第4話ー依頼を受けるよ!
投稿するの忘れてました笑
リリィにあれこれ聞かれた翌日。僕はリリィと同じベッドで目が覚めた。最初はリリィに悪いから抵抗したんだよ? 今は女の子でも心はまだ男のままだし...だけど、リリィがそれを許してくれなかったんだよね。
「ふぁぁぁ〜、なんか久々によく寝れたような気がする」
やっぱり、寝る時にはベッドもしくは布団が1番だよね。
「 リリィは...まだ寝てるのか......顔でも洗いに行こうかな?」
リリィを起こさないようベッドから抜け出す。そのまま部屋を出て、階段を下りる。
「...あれ? そういえば何処で顔を洗えるんだろう?」
う〜ん、外にでも出て、水魔法で生み出した水でも使って洗おうかな? それとも、宿の人にでも聞こうかな?
「ん? ああユウだったかな? おはよう、どうかしたのかい?」
僕がどっちにしようか迷ってたらいきなり受け付けの所から聞き覚えのある声が聞こえた。そこには、あのおばちゃんが立っていた。
「あ、おはようございます。えっとですね、顔を洗いたいのですが水とかありますか?」
「それなら、宿の隣に井戸があるからそこを使いな。タオルはあるかい?」
そういえば、持ってないね。まぁ、魔法で出せばいいんだけどね。
「...持ってないです」
「そうかい...これを使いな」
そう言いながらおばちゃんが渡してきたのは白いタオル。
「ありがとうございます」
お礼を言い、おばちゃんと別れ井戸に向かう。
「井戸って、めんどくさいね」
井戸から水を引き上げながら悪態をつく。そして、水を引き上げたユウは顔を洗おうとしてあることを気づく。
「そういえば、ローブ着っぱなしだった...まぁ、フードを取ればいいか」
そう言ってフードを取るユウ。そして、手で水をすくい顔を洗う。
「ん〜...よし。もう大丈夫かな...そういえば、残った水はどうしよう?」
顔を洗い終えたユウは残った水を見て言う。
「まぁ捨てちゃえばいいかな」
水の入った桶を持ち、井戸の外へと捨てる。そして、桶を元の場所に戻しその場を後にした。
顔を洗い終えた僕は部屋に戻り、今だに起きてなかったリリィを起こす。
「リリィ〜起きて〜。朝だよ〜」
「ん〜......ん? ...え? 誰?」
眠たげに目を擦りながら起きるリリィ。そして、僕を見た瞬間に驚きの顔をした。
え? 誰ってひどくない? ...ああ、そういえばフード取ってるんだっけ......
「私だよ? ユウだよ?」
「え? ユウ⁉︎」
僕がユウだと分かりさらに驚くリリィ...ちょっと驚きすぎじゃない?
「そうだよ。ほら、だから早く起きーーー「可愛いぃぃぃ!!!」」
え? え? なにこれ⁉︎ 何で抱きつかれてるの⁉︎ いや、分からなくもないけど...この体僕から見ても、ものすごい可愛いと思うし...って違う違う!
「り、リリィ⁉︎ ち、ちょっと離して! 苦しいから!」
「可愛すぎてもうだめぇ!」
キャラ変わってるよリリィ⁉︎ いいから離して! まじで苦しいから! 本当もうやばいから!
