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第31話ー最初で最後のティナ攻略戦

ん…まとめました。


特にお話はかわりません

 あの黒い手が、ティナという事実が判明した。


 …いや、ちょっと変わりすぎじゃない? 僕が知っているティナは、黒い髪で毛先が肩に当たるか当たらないかというギリギリの長さで、頭の右側らへんに少し大きなリボンをしているとっても可愛い女の子なんだけど。


 それが、あの黒くて無数にある手 …ごめん。まったく意味わからない。


「あぁ、正確に言うとティナのスキルの一種ね。…ティナそのものじゃないわよ?」


 僕が頭の中で混乱しているとエリスがそう言ってくる。


 よかったぁ〜。ティナって、なんだかんだ

とってもいい子だから、本当よかった。うん。…あ、いやでも、もしティナの正体があの黒い手でも、今まで通りちゃんと接せるよ?

 …ただちょっとばかり、夜とかには来てほしくないかなって思ってる。


 …はっ、そういえば、


「リラ! リラ! 私が言った通りだったでしょ!」


「え? あ、うん。そうみたいだね。」


 リラが、こくこくと何回もうなづいてるのをみて、僕はやっと満足する。なんか若干顔赤いけど。そういえばあの森でも顔赤くしてたけど、やっぱり熱でもあるのかな?


「? 何かあったの?」


 エリスが、僕たちを見て首を傾げながら聞いてくる。


「あのね、リラね。私が黒い手に追われてたって言ってるのに、全然信じてくれなかったんだよ」


「いや、もう信じた…よ?」


「あぁ〜、まぁでも仕方ないと思うわ。私だって初めて見たときびっくりしたもの」


 あ、エリスも驚いたんだ。それとリラ。わかった。わかったから。だからそんな不安そうな目で見ないで。


「それで、結局あれはなんなの?」


 僕は疑問に思っていたことをエリスに問う。


「う〜ん。私にもよくわからないわ。スキルっていうのはわかるんだけど」


 はぁ…とため息をするエリス。


 うぅん。エリスにもわからないとなるとやっぱり直接本人に聞いたほうがいいかな。


「よし。ティナの部屋に行こう」


「それもそうね。こんなんでも、ユウはお客様的な扱いだから、少し叱っておかなくちゃ」


 ちょ、こんなんでもってなに! こんなんでもって!?


「私は疲れたから寝るね」


 おおぅ。目をこすりながら、そのままベットに寝転がってったよリラ。一応ここエリスの部屋なのに。一年も経つとここまで人は変わるんだね。リラはエルフだけど。それでもハーフか。


「…リラが私のベットで寝てる。しかもあんなに無防備に。これはもう襲ってくれって言ってるようなもんよね。……ん? どうしたのユウ?」


「え? あ、ううん。なんでもないよ。うん」


 なにも聞かなかった。僕はなにも聞かなかった。そう。なにも聞かなかったんだ。


 …ティナの部屋に行こう。







 そしてやってきましたティナの部屋前。今僕の前にティナの部屋に続くドアがあります。一応、エリスの部屋から出るときにスキルを使って探したからここにいるのはわかっております。


 そういえばティナの部屋に入るの初めてかも。


「…失礼しま〜す」


 小声でとりあえず言ってみる僕。なんて礼儀正しいのだろうか。


 ドア少しづつ開けすこ〜しだけ中を観察。しようと思ったら、部屋が真っ暗だった。


(あれ? おかしいな。スキル使ったときはちゃんといたのに。)


 もう一度スキルを使う。だが、ちゃんとこの部屋にいるようだ。もしかすると寝てるのかもしれない。だからカーテンとかしめていて暗いのかも。


 もし寝ているのだったら起こしてはいけないと思い、帰ろうとしたら、なにやら聞こえてはいけない声が聞こえた。


「ふふ…ふふふ…最近お姉ちゃんがよく寝込みを襲おうとして失敗してるから、朝一を狙ったけど、失敗しちゃた。でも、大丈夫。次はちゃんと捕まえるから。…ねぇ……ライちゃん? …ふふ…ふふふふ……」


 …な、なにもきいてない。僕はなにも聞いてない。ここには来なかったし、本当になにも聞いてない。あ、あれー? おかしいな。なんかものすごい冷や汗が止まらないんだけど。

 …そ、そうだ。お風呂入ろう! うん。それがいい!


