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第3話ー宿での一件!

リリィに手を引かれてギルドを出て行った僕達。何か他の人達がリリィのことを見て驚いてたけどなんでだろう?


「ねぇ、ユウはさ 、何で冒険者になろうと思ったの?」


「え? ...あ〜...それはそのぉ〜......」


何て言えばいいんだろう? まさか、そんな事を聞かれるなんて思ってなかったよ。本当の事は、話させないし...てか、話したくないし......


「どうしたの?」


「え⁉︎ あ、えと、その...も、門番さんに、ギルドカードなら身分証明書の代わりになるからって言われて...」


「...え? 身分証明書持ってないの?」


「うん...」


「へ〜...あ、着いたよ! ここ!」


そう言ってリリィが指を指した所を見ると、『冒険者の宿』と看板に書いてあった。


ここが宿? 何か想像通りすぎて逆にびっくりしたよ...


「おばちゃーん!」


宿に入って、元気に声を上げるリリィ。...うわぁ〜、左側がお酒とかご飯を食べてる人達が手を止めてこっち見てるよ...ほとんどがリリィを見てるけどね......もしかして、リリィって有名人なのかな?


「ん? どうしたんだいリリィちゃん? ...その黒ローブの人は誰だい?」


受け付け? のおばあちゃんが、僕の存在に気づいた見たいで、僕に事を何か訝しげに見てきた。


...ああ、そう言えば、フードかぶったままだった......


「この子は、ユウって言うの。今日この国に来たみたいで、宿をまだ取ってなかったから連れてきたのよ」


「えと...ユウ...って、言います...」


僕が顔を俯かせながら、自己紹介的なのをする。...何か目立ってそうで嫌だよ...早く部屋に入りたい。


「...ん、フードで顔はよく分からないけど、リリィちゃんが連れてきた子なら大丈夫だね。部屋は、余ってるがどうするんだい?」


...ん? どうするってなにが?


「あ、ユウはわたしと一緒の部屋にするから」


...え⁉︎ ちょっと待って! 一緒なの⁉︎


「うん、分かったよ。滞在日数は、リリィと同じでいいのかい?」


「うん、大丈夫」


「そうかい。なら、10000ジルだよ。宿の説明はどうするんだい?」


...あれ〜? 何か僕の事を置いてどんどん話しが進んでるんだけど......てかもう、同じ部屋なのは決定なんだね...


「ん〜、私から、ユウに説明しとくから大丈夫。あと、はい...」


リリィはそう言いながら、小銀貨を渡している...ってああ! お金なら持ってるから大丈夫なんだけど...部屋に行ったらちゃんと返そう......


「はい、確かに受け取ったよ。それじゃあ、はい。205号室の鍵」


「ありがとね〜。ほら、行くよ。ユウ」


「...はい......」


女の子と...女の子と...一緒の部屋かぁ〜......頑張ろう...








リリィに連れられて部屋に入ってきた僕は、部屋に備え付けられていたベッドにリリィと座って、この宿の説明を聞いていた。


ちなみに、僕は今だにフード付きの黒ローブを着ている。


「それでね、ここには食堂があって、そこでご飯が食べられるんだけど、朝は、7時から8時まで、夜は、19時から20時30分までなの。お昼はなしだけど、受け付けにいたあのおばちゃんに言えば作ってもらえるよ。...とまぁ、こんな感じだけど分かった?」


「...うん、大丈夫です」


まぁお昼は魔法で出したのを食べればいいかな? ...美味しいし。


...あ、そういえば、お金返さないと......


「あ、あの」


「ん? どうしたの?」


「これ...」


僕はこの部屋に来る途中、あらかじめ手に用意していた小銀貨を渡した。


「え? これって...」


「その...宿代のお金......」


はぁ、それにしても...女の子相手だとやっぱり緊張しちゃうなぁ〜...


...それにしても、リリィったら僕の渡した小銀貨を何か真剣? に見てるけど、なんでだろう?


「...ねぇ、このお金って何処から出したの?」


「...え?」


「最初は持ってなかったよね? これ」


...えええええ⁉︎⁉︎ な、ななな、何で分かったんだろう⁉︎ と、とにかく何とかして誤魔化さないと...


「サ、サイショカラモッテマシタヨ?」


うわああああ!!! 最悪だ! 動揺しすぎて、片言になっちゃったよ⁉︎


「いや、何で片言なのよ...とにかく、このお金は何処から出したの?」


うわぁ...どうしよう......これは、本当の事言った方がいいよね...?


「あ〜、えと...ここから..?」


「え⁉︎」


僕は手をリリィに向けて出し、試しに 、銅貨を1枚出して見た。


...ああ〜、やっぱりリリィ物凄い驚いてるんだけど...いや、もうどうでもいいや......


「ゆ、ユウって、アイテムボックス使えるの⁉︎ え⁉︎ どうして⁉︎」


「ふぇぇぇ⁉︎」


痛い、痛いよリリィ〜。今の僕のステータスオール10なんだから〜。そんなに、揺らさないでぇ〜...


