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第23話ーユウとリリィ

遅れましたm(_ _)m

 奴隷オークション会場内。つい先程までは、何事もなく無事にオークションを楽しんでいた人間達は、ある少女の行動により一気に混沌へとかしていた


「助けてくれ! 助けてくれれれれれええええぇぇぇぇぇぇ!!!!」


「これは夢だ...これは夢だ...」


「いやだ! 死にたくない!」


 会場内の人々が、恐怖に顔を染めながら出口へと目指す。中には、この状況を見て、ぶつぶつと呟いているのもいる。そして、最初の一人が出口へと続くドアの前に着き、ここから出ようとドアについているノブを回し開けようとしたが、そのドアノブはガチャガチャと音を立てるだけで開く様子はなかった。


「な⁉︎ なんでだよ! 何で開かないんだよ⁉︎」


 いくらドアノブを回そうが開く様子のないドアを見て焦り始める。すると、後ろにいた人達が、怒りくるったように、ガチャガチャとやっている男を無理矢理どかし、ドアに体当たりした。


 ドン! ドン!


 だが、いくら体当たりしようと全く開く様子のないドア。もし、冷静にこのドアを見ていたなら、もしくは、ここに魔法使いがいたなら、何故開かないのかわかったであろう。ドアの表面に、わずか1センチ未満の透明な壁があることに―――


 ドアが開かないと分った人達は、少しでもこの惨状の元凶である少女(・・)から離れようと、少女のいる場所から最も遠いいであろう部屋の角まで慌てて移動する。


 ―――グシャ ザシュ


 少女は右手に持った黒く禍々しい剣で次々と近くにいる人間を切り裂いては不敵に笑い、そしてまた切り裂く。そこには躊躇いという言葉がなかった。


 近くにいた人間を全員切り裂き終わった少女は、ついに角にいる人間を見た。そしてゆっくりと近づく。


 ―――ピチャ、ピチャ


「ひぃ!? く、来るな!!」


 そういって一人の男が近くにあった砕けた石の欠片を少女に向かって投げる。男の運が良かったのか、その石は少女の額にへと当たった。


 こつん...少女の額に当たった際に、そんなちいさな音を立てて床に落ちる。少女は、それに臆することなくゆっくりと不敵に笑いながら近づく。


―――ピチャ、ペチャ、ペチャン


 1歩2歩と近づき、そしてついに、石を投げた男の前へとやってきた少女。その右手にある剣を上へと振り上げる。そして一度少女が笑うと、その右手を振り下ろした。


―――シュッ、キィィン!


 だが、少女はその剣を男に当てることはかなわなかった。何故なら、ある一人の少女によって止められたからだ。


 その少女は、右手に持ったレイピアで、少女の剣を防ぐ。普通なら、刀身の細いレイピアでは到底防ぐことなど出来ず、折れてしまうのだが、その少女のレイピアは折れることはなく、しっかりと少女の剣を止めた。レイピアが特殊な素材で作られているのか、もしくは、何か魔法を使っているのか。それを知るのは、持ち主である少女にしか知らない。


「どうしてこんな...!!」


 少女の表情は険しい。力を一つでも抜くと、自分の剣を折られると思っているからだ。金色の髪をツインテールにし、背は剣を持つ少女と対して変わらないが、若干レイピアを持つ少女の方が高い。目は、蒼く透き通っていて、まるで宝石のサファイアみたいに綺麗な色をしている。

対して、剣を持つ少女は、銀色の髪を腰近くまで伸ばしており、目は、少女と同じく蒼いが、先の少女の色と比べると、若干暗い色をしていた。


 そんな少女は、自分の目の前にいる銀髪碧眼の少女に対して、険しい表情こそしてるも、その少女を見て、目に涙を浮かべていた。


「ユウ!!!」


 少女―――ユウに


「...リリィ」


 少女―――リリィは、叫んだ。




 ☆ ★ ☆ ★




 6月15の風。


 この日ある事件が起きた。奴隷オークション内での集団殺人事件だ。そこでは、おびただしい数の人間が死んでいた。その全てが切り裂かれて死んでいたらしく、犯人は刃物系の武器を使ったと推測した。


