本当の決裂
「マリッ待てよ!」
「マサキごめん。サヨウナラ。」
「『サヨウナラ』って。何で?何で別れるんだよ・・・・。
俺はずっとマリと一緒に居たいんだ。」
あたしだって。
マサキと一緒に居たいよ・・・・。
でも。
それは叶わない夢へとなってしまったから。
だからあたしは。
マサキの言葉を無視して歩き出す。
ごめんね?
・・・・マサキ。
気づいたらあたしは走ってて、屋上へと向かう。
ーーガチャッーー
別にここに来て、泣き叫びたかった訳じゃないけど。
一人になったら自然と涙溢れて。
泣いてた。
そしたら。
ーーガチャッーー
「へ。」
誰かが来た。
「マリちゃん・・・・。」
それは、ミナちゃんだった。
「え。ミナ、ちゃん?」
「マサキ君から聞いた。マリちゃん、マサキ君と付き合ってたんだね・・・・。」
「・・・・・・・。」
「ごめんねあたし、マリちゃんに向かって・・・・」
「ゴメンナサイ。あたしっ貴女を利用した。」
「え?」
「貴女がマサキの事好きって聞いて、これでマサキと別れる決心着いたって思って・・・・」
「何で?何でそんな事思うの?マサキ君の事、好きじゃなかったの。」
真実を言う?それともまた、誤魔化す?
あたしは。
もぅ逃げたくない。
「実はあたし。病気なんだ。」
「え」
「20歳まで生きられるか分からなくてさ。今、死んじゃうかもしれないし、明日かもしれない。
急に死んじゃったらマサキ、きっと悲しむでしょ・・・・。だからっ貴女と、幸せになって欲しかった。」
「何、で。そんな事、あたしに?」
「マサキには、言わないで欲しんだ。」
「・・・・・・・・・・分かった。」
「マサキと、お幸せに。」
それだけ告げ。
あたしは屋上から出てゆく。
ーーガチャーー
マサキと別れるのは辛いけど。
この選択で彼が幸せになれるのならば。
あたしのこの傷の痛みはすぐに、幸せへと変わるから。
だから・・・・。
さようなら。新たな道へ。




