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ただいま、マリ
「ショウ・・・。
帰って、きたんだな。」
「ショウ君・・・?
宣告?
どういうコト?
だってあなたは、アメリカに・・・。」
「戻ってきたんだ。
マリに会いたくて。」
え?
あたしに、会いたくて?
な、んで?
そのトキ。
あたしは感じた。
この世界に、あたしたち3人しか存在しないような・・・、不思議な感覚を。
「はいはい。2人とも、遅刻ですかぁ~?速く席つきなぁ~」
その感覚は、サナ先生の言葉によって、遮られあたしたちは自分の席へ向かった。
彼の視線を感じながら。
「はーいっ!じゃあ神山君。自己紹介、お願いね☆」
そして彼はゆっくりと口を開いた。
「神山ショウです。
アメリカの、ハーベラ学園から来ました。」
そして、にこやかな笑顔をみんなに向けた。
ーカッコイイー
思わずそう、思ってしまう。
その笑顔に引き込まれるかのように、あたしは彼を見つめていた。
その視線に気がついた彼は、あたしの方を向き、こう告げた。
「ただいま。
・・・マリ。」
・・・と。