 殺されていたのは、オークションを見に行った人とそのオークションの関係者だった。尚、ここいた奴隷達は、全員生きているのを確認できたことから、国の騎士団の中では、その犯人に対して、指名手配を出すか、出さないかの二つの意見に別れる。


 6月20の火。


 事件が起きてから、5日が立った。そしてこの日、奴隷達のわずかな証言から、ユウという少女とリラという少女二人に指名手配が全国に出された。


 翌日から、全国でいくつもの部隊が編成され捜索を行ったが、何日、何週間、何ヶ月に渡り、誰一人ユウ達を見つけられなかったという。


 そして、事件が起きてから一年が経った頃には、指名手配は消えてないが、あの集団殺人事件は人々の記憶から次々と消えて行った。




 ☆ ★ ☆ ★




 ストゥー王国内ギルド、ギルドマスター室に二人の人間がテーブルを挟み向かい合うようにソファーに座っていた。


 ドアから見て、左側のソファーには、白い髪の毛に、これまた白いヒゲを生やした、何処かの道場でも経営してそうな、いかついおじさんが真剣な顔をして、対面に座っている少女を見ていた。


「...行くのか?」


「ええ。もちろんよ、ギルマス。そのためにこの一年間準備してきたのだから」


 いかついおじさん―――ギルドマスターが、対面に座る少女に問う。その問いに少女は、さも当たり前のように答える。


「そうか。お前が自分で決めたなら、別にいい。だが、何処にいるのかわかったのか?」


「......」


 少女は、ギルドマスターの問いに答えられないのか、首を横に振る。


 それを見たギルドマスターは「仕方ないな」と、呆れたように呟き、懐から、ある一枚の紙を取り出し、テーブルの端にある、ペンいれから、一つのペンを取り出し、何かを書き始めた。


「それは?」


「まあまて」


 少女は、ギルドマスターの言葉に従い、大人しく、書き終わるのを待つ。


 そして数分後。書き終えたのかペンを横に置くと、ソファーから立ち上がり、ギルドマスターの仕事机の引き出しから、一枚の茶色い封筒を取り出し、その中に紙を入れた。


「これを持って()()()に向かえ」


 「本当は教えたくなかったんだがな…」と、ぼやきながら封筒を少女に渡す。それを受け取った少女は頭に?マークを浮かべながらギルマス見た。


「確かに私はまだSランクだからギルマスの許可証がないと、境界線を超えられないけど、どうして向かう必要があるの?」


「魔界に滞在しているSSランク冒険者から、ある情報が入ったんだよ。…なんでも、銀色の髪をした10歳位の少女と灰色の髪をした同じくらいの少女を魔界で見つけたっ―――「ありがとう!!」―――たくっ、」


 少女はギルマスが話してる途中でいきよいよくドアを開け、去り際にお礼を言いバタンと閉めて出て行ってしまった。


「髪色が一緒ってだけで、ユウ(・・)とは、限らないんだがな」


 さきほどドアから出て行った少女を思いながら呆れたように呟くギルドマスター。さっきまで静かだった階下が騒がしくなったのは、きっとあの少女のせいだろう。


「…がんばれよ。リリィ」


 先ほどのような呆れた声ではなく、心の底から思っているような声が、シーンと静まり返るギルドマスター室に響いた。


                       


                     

第一章 ユウ転生 リリィとの出会いと別れ...


これにて終了ですm(_ _)m

今まで読んでくれた方ありがとうございました(*^_^*)


第二章の予定ですが...今のところ未定ですσ(^_^;)

何故かというと、すでに学校等が始まってしまい、中々書けないからです。もし遅くてもいいという方がいるなら、頑張りたいと思いますが...まあ、そこのところは、読者様の意見をお待ちしておりますm(_ _)m


ちなみに、第二章では大陸は魔界、視点は主人公ことユウです!笑 お隣さんにはリラ、後ろには、魔界の王ことエリスがいたりもします笑

一体ユウはここで何をやらかすつもりなんでしょうか...乞うご期待!

それでは、

第二章 ユウ魔界に到着! そしてリラとの出会いとわーーー っと、ここはネタバレになるので言いません笑


それでは感想や質問等お待ちしておりますm(_ _)m

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