「...ぷは! リリィ本当もう離して......」
「え? ああ! ごめん、大丈夫⁉︎」
「はぁ...はぁ...はぁ...死ぬかと思った」
いやまじで。女の子に抱きつかれて死ぬとか絶対いやだよ、僕。
「本当ごめんね?」
う...そんな顔されると怒るも怒れないじゃないか。
「大丈夫...でも、今度からはもう少し加減して欲しい」
「分かった...でも、まさかユウがこんなにも可愛かったなんて...何でフードなんて着けてたの? 部屋に来ても外さないからてっきり、傷でもあるんじゃないかなって思ってたんだけど...」
「いや...その..,この街に来た時はフードもローブも着てなかったんだよ? 何か知らないけど、いろんな人に話しかけられちゃって...」
本当、あの時はやばかったよ。僕の周りに人が沢山いて全然進めなかったもん。
「あ〜わからなくもないわね、それ...だから、顔を隠してたのね」
「うん...」
分からなくもない...って、はぁ...外に出る時はフード絶対に着けよう。
☆ ★ ☆ ★
リリィと部屋を出た僕たちは一階に下り食堂があるというのでそこで朝ごはんを食べ、今はギルドに向かっている。ちなみに部屋を出る際フードを着けようとしたんだが、リリィにものすごい勢いで僕のローブごとフードを掻っ攫いリリィのアイテムボックスに入れてしまった。返してとは言って見たがリリィが「ユウは可愛いんだから、わざわざフードで顔を隠さないの」と言われた。このままだと、あの時と同じ事になりそうなのでリリィに抗議したんだけど、リリィは「大丈夫! 私のユウには誰1人とも近づけさせないから!」と言われた。
...僕っていつのまにリリィの物になったんだろう...まぁいいか......別にリリィのこと嫌いじゃないし。
そんなわけで、今はリリィと一緒にギルドに向かってるんだけど、まだ朝だからかあまり人がいない。だけど、完全にいないわけではない。昨日までとはいかないけどやっぱり視線を感じる。特に男ども ものすごいやらしい目つきで見てくるんだけど! ...まぁリリィを見た瞬間、男どもがものすごい顔を青ざめて逃げて行くんだけど...ね。やっぱり、リリィって有名人?
それにしても、まさか見られるだけでもここまで嫌な気持ちになるとは。リリィは僕のローブ返してくれないし...
「ユウったら、怯えすぎだよ。私がいるかぎりユウには指一本触れさせないから大丈夫だって」
「うぅ〜...だってぇ〜」
「それに、着いたよ」
「え?」
横を向いてみると...あらま、そこには立派な冒険者ギルドが...って、違う!
「り、リリィ。ローブ返して。お願いだからぁ...」
リリィに必死にすがりつく僕。お願いだよリリィ。さすがに、ギルドの中はだめって。昨日見た限り男しかいなかったんだよ⁉︎ あ、あんな大量の男どもにいやらしい目で見られでもしたら...僕もうローブというかフード無しでは生きられない......
「う...ユウが、涙目で私にすがりついてる...これは、やばいわね。思わず、襲いたくなっちゃうわ」
「ええ⁉︎」
り、リリィが壊れた⁉︎
「ねぇユウ。今日の夜襲っちゃってもいいかな? ふふ...」
「ひぃ!」
腕、腕掴まれた! びくともしないよ! なんで⁉︎ リリィってもしかして今の僕のステータスより高いの⁉︎ そんなの聞いてないぃぃぃ〜! って、僕って今オール10だった!
「...もう、ユウったら怯えすぎって。冗談だから大丈夫だよ」
「...へ?」
...な、何だ冗談か...はは...もう、やだ。帰りたい。
「ほら、行くよユウ」
「うぅ...分かったよぅ」
リリィはそんな僕の手を引いてギルドに入っていく。
side:リリィ
うなだれているユウを連れてギルドに入った瞬間、ギルド内にいる冒険者達の殆どがこっちを見た。...正確にはユウを...
「うぅ...リリィ〜」
ユウは冒険者達の視線を一身に受けて怯えている。...分かるよ、君たち。ユウは超がつくほど可愛いからね。
「大丈夫だよユウ。ほら、行こう?」
「...うん」
ユウが頷いたので再度歩き出す。そして、受け付けの真ん中にいる、アリーナの所に向かうが...
(あれ? アリーナいないのかな?)
「アリーナ〜? いないの〜?」
「あ、リリィさんですか? ちょっと待っててください。今忙しいので」
と、奥の方から聞こえた。...ふぅ〜ん。忙しいのか。ん〜じゃあ、先に依頼でも探して行こうかな。ユウでも、出来そうなやつ。ユウのステータスを見る限り、絶対魔獣を倒す仕事なんて出来そうにないし...