 すぅぅっと、静かにドアを閉め僕はここから離れたのであった。







 僕が、廊下を歩いていると前からエリスがやってきた。


「ん? あっユウ? どうしたの? そんな顔して? ティナとの話終わったの?」


 そういえば、エリスもティナに用があるんだったと思い出し、思わず袖を掴む。


「…え? ちょ、なんで、無言で私の袖掴むの?」


 そしてそのまま連行。


「え? どこ連れてくの? 私も今からティナのとこ行こうと思ってるんだけど…」


 エリスの話をスルーし、袖を引っ張って、僕の部屋へと行く。


「あのー? そろそろ何か説明を」


 途中、エリスからそんなことを言われたが、スルーし、僕の部屋へと入る。そして、エリスをベットへと座らせる。


「え? あの…え? …ま、まさか…ついに私と…!? ……いや、そんなわけないわよね…」


 エリスが、一人で何か言ってるが特に気にせず、エリスの両肩を掴む。


「エリス。一緒にお風呂入ろう」


「そうよね。やっぱりユウが自分からそんなこというわけが…え?」


 なにやら大変ひどく驚いているエリス。まぁ、うん。ごめんね。エリス。エリスに会ってから思ったんだけど、今日は、というか、今日から1人になりたくないんだよね。それにさっき、お風呂一緒に入る約束したし。一石二鳥だよね。それと今日から夜一緒に寝てくれると嬉しいな。


 …じゃないと、僕の身の安全が危ない。




☆ ★ ☆ ★




 あれから僕はだいたいエリスの側にいた。エリスの仕事の都合上どうしても無理な時が何回かあったけど、その時はリラのところにいた。最初、エリスは嬉しがってたけど、最近では少し疑問を持ちつつある。リラは、暇な時間は修行ばかりしているので、僕も手伝ったりしていた。まぁこれといって教えることはできないけど。ただ単に勝負相手として相手をしていただけだ。もちろん全戦全勝です。チートをなめちゃいけないよ。


 だけど、いつもこうしてるわけにはいかない。確かにティナからのあれはなくなったけど、代わりに、べったりとひっつかれています。まぁティナは可愛いからいいんだけどね。


 さっきも言ったけど、いつまでもこうしているわけにはいけない。だからそろそろティナと決着をつけようと思ってる。そもそも何故ここまで懐かれたのが謎だ。そこらへんも話し合わないと。


「ユウちゃーん」


 そんなことを思っているとティナがやってきた。


 今僕は、リラのところに来て、リラと魔族の一人が戦っているのを見ている。なんでも、リラと一回戦ってみたいらしい。そういうわけで、僕はこの戦いが終わるまで、壁際で暇を持て余してる。


「つっかまっえた〜♪」


 ティナは僕のところにまでくると、満面の笑みで抱きついてくる。これもいつも通りだ。僕もぎゅぅっと抱きしめ返す。これもいつも通り。最初は恥ずかしかったけど、もう何回もこれをやっているので、なんか慣れてしまった。


「んぅ〜〜ぷはっ。…今日はここで何やってるの?」


 ティナは、必ず僕を離すとき思いっきり匂いを嗅いでから離す。これは未だに慣れず普通に恥ずかしい。


「えっと、リラがあの人の相手をしてるから、見学してたの」


 視線をティナから、戦っているのを二人に移す。ティナも一度二人のことを見たが、すぐに視線を切った。


「じゃあ、じゃあ! 今暇ってこと!?」


 瞳をキラキラとさせながらそう聞いてくる。


「う、うん。一応暇だけど…」


「じゃあ私と一緒に遊ぼうよ!」


 ティナは、僕の手を握って歩き出した。僕としても、そろそろ話そうかとおもっていたから、特に抵抗せずついていく。


 訓練場から出て、城まで戻る。ティナは、鼻歌でも歌いながら、僕の手を引っ張っていく。


 一体どこに連れていくのだろうか。このまま帰らぬ人とかにならないよね? 生きて帰ってこれるよね?


