消えるのか?
体育祭の次の日から、俺は吹っ切れたように明るくなった。
それはマリに俺の気持ち、伝える事ができたから。
スッキリしたんだ。
それでも、気まずい。
彼女といるとき、彼女は俺に何か、伝えようとしているんだ。
俺は聞かずに彼女の前から、立ち去る。
そんな毎日に慣れてしまった。
本当は、聞くのがイヤだったのかもしれない。
あきらめきれなくなるから・・・。
未練がましくなっちまうのが嫌で。
聞けなかったのかもしれない。
・・・このままで、本当にいいのか?・・・
突然俺の頭をよぎった言葉。
良い訳、ねぇよ。
そのころのショウは、マリに暇さえあれば、話しかけていた。
一方のマリは嫌がる素振りも見せず、楽しそうに話をしていた。
2人は、付き合っているのか?
俺は、本当にこのまま、マリの前から消えるのか・・・?
そう思った、その時だった。
「マサキ・・・。逃げないで。話を聞いて。お願い。」
マリが深刻な表情で俺を見上げる。
・・・カワイイ・・・
って、俺こんな時に、何思ってんだよ。
俺はマリの話を聞くことにした。
「分かった。」
「あのね・・・。マサキ。あたし、・・・。」
その時、俺は気がついた。
ヤツが俺たちの事を、いつまでも見ていた、という事に・・・。




