プロローグ
よろしくお願いします
「ん...」
目が覚めた。僕は起きたらすぐに起きられる派だ。
「んん〜...あれ? ここどこ?」
ベットから上半身を持ち上げて大きく伸びをした。そして、辺りを見回してみたら、そこはなんというか何もない。学校にある教室の大きさくらいの場所だった。そして、とにかく真っ白。上も、下も、右も、左も。とにかく、真っ白だった。
もしかして夢? と思いつつ頬つねってみると、
「いひゃい...」
という結果に...。うん、まぁ分かってたけどね。だったら誰か読んでみよう。
「誰かいませんかー」
「はいはーい。今行きまーす」
という明るい女の子の声が返ってきた。すると、次の瞬間僕の目の前が明るく光始めた。「う...」と、あまりにも眩しかったので目をつむってしまう。
時間にして数秒、ようやく光が治まったので、恐る恐る目を開けてみると、目の前に小さな女の子がいた。
「初めまして、白崎悠さん」
「え? あ、うん。初めまして...」
と、つい挨拶されたので反射的に挨拶を返してしまう僕。
え? この子誰? 僕の身長が160cmなのに対して、この子の身長は僕の腰あたりくらいまでしかない。しかも、腰あたりまである金色の髪に碧い目。
僕は思った。少女と言うより幼女だね...と。
とまぁそんなことはどうでもいいんだけど、ここはどこ? ということで、小さな女の子改め幼女に聞いて見た。
「えっとですね、これはあなたの夢の中です」
「あ、そうなの? 何だやっぱこれは夢か」
ふぅ、良かった。もしこれが現実だったらと思うと、物凄く説明が欲しいところだったね。夢なら特に気にすることはないし。
「は、はい。あなたにこれから起こることを伝えようと思ってここに着ました」
「ん? 伝えること?」
伝えることってなんだろう? てか、これ夢なんだから聞いても仕方なくない?
「はい。あなたに異世界に来て欲しいんです」
...はい? 異世界?
「...えっと、それは一体どういう意味かな?」
物凄く混乱している僕。異世界? どういうこと? あ、そういえばこれは夢か。なんだ、なら別に混乱する意味ないじゃないか。早く覚めないかなこの夢。
「いえ、あの、これは夢ではなくて、私があなたの夢の世界いに入ってきてるだけで、夢ではないんです」
「...はい?」
え? なに? なに言ってるの、この子? てゆうか、今僕の心よんだ⁉︎
「簡単に言いますと、あなたの夢の中におじゃましているわけです」
夢の中におじゃま? ...なるほど、そういうことね
「つまり、これって、夢じゃなくて...現実?」
「はい。そういうことになります」
「じゃ、じゃあ、さっき言ってた異世界に行って欲しいって言葉は「本当のことです」」
僕の言う言葉に遮って言う幼女。
え...え〜......これってあれ? 起きたら異世界でした、みたいな? まだ行ってないけど。いや、確かに行って見たいな〜とかは思ったことはあるけど、実際にこういう目にあったら混乱するね。それはもう物凄く。さっき夢なら説明いらないとか言ったけど、現実ならいるよね? とういうことで、幼女に説明を求めよう。
「...説明してもらってもいいかな?」
「はい、わかりました」
☆ ★ ☆ ★
幼女から話しを聞き終わると、僕は一体なにやってるんだ、この子は...と落胆してしまった。見た目はあれだけど、仮にも神様だよ? それなのに...ねぇ?
「...それで、間違って殺してしまうから、お詫びに異世界に転生させるってことか」
「は、はい。まだ死んでいないとはいえ、本当すみませんでした」
そう言いつつ、土下座する幼女。...いや、別に土下座までしなくてもいいのに。てゆうか、しないで⁉ 何か僕が悪いことをしてるみたいじゃないか!
「だ、大丈夫だから。顔を上げて、ね?」
幼女の元に駆け寄り慌てて顔を上げさせる僕。
「...は、はい」
ふぅ、よかった。...それにしても、今日中...ん? 明日? ...まあどっちでもいいか。とりあえず死ぬのか。死ぬ前に皆に挨拶とかした方がいいのかな?
「あと、私が間違えて悠さんを殺してしまったので、お詫びとして、私から悠さんに3つほどの特典を差し上げようかと思います」
と、幼女が転生させてくれるだけではなく、特典とかいうものをくれるとか言ってくる。
特典てなに?
あ、ちなみに幼女の僕に対しての呼び方が変わったのは僕が言ったからだ。いつまでもあなたとか言われるのもね...。
「特典ってどういうこと?」
「はい。悠さんが行く世界は今までいた世界とは違い、剣と魔法の世界なんです。ですから、地球よりも危険なので、悠さんがそちらの世界でも安心して暮らせるように、悠さんが望むものを3つほど叶えさせてあげます」
...なるほど、それはいいね。これってよくある、異世界転生して無双しよう! っとかだよね。 ...いや、だけど小説には強すぎる力はダメだとかあったような...。
僕はそれに気づくと少し不安になりながら幼女に尋ねる。
「ねえ、その特典ってさ、どんなことでもいいの たとえば、世界最強になるとか...」
「はい! 世界さえ壊さなければ、全然大丈夫ですよ!」
幼女は笑顔で答える。...なんだろう、悩む必要も不安になる必要もなかった...。
「じゃあーーー「あ、すみません! 時間切れです!」ーーえ⁉︎」
時間切れ⁉︎ どゆこと⁉︎
「この続きは、悠さんが死んでからでお願いします!」
言い方が怖いな! そして時間切れてなに⁉︎
「時間切れってなに?」
「現実世界の寝ている悠さんが起きてしまうんですよ」
あ〜そういうこと。
「それでは悠さん。またお会いしましょう」
「はは、出来れば会いたくないけどね」
その言葉に僕の意識は失った。