウが?
「⁉︎ リリィさん! 何処へ⁉︎ ーーーダメですリリィさん! たとえリリィさんでも、奥に入ってしまえば帰れなくなっちゃいますよ!」
「ーーー離して! ユウが! ユウが!!」
「リリィさん、落ちつい「リリィ!」ーーー⁉︎」
必死でアリーナがリリィを止めてる所に第三者の声が響き渡った。
「ーー⁉︎ ギルドマスター⁉︎」
☆ ★ ☆ ★
ユウが奥にへと行っている間に、ギルドでちょっとした騒動(主にリリィによる)が起きているとは知らず、すでに通常の冒険者では、絶対に入ったことのない奥地にへと進んでいた。ここまで来る途中に、無駄に強い魔物がやってきたため、ユウは一部のステータスを少しだけ解放している。そして、今何をしているのかと言うと...
(あ、あれって、何⁉︎ 人間...じゃないよね? 何か額から2本の角が出てるし......)
そ〜と、木に隠れてその人間? を観察するユウ。その、人間? は目の前にある銅像? 見たいのに手を伸ばして居た。
(...何やってるんだろう? 何かぶつぶつと言ってる見たいだけど何言ってるのか全然聞こえない。...もう少し近づいてみようかな?」
そう思いながら、少しずつ近づいて行く。
だがユウはそのとき目線はその人間? に夢中だったので、足元に小さな枝が落ちてるのを気づかなかった。
「パキッ」という音が静寂な森に響き渡る。
「しまっーーー「誰だ⁉︎」」
行き良いよくこちらに振り向いた人間? 。そして、ユウの存在に気づいた。
「...何だ、ただの餓鬼じゃないか。ーーーまぁ、いい。運が悪かったな。流石に餓鬼とは言え、これを見られては生かしておくことは出来ない」
そう言った人間? は、ユウの事を見ながら不気味な顔になった。
ユウはと言うと(うわぁ〜どうしよう? 転移して逃げようかな?)
と、その場で立ち止まり考えてたりする。
人間? は、それを怖すぎて動けないとみたのか、もっと不気味に笑いながら、
「ーーー死ね」
と、無詠唱で炎の槍を1つ生み出しし飛ばしてきた。
その槍を見てユウは、あの人間?
と同じで無詠唱で水の槍を生み出し、炎の槍に向かって飛ばした。
人間? が飛ばした炎の槍にユウが飛ばした水の槍がぶつかり相殺された。
「...ほう.....ただの餓鬼だと思っていたが少しはやるようだな」
「いや、あの〜...」
「ん? 何だ?」
ユウはだめもとで人間? に聞く。
「このまま見逃すと言う事はないのでしょうか...?」
その人間? を怒らせないよう出来るだけ丁寧に言ったユウだが、その答えはーーー
「ーーー無理だな」
そう答えた人間? は、もう話しは終わりだとばかりに、今度もまた炎の槍を生み出しユウに向かって飛ばした。その数、5本。
5本の炎の槍がユウに向かって行ったが、ユウもまた、水の槍を5本生み出し相殺した。
これには、流石にこれには驚愕している。
ユウはその一瞬を狙い、無詠唱で、自分の周りに"闇"を生み出した。
「ーーー何⁉︎」
その人間? は、また驚いた。無理はないだろう。そもそも、闇魔法を使える人間は非常に少ない...というか、いないといってもいい。それなのに、あの人間? から見て、見た目10歳そこらの子どもが普通に闇魔法を使っているのだから。
そして、その闇はユウを飲み込みーーー次の瞬間その闇が煙のように溶けていき...ユウもろとも消えた。
「ーーーは?」
静寂になった森に人間? の声が響いた。
☆ ★ ☆ ★
「今頃あの人間もどき驚いてるだろうなぁ〜」
そこは、リリィと一緒に泊まってる宿の中。ユウはベッドの上で寝転んでいた。顔に笑みを浮かべながら。
そもそも何故森の中にいたユウがここにいるのかと言うと至極簡単である。"転移"で飛んだだけなのだから。あのとき使った闇魔法はただ単に姿をくらますためだけに使っただけである。
何故わざわざ姿をくらまして転移をしたのかというと、その方が"面白そう"だったからだ。
「ーーーさて、そろそろギルドに行って依頼完了の報告しないと」
ベッドから立ち上がり、ドアに向かうのではなくそのままギルドの近くに転移しようとする瞬間「くぅー」っと、ユウの可愛らしいお腹の音がなってしまった。
「...良し。ご飯食べてから行こう」
そして、想像魔法でお昼ご飯を出す。今回のご飯は、よくコンビニ(地球の)などで売っている海苔がパリパリのおにぎりだった。
おにぎりを食べ、お腹が一杯になったユウは少し休憩したあと、今度こそギルドへと向かった。
...もちろん、人がいない場所に転移して。
ギルドの近くに転移したユウは、また視線を浴びるのが嫌なのでギルドに行く前にスキル"武具創造"を使い真っ黒なローブを作り、それを来てギルドへと向かった。...もちろんフードを被るのを忘れずに。
ギルド内では、色々な冒険者達が居たが何故だか前来たときより静かだった。不思議に思ったが特に気にすることなくアリーナがいるであろう受け付けへと向かった。
受け付けに行くとアリーナは居たが何故か元気がなく下を向いていた。
「あのー?」
アリーナの前に来ても気づかなかったので不思議に思いながらも声をかける。アリーナはユウが声をかけるとすぐに顔をバッと上げいつもの営業スマイルで迎えてくれた。
「すみません。どうかなされました
か?」
「依頼の報告に来ました」
「分かりました。それでは、ギルドカードの提示をお願いします」
アリーナの言葉に従いギルドカードを提示する。ギルドカードを見たアリーナは驚愕したような顔をしバッとユウの方に顔を向け声を荒げさせながら、
「ーーユウ様⁉︎ ユウ様なんですか⁉︎」
「は、はい...」
いきなり目の前で大声をあげられたので少しビクッとしながら答える。アリーナはそんなユウの事を知らずに立ち上がり受け付けから出てユウの手を取り走り出そうとする。
「ちょっとこっちに来てください! リリィさんが心配してたんですよ!」
「...え?」
ユウが困惑してるなかアリーナに連れて行かれた場所はギルドマスター室。アリーナはユウのことなど気にせずその扉をノックする。
「失礼します。アリーナです」
「...入れ」
中から声が返ってきてアリーナがドアを開け中に入る。中にはギルドマスターらしき人物とリリィがいた。
「リリィ?」
「ーー⁉︎ ユウ!」
ガバッと勢いよくユウに向かって抱きつくリリィ。ユウは何故リリィがこんな事をしているのか分からず焦っていた。
「リリィ⁉︎ え? どうしたの急に⁉︎」
「よかった。本当によかった...」
最初こそ焦っていたユウだったがリリィのその声を聞き固まった。何故ならリリィは泣いていたのだ。ユウは何故リリィが泣いているのかよく分からなかったが、
「ごめんなさい」
といい、少しぎこちなかったがユウもリリィの事を抱きしめ返していた。
11月7日:一部の文章を修正し、さらに文章を付け足しました。
ユウ「そういえば、僕が出発してから帰ってくるまでにかかった時間、1時間なんだけど......」
リリィ「...うっ...うぅ......」