「...あ、ごめん.....って、それどころじゃないわ⁉︎ どうしてユウはアイテムボックスを持っているの? 鑑定したときは、そんなスキルなかったのに...」


「...へ? 鑑定...?」


鑑定って、なに?


「そう。ユウがあの3人組に絡まれてる時、悪いと思ったけどユウのことを鑑定したの」


いや、だから鑑定ってなに? ステータス鑑定の仲間か何か?


「...どうしたの? そんな顔して?」


「...いや、鑑定ってなんなのかなぁ〜っと思いまして......」


「え? 知らないの?」


「はい...」


悪かったですね知らなくて...


「えっと、簡単に言うと、相手のステータスを覗くことが出来るスキルよ」


あれ? やっぱり僕のステータス鑑定と一緒?


「それで、ユウの事を鑑定したときに...って、ちょっと待ってて」


いつの間に、取り出したのか、リリィの手には紙が握られていた。その紙に何かを書き込んで行くリリィ。...よく、ベッドの上で書けるね。


「はい、これ」


「これは?」


「ユウを鑑定した結果を紙に書いたのよ」


ふ〜ん、どれどれ。




〜ステータス〜

名前:ユウ・シラサキ LV.1

性別:女

年齢:10歳

種族:人族


体力:10

魔力:10

筋力:10

敏捷:10

耐性:10



称号:なし


固有スキル:なし


スキル:なし


属性:なし



あ、ちゃんと隠蔽されてるね。それにしても、ものすごく弱いと分かるねこれ。


「...で、どういうこと?」


「いや...どういうことって言われても......」


「私の鑑定レベルは5だけど、これでも、結構高いほうなのよ?」」


...え? そうなの?


「...もしかしてユウって、隠蔽スキル使ってるの? そしたら、レベルはなに? 私の鑑定で調べられなかったんだから、私より高いんでしょ?」


「え...えとぉ〜......」


どうしよう...本当のこと言った方がいいのかな? ...ああ〜でも嫌だな〜......


「...あ、ごめん。困らせるつもりはなかったんだけど、どうしても気になって......」


「う...」


僕が困ってるのが分かったのかリリィが、そんな事を言ってきた。...うぅ〜...そんな顔されると僕が何かやったみたいじゃないか...


「...だ、誰にも言わないでいてくれるなら言ってもいいです」


「え? ...本当?」


「うん」


「分かったわ。この事は私とユウだけの秘密にするよ」


「ありがとうございます。...私の隠蔽スキルのレベルでしたっけ?」


「うん、それ。私の鑑定レベルより高いんでしょ?」


「うん...まぁ、高いです」


「やっぱり...6か7くらい?」


本当は10(MAX)なんだけど...大丈夫だよね...? 10(MAX)とか、そこらへんの人でもいっぱいいるよね?


「...えと、10...です......」


「...え?」


あ、あの〜、リリィ? 何でそんなに驚いてるのかな? 10(MAX)レベルのスキル持ってる人なんてそこら中にいるよね? ...あれ? 今度は何で呆れたような顔をしてるの?


「はぁ...ユウ? 確かにユウの隠蔽スキルは高いのかも知れないけど、そんな嘘はつかなくていいから」


呆れたまま僕も両肩を掴んでそう言ってくる。


あれ〜? 嘘なんてついてないんだけど...スキルレベル10(MAX)なんてそこらへんにいるよね? だって、10だよ? 100ならまだしも10だよ? どうやって上げるのかは知らないけど、1から10なんてすぐに上がるレベルだよ?


「いや...本当なんですけど......」


「はぁ〜」


何か酷くない?


「あのねユウ。よく聞いて。スキルは使えば使うほどレベルが上がるのは知ってるでしょ?」


あ、そうなの? 初めて知ったよ。


「1から5までは、1年くらいでレベルを上げることが出来るんだけど、6以上からは物凄く上がりにくいのよ。それで、スキルのレベルを10にするには最低でも10年はかかると言われてるの。今のSSS冒険者も、スキルを10にするには10年かかったらしいわ」


「そうなんだ」


「そうなんだって、ユウってまだ10歳よね? 10歳で、私の鑑定レベルより高いのはそれはそれですごいのよ? だから、わざわざ10なんて嘘をつかなくてもいいのよ?」


あ、なんかもうめんどくさい。見せた方がいいよね、これ。


「これみて...」


僕はステータスを開き、隠蔽スキルの隠蔽を解除し、リリィに見せた。


「...え? 10? 本当に...?」


「本当ですよ」


それを見たリリィは、呆れ顔から驚きの顔にへと変わっていった。





それからリリィに、何でレベルが10なのかとか、一体どうやってなったのかとか、何処から来たのかとか、何か色々と聞かれた。


...まぁ、僕が答えないと分かったのかすぐに聞くのをやめたけどね。











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