あたしが・・・病気!?
「どうしたの?話って?」
「マリ。お前は病気なんだ。」
びょう、き?
あたしが?
なんで。
セキは出るけど、こんなに元気なのに・・・。
「えっ。病気。」
「そうだ。20歳まで、生きられないかもしれないんだ。」
「なによ。それ。」
「マリ。ごめんね。いままでだまってて。」
なに。
それ。
あたしは走った。
逃げ出したかったんだ。
あたしの現実から・・・。
「マリ!どこいくの。マリ!」
お母さんが叫んでる。
あたしは戻らなかった。
ただ、ひたすら走った。
あたしは近所の公園に来ていた。
1人になりたかった。
あたしが。
病気?
しかもあと5年しか生きられない・・・。
なによ。
それ。
気が付いたら、あたしの頬は涙でべたべたになっていた。
「こんな運命。受け入れられるわけ、ないよ。」
あたしは1晩中。
泣いた。
残酷すぎる運命に、どう立ち向かえばいいのか。
分からなかった。
マサキside
昨日はマリの誕生日だった。
俺は昨日、誕生日プレゼントを家に忘れてしまい、今日持ってくることをマリと約束した。
毎朝。
俺たちは一緒に学校に行く。
だが、今日は俺1人だ。
マリの母さんによると・・・、体調が悪いらしい。
大丈夫か?
アイツ、ちっちぇーときから、病気がちで、俺が守ってやんねーと、何にもできなかった。
だから、今日も何かあったんじゃないか?
ケーキ食いすぎたとか・・・。
そんなことを考えるうちに授業が終わった。
「ねー。マサキ君。今日マリは?」
マリの親友のナツホが聞いた。
「あー。なんか体調悪いらしい。」
「そっか。今日さ。あたしと拓也でマリのお見舞いいくんだけど、マサキ君も行かない?」
拓也、とは俺の親友でナツホの彼氏だ。
「おー。行く行く。」
俺は半分テキトーに返事をした。
プレゼントもそのとき渡せばいーか。
そんな、軽い気持ちだった。
このときの俺は何も分かっていなかった。
マリとずっと一緒にいられると、信じていた自分が、羨ましい。
あのとき、プレゼントを俺が忘れなければ、マリは心の底から誕生日を喜べるときがあったかもしれないのに・・・。
はじめまして。
里優です。
マリがこれからどうなるのか・・・、次回おたのしみに。