表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/40

プロローグ2

「おにーちゃーん、おーきーてー!」


体を揺さぶられる。この声は美羽(みう)か...? うーん...珍しいな。いつもは僕が美羽を起こしに来てるんだけど、なんで美羽が僕の事を起こしに来てるんだ? そういえば何かとてつもなく大事な夢をみていたような気がするけど...まぁいいか。細かいことは気にしない主義だ。でも、そうだな。どうせならここは定番のあと5分とでも言ってみようかな?


「うーん...あと5分....」


良し、言ってやったぞ。これ1回言ってみたかったんだよね。ちなみに僕はもう目が覚めている。寝たふりみたいなもんだ。


「おにいちゃん? さすがに5分も寝たら学校遅刻しちゃうよ?」


と、心配そうな声で言ってきた。...何を言ってるんだ? 美羽は。僕が遅刻するわけがないじゃないか。冗談が下手だな。僕は一度たりとも寝坊、遅刻、それと休みもしたことないのに。


「...美羽? そうゆう冗談はいいから」


「いやいや、冗談じゃないよ⁉︎ 本当に遅刻しちゃうよ?」


と、慌てた声で言っている。しかもそれに合わせて揺さぶる力も大きくなった。


うーん...眠れん。ねむくないが。


「...美羽? いい加減にしないと、さすがの僕でも怒るよ?」


嘘だけど。


「おにいちゃん! 違うから! 本当だから! 本当に遅刻しちゃうから! だから、起きて!」


美羽はそう言いながらさらに体を強く揺さぶってくる。ああもう、眠れないじゃないか。遅刻しないと言ってるのに。美羽はあとでお仕置きだな。


そう思いながら体を起こす。美羽は僕が起きるのを察したみたいで揺さぶるのをやめた。僕はそれを見た瞬間、美羽の腕をつかむ。


「ふぇ?」


美羽が掴まれている腕を見て困惑している。僕はそれに構わず、美羽の腕を引っ張った。


「うきゃっ⁉︎」


変な声をあげ僕の隣へと美羽を寝かせる。僕も横になり、美羽の目を見る。美羽と目が合うと何故か美羽の顔がどんどん赤くなっていく。


「え? あの...お、おにいちゃん。わ、私、まだ、心の準備が......!」


何を勘違いしたのか、美羽はいきなりそんなことを言ってきた。


まったく、僕がそんなことをするわけがないのに。そんなことを考えながら、美羽を抱きしめる。


「はきゃっ!?」


身長は僕の方が高いが、美羽よりしたの方で寝ているので、僕は美羽の顔を見るのに下から見上げる形になる。美羽の顔は真っ赤だった。


そして、美羽の胸に顔を埋める。美羽はあまり大きくないが、そこにはちゃんと丸い膨らみが二つあった。しかも、いい匂いがする。


さて、なぜ僕がこんなことをしているのかというと、別に美羽に発情しているわけではない。さっき言ったとおり、抱き枕にしたいだけである。


そういうわけで、何かに期待しているような顔をしている美羽を抱きしめたまま目を瞑る。...あ、これよく眠れそうかも。


「...あ、あれ? え? おにいちゃん...?」


美羽が、また困惑したような声で言う。朝だけで美羽の色んな声が聞けたな。こんなに聞けるなんて初めてだ。


「...え? うそ? もしかして寝てる?」


美羽はやっと目を瞑っている僕に気づいたのか、今度は何だか残念そうな声だった。...なんで残念そうなんだ?


「んもう、おにいちゃん起きてよー!」


そして、美羽の大きな声が部屋に響く。僕は、本当にこんなことやってたら遅刻してしまうかもしれないので、普通に起きる。


「ふああぁぁぁ〜...美羽、今何時?」


「...はぁ、私が来た時は、もう8時10分は過ぎてたけど......」


なんだか美羽は疲れているようだった。だが僕はそんなことより美羽の言った時間に驚愕した。


8時10分...⁉︎ 僕の学校は確か8時40分までに行かなければならないはず...。しかも、ここから学校まで歩いて20分もかかるんだぞ! やばい! 遅刻しちゃうじゃん!!!


