番外勇者編ーこれが現実
学校からの投稿_(-ω-`_)⌒)_
4月16日タイトルを「第25話ーこれが現実」から「番外勇者編ーこれが現実」に変更しました。
「ほんっとうにすみませんでした! このとおり! このとおりです! もう何でもしますので許してくださいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「え...いや...あの......とりあえず、顔あげよう? な?」
俺の目の前には、金髪の美少女が目から大量の涙を流し綺麗に土下座して、俺に対して謝っている。せっかくの綺麗な顔が涙でぐちょぐちょだ。
そもそも何故俺の目の前でこんな美少女が涙で顔をぐちょぐちょにしながら土下座して謝っているのかというと、ドアを開けた瞬間に俺の目の前で何かが弾けただろ? それをやったのがこの子だそうで、俺の目の前に来ては速攻で謝ってきた。何故ここまで必死に謝っているのかは知らないが。まあ、さっきのは何の変哲もないただの光が弾けただけで特に怪我とかしてないから、びっくりはしたが怒ってはないんだよな。
でも、ただ光が弾けただけで怪我とかはしてないのに、何故ここまで必死になって謝っているのかは気になる。それと早く顔を上げてほしい。割とマジな方で。後ろにいる風香の視線が気になるんだよ。
てか、この子全く顔を上げる気配がないんだが? 今なお泣き続けて許してくださいって言ってるんだけど? ...さっさと顔上げろよ! 俺が悪いみたいじゃないか!
「ひいぃぃぃぃぃぃぃ!!? す、すみません! すみません! 命だけは助けてくださいぃぃぃぃぃ!!」
「だから何でさらに泣き続けるんだよ! 取らないわ! 命とかとか取らないから、さっさと泣き止め!」
いい加減うざくなってきたので、つい口調を崩してため口で言ってしまったが気にしない。
「あ、あの...ゆ、勇者様?先ほどから大量の魔力を放出しているので抑えていただきたいです...苦しいです」
「...魔力?」
ミルシィさんを見ると体全体で苦しいアピールをしながら、顔を顰めさせていた。
「は、はい。罰なら私が受けますので、どうかフィアのことをお許しください。お願いします...」
いやいやいやいや。俺が魔力を放出してる? てか、魔力ってあれか? 魔法を使うための源的なやつか? 小説とかでよく出てくるやつだろ? つまり俺はそれを無意識に放出してるってことか? ...さすが異世界。意味わからん。魔力の放出止めるのってどうすればいいんだよ。はあ...
「魔力の放出ってどうやって止めるんだ?」
「...え?」
この時、俺がミルシィさんに向かって敬語を使わなかったのは悪くない。
☆ ★ ☆ ★
「先ほどは我が娘が無礼をはたらいて悪かった。...本題に入って良いか?」
「あ、はい。どうぞ」
豪華な椅子に結構年取った...だけど、王をやってるだけあって、威厳がありそうな男が座っていた。
俺達は今、その王様より少し離れたところに立っている。本当なら跪くのが礼儀なのだが、俺達は勇者だからその必要はないそうだ。
そういえばさっき魔力の放出とかなんとか話していたが、ミルシィさんに止め方を教えてもらい、今はもう完全に止まっている。
そして、フィア(大泣きしていた金髪の美少女)とミルシィさんは、既に王様の隣に立っている。...フィアの目元は赤いが。
「わかった。それではまず、勇者様方を勝手にこちらの世界に呼んでしまい本当に申し訳ない」
王様が椅子に座っている状態で、俺達に頭を下げて謝ってきた。
「王様は俺達を何故呼んだのですか?」
まあ、聞かなくても大体わかるけどな。大方魔王がいて、魔族がいて、そいつらが悪さをするから、倒してくれって話だろうな。基本異世界転移ってそんなのばっかだろ?
「そうだな。それを説明するのに時間がかかるがよろしいか?」
「はい」
風香に目配せしてOKの合図が出たので、正直言って面倒だが、もし俺の思ってるのと違ってたらあれなので、大人しく聞くことにする。
「わかった。まず、私達の世界シーファには、人間はもちろん、その他亜人に魔族と言う種族がある。さらに亜人にはいろんな種類の種族がいる。代表的なのが獣人だ。獣人は、私達人間が持っている魔力の源が存在しないため、魔法が使えないが、その代わり、とてつもなく高い身体能力がある。さらに、その逆。亜人にはエルフという耳の長い種族がいる。エルフは、獣人とは逆で身体能力は低いが、代わりに魔法が得意な種族だ。人間で言うと、獣人は近接戦闘型。エルフは遠距離型だな。後、獣人にも色々と種類があるのだが、これは今は関係ないので置いておく。
次に、魔族と言う種族だが―――」
長い。長すぎる。もうからこれ数十分は喋ってるぞ。ここまで長くなるとは思わなかった。まあ、この世界の知識が入るからいいけどな。てか、ずっと立ちっぱなしなんだが、全然疲れないな。この世界に来たことによって身体能力が上がったのかもしれない。
「―――ということである」
「...やっぱりそういうことか」
俺は王様の話に小さく呟く。王様の話を簡単に言うと、魔王率いる魔族の人間界侵略が最近活発になっていて、このままだといずれ、人間界が魔族により侵略されてしまうから、助けて欲しいということだ。
「どうだろうか? ああ、衣食住の心配があるならその必要はない。全て私達が責任をもって用意するからの。その他に何か用意して欲しいなら、出来る範囲用意しよう」
「...本来勇者は一人と言いましたよね?」
「そうだ。故に、そなたら誰か一人が勇者ということになる。この場に一人いないようだが、他の二人は巻き込まれたというのが正しいだろう」
王様が済まなそうな顔で言う。本来勇者は一人。つまり俺達の誰かが勇者という称号を持っている。
...何故、称号だと思ったかって? 簡単な話だ。あるんだよ。俺のところに。勇者という称号が。ステータス画面にな。
「...一つ聞いてもいいですか?」
「ああ。私に出来ることなら何でもしよう」
最悪、俺だけが戦い美羽と風香は何もせず静かに暮らしてくれればいい。衣食住は保証してくれるらしいからな。だが、それは元の世界に帰ることができないときだ。だから俺は聞く。元の世界に帰れるかどうかを。
「俺達は元の世界に帰れますか?」
「それは...」
王様は言いづらいのか、口を開いては閉じてを繰り返す。
―――やっぱ、そうなんだな
...俺達は帰ることは出来ない。薄々はわかっていたけど、俺はほんの少しの希望にかけた。だが、今の王様の表情で完全にわかっってしまった。
「...すまない」
―――なんで俺達が選ばれたんだろうな
悠がいきなり行方不明になり、元気のない美羽や風香。俺は表面上は普通に過ごしているつもりだが、内心ではそうでもない。
「現段階では、勇者達を元の世界へと返す方法はわかってないんだ」
―――なあ悠? お前ならこの状況どうする?
もし今日中に後一話書き終わったら投稿します_(-ω-`_)⌒)_