「じゃじゃーん! ここだよ!」


 僕の心配をよそにティナは一つのドアの前に止まった。それは、この城の何処にでもあるドアの一つで、そしてどのドアにもない一つのぬいぐるみがかかっていた。少し怖いぬいぐるみで、パンダ?に似ていて、所々が破けていて、中の綿がはみ出ている。


 そして、僕はこのドアを知っている。そう―――ティナの部屋のドアだ。


 まさかいきなり部屋に連れ込まれるとは思わなかった。やばい。ちゃんと帰ってこれるよね?


「入って入って!」


「う、うん」


 ティナがドアを開け中に入ると、僕もそれに続くように中に入る。あのときは、真っ暗で何も見えなかったが、今はまだ明るいしカーテンも閉まってないので、普通に見ることができた。


 中は、ひとりの部屋には無駄に広く、大きなベットが一つ、机と椅子が一つ、丸い絨毯が敷いてあり、その上に丸いテーブルと座布団とクッションに柔らかそうなソファーが置いてあった。あとはいくつか棚があるだけだ。そして、一番気になったのが、壁に寄りかかって置いてある、ぬいぐるみたち。しかもこの部屋を囲むように置いてある。それだけじゃなく、ベットにしも何個か置いてあり、棚の上とか、丸いテーブルの上とか、絨毯の上にも幾つか置いてあり、ざっと見るだけでも50個以上はあると思われる。


 しかも、その全てのぬいぐるみたちが怖かった。目が取れてるものもあり、口が笑っているものもあり、片腕がないものもある。


「ユウちゃん? どうしたの? こっちだよ」


 僕が、驚きのあまり立ち止まっているとそれに気づいたティナが、声をかけてきた。


 帰りたい。という考えを心の奥底にしまい、なんとか歩き出す。


「あ、絨毯の前では、靴脱いでね。それと何か飲み物持ってくるね」


 僕は、ティナの言う通り靴を脱いでから、絨毯の上ににあがる。靴といっても、サンダルみたいなものなんだけどね、僕が履いてるの。


 そのまま座布団の上に座る。そのとき、膝に何かが当たった。なんだろうっと思い見てみると…ぬいぐるみだった。


「あれ? でもこれって…?」


 少し、違和感を感じ手にとって見てみると、そのぬいぐるみは、特に汚れてもなく、破けてもなく、普通の可愛いぬいぐるみだった。


(よかった。ティナもちゃんと普通のぬいぐるみを持つんだね。いや、本当によかった)


 とりあえず、そのぬいぐるみを僕の横に置いておく。それだけでも、少し恐怖心が和らぐから。本当周りに怖いぬいぐるみだけってのは辛い。そしてそれ以上にここに一人ってのが辛い。


「…ティナ、早く来ないかな」


 それからティナが来たのは、2分後くらい経ったあとだった。

ユウ「じゃあ、私が敵役のボス的な位置に着くね!」


リリィ「じゃあ、私はその右腕兼お嫁さんで」


エリス「あ、私もお嫁さんで」


リラ「私は…保護者?」


ティナ「ユウちゃんの妹で!」


ユウ「待って! みんな待って!? お願いだから正気に戻って!? おかしいから! 絶対それはおかしいから!?」


エリス「ティナ…私とは遊びだったの…?」


ティナ「ごめんね…お姉ちゃん。もう、私…ユウちゃんがいないと…生きていけない体になっちゃったの……」


リリィ・リラ・エリス「「「なっ!!?」」」


ユウ「いやいや! 私なにもしてないよ!? 本当になにもしてないよ!? ただ、普通に遊んでただけだよ!?」


ティナ「そんな!? …ユウちゃん、私本気だったのに。うっ…ううっ……」


ユウ「ちょ、お願いだからそう誤解を招くような発言をしないで!? …え? なんで? なんで3人ともこっち見るの? え? なんで少しづつこっち近づいてくるの!?」

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