第1話ー異世界にきたよ!inステータス!!
目を覚ますといつのまにか森の中にいた。
「...ここがちび神様の言ってた世界か。確かに人のいない場所に転生させるって言ってたけど、森の中はないでしょ.....」
まぁ、確かに街の中にいきなり人が現れたら騒ぎになると思うけど ...ってあれ? 何か僕の声おかしくない?
「あ、あ〜...」
やばい! 絶対おかしい! 僕ってこんなに高い声出せたっけ? ...いや、まさか...ね......。
「と、とりあえず鏡! 鏡どこ⁉︎」
って、ここは異世界じゃん! しかも森の中! 何処に鏡なんてあるんだよ!
「...そうだ、水! 水辺を探そう!」
若干パニック状態になりながら森の中を走り回る僕。
運が良かったのかすぐに大きな湖を見つけた。
そして、湖に近づき湖面に顔を近づける。そこに映っていたのは...ものすごく可愛い女の子。
「...え? 誰これ??」
綺麗な銀の髪を腰まで伸びており、小さな鼻と、小さな口。唇は薄いピンク色をしていて、目は碧眼。
要するに、ものすごい可愛らしい女の子だ。白いワンピースを着ていて、年齢は10歳くらいかな? 身長はよく分からないけど、ものすごく低いのは分かる。きっと笑顔が似合うであろう女の子だった。...あ、でも無表情もいいかも知れない...ってそういうのは今はいいとして、これが僕? まさかね。試しに頬を軽く引っ張ってみると、その湖面に映っている子も同じ事をした。
「...え? うそ...でしょ?」
これってよくある異世界転生だけじゃなく、まさかの性転換も含まれましたか。
「ふぅ...」
とりあえず、深呼吸。そして、大きく息を吸い言う。
「ち...ち...ち......ちび神のばかやろー! 何で女になってんの⁉︎ 意味わかんない⁉︎ ああもう! ふざけんなあああああああああああ!!!!!!!!」
「はぁ...なってしまったものは仕方ない......か」
そう、仕方ないんだ。諦めよう......はぁ......。...いつか、絶対復讐してやる......。
「...はっ! いけないけない。もう忘れよう。...そうだ! 魔法! 魔法の練習でもしよう!」
うんうん。いいこと思いついちゃったね。よし、そうと決まればすぐやろう! 今すぐやろう!
「湖があるとしても、もし火事にでもなったら大変だから、火魔法以外の魔法かな? う〜ん...とりあえず、1番安全な水魔法にしよう」
ちなみに、3つ目の特典を決めている時にちび神様が「魔力があっても魔法が使えなくては意味がないので、おまけとして【魔法の知識】というスキルをくれた。ついでに【武術の知識】も。
というわけで、僕は全ての魔法が使えるのだ! しかも、神級まで!
「よし、やってみるか」
手を前に出してイメージをする。僕は、掌に野球ボールくらいの大きさの水の塊が出来るイメージをしてみた。魔法を使うにはイメージが大事だそうだ。すると、体の中から何かが抜けたと思うと(多分魔力)次の瞬間掌にさっきイメージしたとおりの水の塊が出来ていた。
「おおー! すごい!」
本当に出来てるよ。水の塊。しかも、透明で綺麗だなぁ〜...。
「うん。今度はこの塊を凍らせてみようかな」
僕は、掌にある水を凍らせるようにイメージしてみる。パキパキと、いう音を出しながら水が凍っていった。冷凍庫とかで、氷を作ると白くなるんだけど、僕が作った氷には、全然白いのがなくて、透き通ったように綺麗な透明だった。
「水晶みたい...。よ〜し、この調子でどんどんやってみよう!」
でも、最上級や神級はやめとこうかな。森がどんなになるのか見たくないし。
...あ、空になら神級ぶっ放してもいいかな?
魔法の練習を始めて数時間がたった。今の僕がどんな心情なのかと言うと、
「...飽きた」
この一言だった。
最初の方は魔法が凄すぎてとても楽しかったのだけれど、いかんせん、この森の中では危険すぎて(魔法が)最上級や神級魔法を打つことなんて出来やしない。最下級、下級、中級はなんとか出来るものの(火魔法を除く)上級(やっぱり火魔法を除く)からほとんどの魔法を使うことが出来なくなる。最上級からなんて論外だ。ちなみに魔法は、下から最下級、下級、中級、上級、最上級、帝級、神級とある。
というわけで、1度湖まで戻ってどうするのか絶賛考え中である。
「うーん、どうするべきか...」
湖の近くに座り(俗に言う女の子座り)前に腕を組み唸っている僕。
他の人が今の僕を見たら完璧に女の子だな、これ。...誰もいなくてよかったよ。もしここに、風香と颯斗がいたら絶対からかわれるよね。本当いなくてよかった...