「ユウ。依頼でも探してこよう」
「うん...」
ユウ怖がりすぎだよ。何か私が悪いことしてるみたいじゃない...でも、怖がってるユウも可愛くていい...やっぱり、襲っちゃおうかしら。
「り、リリィ。何か変なこと考えてない?」
「ん〜? 考えてないよ? それより、ほら。これが依頼が貼ってある掲示板。何かやりたいやつとかある?」
「え? ...ん〜簡単のなら何でもいいよ? あ、でも、外に出るお仕事がいいな。門番さんにお金返してもらわなきゃいけないし」
「おっけ〜、なら、薬草積みの仕事かな?」
そう言いながら、薬草積みの依頼の紙を探す。何かいいのないかな?
...まぁ、どれも同じ仕事なんだけどね。 ...ん〜これでいいかな?
依頼主:アリナ
依頼内容:薬草50本以上
報酬:小銅貨5枚
期限:なし
...うん。薬草なら、門から出てすぐの所にあるし、見たところユウは体力なさそうだから、期限がないこの依頼がいいよね。
「ユウ、この依頼でいいかな?」
「...うん、簡単なら大丈夫」
「じゃあ、受け付けに行こうか」
アリーナは...あ、いたいた。もう、終わったのかな?
「あ、リリィさんと...えと...誰...?」
あ、アリーナが困惑してる。私も誰だか分からなかったからね...分かるよ。
「昨日登録しにきた黒ローブって言ったら?」
「え? まさか...ユウ様...ですか?」
「そうよ」
「まさか、こんなに可愛らしい方だったなんて...」
驚いてる驚いてる。本当ユウは可愛いからね。...それにしても、ユウってどこかの貴族だったのかな 苗字があったし...でも、シラサキって言う貴族なんてあったかな? ...あとで、アリーナに調べてもらおうかな。
「...あ、そ、それで、リリィさん!
何かご用ですか?」
アリーナは、ハッと我にかえり私に聞いてくる。
「とりあえず、この依頼をやりたいの」
「は、はい! 分かりました。...って、これはリリィさんが受けるのですか?」
「ううん、ユウが受けるのよ」
「ああ、そうですか。分かりました。それでは、ユウ様、ギルドカードの提示をお願いします」
「え? あ、はい!」
ユウはいきなり名前が呼ばれたからか一瞬ぽかーんとしてたけど...すぐに、ハッとし、ギルドカードをアリーナに渡す。
「.....っはい。完了しました。それではお返ししますね。ーーーそれと、ギルドランクの説明はどうしましょうか?」
「あ〜そういえば、まだ聞いてなかったんだっけ。どうするユウ?」
「あ、うん。聞こうかな...?」
「分かりました。では、説明いたしますね...っと、そのまえにリリィさん。ギルドマスターがお呼びですよ」
アリーナがユウにランクの説明をする前にそんな事を言ってくる。...ん〜あの事かな?
「分かったわって、言いたいところだけど...ユウが心配ね」
「ユウ様ですか? ...でも、薬草くらい門を出てすぐの所にあるので大丈夫だと思いますが...?」
「まぁ、そうなんだけど...もし魔物が出て来たらどうしようかなって...」
「あ〜そういうことですか。...ところで、ユウ様。戦闘の経験はありますか...?」
そうなのよね。ユウのステータスを見るに魔物の中で1番弱いゴブリンですら倒せないステータスなのよね。レベルも1だったし。
「戦闘ですか...? ありますよ?」
「...え? あるんですか? 本当に?」
こ、これは予想外だわ。てっきりレベル1だから戦闘なんてしたことないと思ってたんだけど...あ〜経験値が足らなかったって事かな?
「なら、大丈夫かな? じゃあ、私はギルドマスターのところに行ってくるから」
「うん。分かった。何かありがとねリリィ」
「どういたしまして。それじゃ依頼頑張ってね。終わったら、私もそっちに行くから」
そう言って私はユウに背をむけギルドマスターがいるであろう2階に上がる。
そして私はこの時ユウを一人で行かせたことを後悔することになる。