第27話ーユウの回想パートツー!
ラストパートです!
どうぞ
いやはや、あれはびっくりしたよ。まさかエリスに妹がいたなんて…。しかも、性格とかめっちゃエリスに似てるし。さすが姉妹。…はぁ……。
ただでさえ、エリス一人で手いっぱいなのに、妹まで来たから毎日が大変です。
とーゆうわけで、回想パートツー! どうぞ!
☆ ★ ☆ ★
エリスの妹だと思われる女の子と共にエリスの元に転移したのはいいけど、転移している最中にまるで洗濯機の中に入って洗濯物と一緒に回されているような感覚を味わった。そして空中に放り出される。
ドン! ベチャ!
「あいたたた…」
「うにゅ~」
いきなり空中に放り出されたため受け身も何もとれずおしりから床に落ちる。エリスの妹だと思われる女の子は目が回っているようだ。
僕はどうしてちゃんと転移出来なかったのか疑問に思ったが、全く心当たりがないので多分僕の魔法のせいじゃなくて、他の魔法かスキルによる妨害だと思われる。
「…私のプリン……」
僕がこの不思議な現象について考えてたら、とても悲しそうな声が聞こえた。
「えっと…エリス? どうしたの? そんな、この世の終わりみたいな顔して?」
いつも元気なエリスのこんな顔初めて見た。まあ、まだ一か月とちょっとしかいないけど…。それでも、今までこんな顔をしたエリスを見たことないから少し心配してしまう。
「ユウ…私の…プリン……」
「…へ? プリン? どこに?」
もしかしてプリンに関係することなの? プリンに何があったのかわからないけど、そこまで落ち込むようなことでもないと思うけどな…。
「そこ…」
「え? 私?」
エリスが僕に向かって指を指す。
え? 私プリンじゃないんだけ―――あ、そういえば僕が床に落ちた時、ドンって音以外に何か変な音がきこえたような…!? え? まさかエリスが指してるのって、僕じゃなくて、僕が今座ってる床の方だったり…する…のかな……? い、いや、まさかね…。
そぉ~っと立ち上がり僕はさっきまで座っていた床に目を向けた。
なんと、そこには僕のおしりによって潰されたと思われるプリンみたいな物体が、ぐちゃぐちゃになった状態で発見された。
「あ…あは…は……」
「ユュュュウゥゥゥゥゥゥ…!!」
エリスが僕のことを鬼のような形相で睨みつけてくる。しかも、若干魔力漏れてるし。
…やばい。どうしよ。これ、謝ったらゆるしてくれるかな?
なんて、微かな希望を持ち―――すぐにその希望は消えた。
「ばかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
エリスの魔法によって……
…って、ちょっと待ってえぇぇぇぇ!!? 謝る! 謝るからあぁぁぁぁぁぁぁ!!!
エリスの魔法から逃げ回っていた僕は、何事かと駆け付けたプカさんがエリスにもう一個のプリンが渡されるまで続くのであった。
☆ ★ ☆ ★
「あ〜酷い目にあった」
僕は疲れがたまった体を動かしてベットに飛び込む。
結局、プカさんから貰ったプリンによってエリスの機嫌が良くなったのはなったんだけど、僕のことは許してはくれなかった。…まあ、最終的に僕がプカさんにプリンの作り方を教えるということで許してもらった。なんでも、あのプリンは人間の商人から買ったということで、その商人が言うには、このプリンの制作方法…つまり、レシピがどこにあって誰が持っているのかわからず、どこからこのプリンが流出したのかわからないらしい。
その商人は、たまたま知り合いの人から少しばかり譲り受けたらしく、そのうちの3つを買ったらしい。
そして、1つはもうすでに食べたので、あと2つしかない。
それを聞いたエリスがものすごく落ち込む。
それを見た僕は、
あれ? プリンの作り方教えたら許してくれるんじゃない…?
と、思いつく。
僕は、地球にいたころ、一回だけお菓子を作ったことがある。その時に作ったのがプリンだった。形とかは少し崩れていて、売っている者に比べるとちょっと出来栄えがあれだったけど、僕は初めてにしてはよくできたと思いつつ妹の美羽に味見してもらったんだ。
「え…市販のより美味しいんですけど」
と、まさかの好評化だった。まぁ、流石に市販のよりは嘘だったと思うけど。
それからというものの美羽が他のも何か作ってと言ってくるので、プリン以外にも色々と作ったことがある。
とまあ、そんなことがあり、たいていのものなら作ることができると思う。
もちろん、プリン作り方も知っているので、エリスにそれを言ってみたところ、ものすっごい笑顔で抱き着かれた。そしてプカさんにお礼を言われた。…あ、ちなみに許してもらえました。
それから僕はエリスの魔法の嵐から逃げ回ってたおかげで、結構ってほどでもないけど、それなりには疲れがたまっていた。なので、僕はエリスと別れ部屋に戻った…という感じで、僕がベッドにダイブしたところにつながる。
「それにしても…プリン…ね」
プカさんが言うには、プリンは今まで生きていて聞いたことがないものだといっていた。プリンがあるということは別にいいんだけど、地球にあるプリンと全く一緒のものが作られるというのは偶然という言葉で片付けちゃっていいのかな?
「…そういえば、勇者が召喚されてたんだっけ」
定番で言えば、普通は異世界の人を勇者として召喚する。もしも、その勇者がこのプリンを作ったのだとしたら…? その勇者は地球から召喚されたのかもしれない。
「あ~、あの時裏通り何て行かないで、勇者のこと見ておけばよかった」
もう考えるのはやめよう。どうせこれは僕の勝手な推測なんだから。
…でも、そうだな。もし僕と同じ地球からやってきたのだったら、会ってみるのもいいかもしれない。
「ふわぁ~…寝よう」
僕は大きな欠伸をし布団に潜る。そして、僕の妹の美羽、幼馴染の颯斗と風香は今何をやっているんだろうか…? と、ふと思った。美羽はちゃんと一人で起きれているだろうか? 風香はいつもみたいに僕の家の前で待ってはいないだろうか? 颯斗は―――
「…やめよう。なんだか悲しくなってくる」
そこまで考えたところで、僕は瞼をそっと閉じた。
これでユウパートは終わりです。
誠に残念ながら、新キャラであるエリスの妹さんとユウとの話はないんです...ないんです......
次からは本編になります。エリスの妹さんの摩訶不思議なステータスが分かるようになるのと、ユウとどんな関係になるのもそこでわかります。まあ、後者の方はもうわかっている方もいると思いますけどね!
兎にも角にも、本編までしばしお待ちくだされ!
閑話休憩
ちなみに、私の学校の方では明日から夏休みに入ります!
みなさんはどう過ごしますか?
私はもちろんあれですよあれ...はぁ
11月8日:一部の文章に本来いないはずのキャラの名前が出てしまっていましたので、修正しました。
「リリィ」→「エリス」
ご迷惑をおかけしました。