「...あ! そういえば、異世界に来てまだやってないことあるじゃん!」
ぱっと、すぐに立ち上がり来た道とは逆の方の森に体を向く僕。その目は魔法を初めて使った時と同じようにキラキラしているであろう。
そして、僕の姿は消えた。
「空間魔法"転移"...ものすごく便利な魔法だよね」
目の前には森。後ろには湖。つまり、僕は一瞬で湖を越え反対側に来たのだ。
空間魔法"転移"は、術者の思い浮かべたところに転移することが出来る魔法である。
「よし、じゃあ行きますか。」
いざ、魔物狩りへ!
森に少し歩いたときだった。目の前には、地球で言う狼の形をした魔物が現れたのだ。しかも、5匹。
「魔物が出てきたのはいいんだけど、5匹って多くない?」
「グルルルゥゥ......」
しかも、怒ってるよ⁉︎ 一体僕が何をしたと言うのさ! ...まぁ倒すけどね......。
「グルァ!」
「うわ⁉︎」
いきなり横にいる狼もどきが飛びかかってきたので危なげに後ろにジャンプしてよける。 てか怖! いきなり飛びかかってこないでよ! ...まぁ、今の僕の身体能力だったら普通によけられるけどね。
「うーん...とりあえず、どのくらいの強さなのか鑑定してみようかな?」
狼もどき達を見ながらつぶやく僕。スキルステータス鑑定を使う。
鑑定結果はというと、
〜 ステータス〜
名前:狼LV.5
体力:100
魔力:0
筋力:130
敏捷:190
耐性:25
ふむ...他の奴らもだいたい同じか......。う〜ん、基準が全く分からないから高いのか低いのかよくわからないな。てか、狼って...名前そのままだし......
...まぁいいか。とりあえず殺っちゃおう♪
「"風刃"!」
瞬間ウルフ達に迎えって見えない風の刃が五つ飛んで行った。それも、けっこうな速度で。
ウルフ達はあっという間に風刃によって切り刻まれすべて肉塊になった。
「...あれ? 一発??」
あれ〜? おかしいな。...もしかして、この狼って弱いのかな?
...うーん、まぁいいや。弱いなら倒すの簡単だし。
「それにしても、この狼達の死体どうしよ...」
放置? ...いや、さすがにそれはだめだよね。じゃあ...燃やすか。風魔法で空に狼達のを空に上げてから火魔法で跡形もなく燃やせば大丈夫だよね。
「よし、じゃあ早速やりますか」
そう言いながら、意気揚々と作業に移るのだった。
☆ ★ ☆ ★
狼達を燃やし、湖まで帰ってきたユウ。何故、魔物狩りと言いながら狼達を倒した後、帰ってきたのかというと、ユウ曰く後処理が面倒だからであった。
そして、今ここで何をやろうとしているのかと言うと、
「ステータスオープン!」
〜ステータス〜
名前:ユウ・シラサキ LV.1
性別:女の子(女)
年齢:10歳
種族:半神(人族)
体力:100000000(10)
魔力:100000000(10)
筋力:10000000(10)
敏捷:10000000(10)
耐性:10000000(10)
称号:【神により送られた者】
固有スキル:【アイテムボックス】
【ステータス鑑定】【超隠蔽LV.MAX】【スキル作成】【異世界言語翻訳】【魔法の知識】【武術の知識】
スキル:【剣術LV.MAX】【短剣LV.MAX】【投擲LV.MAX】【棒術LV.MAX】【体術LV.MAX】【槍術LV.MAX】【弓術LV.MAX】【火魔法LV.MAX】【水魔法LV.MAX】【風魔法LV.MAX】【土魔法LV.MAX】【氷魔法LV.MAX】【雷魔法LV.MAX】【光魔法LV.MAX】【闇魔法LV.MAX】【想像魔法LV.MAX】【空間魔法LV.MAX】
属性:【火】【水】【風】【土】【氷】【雷】【光】【闇】【無】
「へぇ〜これが僕のステータスね......って、高⁉︎」
あれ? もしかしてあの狼達が弱かったんじゃなくて僕が強かったのか。...あ、そういえばステータス最強にして貰ったんだっけ。あはは、すっかり忘れてた。
それにしても高いなぁ〜。体力と魔力が1億て...。その他も全部1000万て...本当チートだね。...これだけで、世界征服とか出来るんじゃない? まぁしないけどね。僕は争いは好きじゃないし。敵対するものには容赦しないけど......。
う〜んと、名前はユウ・シラサキになってるのか。この世界だと、苗字が後に来るのか。性別は...っと、やっぱり女の子か......。はぁ...。
...ん? 隣についてるのはなに? (女)? ん? どゆこと? ...まぁ、いいや。次行こ。
年齢は...あ、やっぱ10歳なんだね。6歳も若返っちゃったよ。はは...。
種族は、
「半神? ...あれ? 人間じゃないの?」
