生きたい。
あたしは、いつまで生きられるの・・・?
何ていう病気なの?
死んじゃうの?
何で言ってくれなかったの?
痛いの?
苦しいの?
怖いの?
数え切れないほどの不安を抱えて、あたしは家に帰ることにした。
お母さんに・・・、何て言おう。
もう、何も考えられない。
あたしはただ、普通の幸せを手に入れたかった。
ただ、それだけなのに・・・。
「ただいま・・・。」
お母さんは、いなかった。
・・・お父さんも。
あたしはリビングにはいかず、そのまま自分の部屋に行った。
何でだろうね。
何でか自分でも分からないけど、あたしはアルバムをひたすらめくっていた。
こんなことしたら、よけい苦しくなっちゃうのに・・・手が止まらないんだ。
マサキとの思い出が、お母さんとお父さんとの思い出が、消えちゃう気が、したのかな。
涙が止まらないんだ。
泣いたって、どうにもならないのに。
昨日からどれくらい泣いたんだろ。
そう考えているうちに、あたしは眠ってしまった。
今日は学校に、行きたくない。
こんな気持ちでみんなにあったって、寂しいだけでしょ?
だから、行かない。
そのとき、ふと。思ったんだ。
「どうせ死ぬんだ」
って。
どうせあたしは死ぬの。
誰も、悲しんだりしない。
そう思うと、よけい涙があふれ出てきて・・・。
きっとどこかで・・・。
「それはちがうよ」
って。
あたしのどこか・・・、心が否定していたんだ。
明日。
学校、いこっかな。
まだみんなには打ち明けられないかもしれないけど、残りの時間を精一杯楽しみなさいって、声が聞こえた。
その声が、誰なのか。
あたしには分からない。
でも、きっとどこかであたしを応援している。
そんな人がいる気がするんだ。
それはあたしの気のせいなのかもしれない・・・。
いいよ。
それでも。
気のせいでも、あたしが今少しでも成長する事が出来たことは・・・事実なのだから。
ただ、感謝するだけなの。
「ピーンポーン」
その音で、あたしは目が覚めた。
必死で目の腫れをかくしながらあたしは戸を開けた。
「はーい。」
戸を開けると、そこにはあたしの愛しい仲間たちの姿があった。
「みんな・・・。」
「マリ、だいじょーぶ?熱あるのー?お見舞いきたよ。」
「えっ?来てくれたの?あたしのために・・・?」
「あったりまえじゃーん」
ナツホは言ってくれた。
マサキは・・・?
彼の方を向くと、彼は笑顔で言ってくれた。
「おう!」
って。
その1言でも。
その1言でも、あたしはうれしかった。
こんなあたしを支えてくれる人が、こんなにいるなんて。
そのときあたしは強く。
強く思ったんだ。
「生きたい。」
って。