「美羽! 何でそれを早く言わない! やばいじゃないか! 時間が!」


「おにいちゃん⁉︎ だから起きてって何回も言ったじゃん⁉︎」


美羽が何か言ってるがこのさいスルーしよう。とにかく、さっさと着替えよう。僕は素早くベットから起き上がり隣にいた美羽の上に布団をかぶせる。

そのすきに、僕は寝間着から制服にへと速攻に着替える。その間、約10数秒。最後に、布団の中で「んー! んー!」と言ってる美羽に、


「それじゃあ美羽、僕は先に行くね。」


と、言い机にある鞄を掴んで部屋を出る。


そのまま階段を下り、リビングに入る前に洗面所へと向かう。そこで顔を洗い寝癖等を治し(まぁそんなの全くないんだけどね)今度こそリビングへと向かう。


「お母さんおはよう!」


「はい、おはよう。ところで、今日はどうしたの? 悠が寝坊何て珍しいわね。それと、朝ごはんは?」


と、お母さんが言ってきた。少し悩んだが時計を見てみると、8時18分とさしている。これは、やばい! と思いつつ、お母さんには「ごめん、今日はいいや! それじゃ行って来る!」と言った。お母さんは「気をつけて行ってくるのよ〜」と言っていた。





さて、リビングから即退散し玄関で靴をを履き家を出た僕は走ってはいない。歩いてるんだ。何故かって? いや〜僕も驚いたよ。まさか、あの時間になっても風香(ふうか)がいたんだから。


桃色ももいろ風香(ふうか)。彼女は僕の小学生からの幼馴染なんだ。そして、小学生の時からだっけ? あれ? 中学生のときからだっけ? まぁこのさいどっちでもいいとして。風香はいつも僕の家の前で待っててくれるんだけど、まさかこの時間まで待っててくれるとは思わなかった。自分が遅刻するかもしれないのにだよ? しかも、僕が玄関を出て風香を見つけたとき、僕は慌てて謝ったんだけど、風香笑って許してくれたんだ。いや、まじ天使。


と、いうわけでただいま風香と登校中なのである。


「それにしても、悠が寝坊だなんて珍しいね? 何かあったの?」


「ん? あ〜ちょっとね」


言えない。ただ、目覚まし時計がセットされてなかっただけなんて絶対に言えない。




☆★☆★


僕達が教室に入ると、一人の男の人が話しかけてきた。


「おお、悠と風香。遅かったな? 何やってたんだ?」


そう話しかけてきたのは親友の小林(こばやし)颯斗(はやと)だ。


僕はその問いに少し苦笑いする。


「ちょっと色々あってね」


「おっはよ〜」


僕は、頭を掻きながら、風香は僕の後ろから顔だけ前に出して軽く挨拶する。颯斗の問いはスルーしておこうと思ったのに、風香が...風香が「私はいつも通りに来たよ? 悠が遅かったんだよ」と、颯斗にいいいやがった。し、信じられん...。

それを聞いた颯斗は、僕の方を見てにやにやしている。


「ということは、寝坊か? 珍しいな」


「...うん、まぁね」


さっさとこの話しを終わりにしたかったので、その言った僕は自分の席に座る。風香と颯斗は何か話しているみたいだ。


僕が座ったそのタイミングでちょうどチャイムがなる。先生が入ってきて、風香はやっと席に座った。


ちなみに、席は窓側の1番後ろだ。そして、僕の前に颯斗、僕の横に風香がいる。





そして、放課後。風香は部活があるのでもういない。颯斗はバイトがあるらしくH(ホーム)R(ルーム)が終わったらすぐに行ってしまった。

僕は部活もやってないし、バイトもやってないからこのまますぐに帰宅だ。


「...ん?」


ふと、帰り道を歩いていたら何故か急に辺りが暗くなった。...いや、よく見てみると僕の周りだけが暗くなってるだけで、その他は普通に明るい。


おかしいな? と思いながら顔を上に向けてみると...何かがこっちに向けて落ちてくるみたいだ。...ん? 落ちてくる? 


「え? ...えぇぇぇぇぇぇぇ⁉︎⁉︎」


そして、僕は意識を失った。




最後にわかったのが、落ちてきたのがゴツゴツした岩みたいな物だったっていうこと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