目をつむっても、こすっても表示が変わらない。あれ〜? おかしいな。僕って、いつの間に人間やめちゃったんだろう...。これ絶対ちび神のせいだよな。
「...ちび神、絶対ゆるさない......」
やっぱり絶対ボコボコにしてやると心に誓ったのであった。
あの誓いをしてから数分がたった。ステータスを一通り見てユウが思ったことは、"チート"...の一言だった。
「これは、力を隠しといた方がいいよね...もう隠されてるけど。隠蔽スキルがあってよかったよ」
"超隠蔽" :自分のステータスを思い通りに隠すことが出来る。その時に解析されたものは()の中のものが見られる。なお、称号、スキル、属性等は他の人から見るとなしと表示される。"超隠蔽"の場合、ただの"解析"スキルでは隠蔽された部分を見ることは出来ない。"超解析"スキルの場合、レベルが"超隠蔽"より高ければ見破られる。
ちなみに今のステータスはこうなっている
〜ステータス〜
名前:ユウ・シラサキ LV.1
性別:女の子(女)
年齢:10歳
種族:半神(人族)
体力:100000000(10)
魔力:100000000(10)
筋力:10000000(10)
敏捷:10000000(10)
耐性:10000000(10)
称号:【神により送られた者】(隠蔽)
固有スキル:【アイテムボックス】(隠蔽)
【ステータス鑑定】(隠蔽)【超隠蔽LV.MAX】(隠蔽)
【スキル作成】(隠蔽)【異世界言語翻訳】(隠蔽)【魔法の知識】(隠蔽)【武術の知識】(隠蔽)
スキル:【剣術LV.MAX】(隠蔽)【二刀流LV.MAX】(隠蔽)【短剣LV.MAX】(隠蔽)【投擲LV.MAX】(隠蔽)【棒術LV.MAX】(隠蔽)【体術LV.MAX】(隠蔽)【槍術LV.MAX】(隠蔽)【弓術LV.MAX】(隠蔽)【火魔法LV.MAX】(隠蔽)【水魔法LV.MAX】(隠蔽)【風魔法LV.MAX】(隠蔽)【土魔法LV.MAX】(隠蔽)【氷魔法LV.MAX】(隠蔽)【雷魔法LV.MAX】(隠蔽)【光魔法LV.MAX】(隠蔽)【闇魔法LV.MAX】(隠蔽)【想像魔法LV.MAX】(隠蔽)【空間魔法LV.MAX】(隠蔽)
属性:【火】(隠蔽)【水】(隠蔽)【風】(隠蔽)
【土】(隠蔽)【氷】(隠蔽)【雷】(隠蔽)【光】(隠蔽)【闇】(隠蔽)【無】(隠蔽)
そして、これが他の人から鑑定されたときに見られるステータス
〜ステータス〜
名前:ユウ・シラサキ LV.1
性別:女
年齢:10歳
種族:人族
体力:10
魔力:10
筋力:10
敏捷:10
耐性:10
称号:なし
固有スキル:なし
スキル:なし
属性:なし
「う〜ん、でもステータスは変わるけど強さは変わらないんだよね...。隠蔽されてるスキルも普通に使えるし...明日には、街にでも行こうかなと思うんだけど、もしもこの強さが明るみになったら絶対騒ぎになるし...ああ〜、もうどうしよ............あ、いいのあるじゃん! スキル作成だよ! スキル作成! これで、力を封印するスキルを作ればいいんだ! よし! 今すぐ作ろう!」
若干興奮しながら、どんなものを作るか考える。
「う〜ん、最初は、力を封印するスキルに、その力を解放するスキルでしょ。あとは、隠蔽するスキルがあるけど解析するスキルがないから、解析するスキルも必要だよね...あとは〜......」
地面に座り唸りながらスキルを作り始めたユウ。自分の力を隠すためのスキルはまだいいとはいえ、今でも随分チートなのに、ついでに作っていくスキルがチートになっているのは本人は気づいてはいない。
「......よし! 取り敢えずこのくらいで大丈夫かな? あとは、隠蔽してっと...」
そそくさと、今作ったスキルを隠蔽していくユウ。
「封印するのは街の近くに着いてからでいいよね? もう、暗いからご飯食べて寝よう」
そう言いながら、想像魔法を使って料理を何もないところから出すユウ。他の人から見れば「どこから出したんだ⁉︎」と、質問責めに合うのは一目瞭然だろう。
ユウが魔法で出した料理はズバリ、ハンバーグだった。何を隠そうユウはものすごくハンバーグが大好きなのである。
「はぅ...この世界に来てもハンバーグが食べられるなんて想像魔法まじ便利だよ......しかも、美味しいし」
ユウは、ハンバーグをよく噛み締めながら、ときにはあまりの美味しさにうっとりしながら食べていく。
ものすごく美味しいハンバーグを食べ終わったユウは、あまりの眠さにもう半分夢の中にいた。
「んん...もうむり。おやすみなさい」
その言葉と共に夢の中に旅立って行ったのだった。