転校生
体育祭・・・。
その響きが懐かしくて、それでいてドキドキして・・・。
そんな体育祭に、また今年もマサキと一緒に参加できるコトがうれしくて、うれしくて・・・。
マサキ・・・。
君を見つめてしまうよ。
あなたは、5年前のコト、覚えていますか?
あたし、今思い出してたよ。
あなたも今、同じコト、考えてるのカナ?
だからあなたは今、あたしを見て笑いかけてくれてるのカナ?
こんなにあたしを思ってくれて・・・、あたしは本当に幸せ者です。
* * * * * * * * *
「じゃー、誰か、リレー出る人ー。手挙げてー。」
役割決めが、始まった。
あたしは運動神経悪いし・・・、体弱いから、いつも応援だけ・・・。
それでも。
マサキを応援できるなら!
あたしは精一杯がんばるよ・・・。
そして、手を挙げたのは、マサキと拓也くんとナツホだった。
ナツホも運動神経が良くて・・・。
ほんと、羨ましいほど、カッコイイの。
「それじゃぁ、リレーのメンバーはマサキ君と、拓也君と、ナツホと・・・、あとそれからミナと転校生で決まり。」
えっ!?
転校生?
転校生来るの!?
「はーい、先生。転校生なんて、聞いてましぇーん。」
クラスの男子が次々に呟く。
すると。
「あれ?言ってなかったっけ?あっそうか、先生、学級委員長にしか言ってなかったなぁ~。」
先生~(泣)
忘れちゃダメだよ・・・。
天然サナ先生があの天使のような声で、呟く。
「ゴメンネ~。あっ!転校生君わぁ~来週中には来る予定だからネ♪」
テキトー・・・。
しかも・・・、ゆるい。
サナ先生って、ほんと。
大丈夫?
心配しちゃうよ・・・。
はぁ・・・。




