永遠の時間
むなしくて、切なくて・・・。
そんな思いがあたしを駆け巡る。
あたしの頬に流れていた涙はいつしか乾いていた。
その涙をふき取るかのように・・・、大きな手が、あたしの顔を覆う。
その手を掴むように、手を握る。
ーありがとうー
そう呟きながら・・・。
* * * * * * * * * * *
はぁ。
はぁ。
夢かぁ・・・。
変な夢だった。
不思議な感覚で、涙が出そうだけど、悲しくない。
そんな気持ちだった。
あの手は一体、誰だったんだろう?
まぁ・・・。
単なる夢だよね?
あっ!!!
まっずーいっ。
遅刻ぢゃん!!!
マサキもう学校行っちゃったかな?
急がねば!
「おはよ。遅くね?今日。」
背後から、低く、落ち着く声が聞こえた。
「あれ?マサキ?待っててくれたの?」
「あたりまえだろ?彼氏なんだから。」
「・・・ありがと。」
「なんで、礼?」
「なんでもないしっ!」
「なんでもなくない!!教えろコノー。」
そう言って彼はあたしを追いかける。
あたしたちは遅刻のコトも忘れて、遊んでいた・・・。
この時間が、永遠になればいいのに・・・。
そんなことを考えていた。
時間を止める力があれば、あたしは間違いなく、マサキとの時間を止めるだろう。
でもね?
いくら願っても、時間は止まらないから。
だから。
今。
この瞬間を精一杯楽しむの・・・。
そしたら、少しだけど・・・。
この時間が永遠なんじゃないかって、思えるコト、出来ると思うんだ。




