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第6小路 演者魅了

「暇だー暇だー」

男はダダをこねる子供のようになっていた

メイドの1人が言う

「マーニ様、本など読まれてはいかがですか?」

「本か!…読むのが面倒くさい、読み聞かせてくれぬか?」

「は…はぁ…」


シュイーン

「サティスか?なんか楽しいことでもあったか?

ドラキュラが来てから領土は広がるんだが、ぜーんぶアイツが終わらせてしまうから余計にやることがなくなってしまって困っておるのだ。

お前も最近忙しそうで全然構ってくれぬし…」

完全にイジけている

「マーニ様、配下が自分たちの意思で動くと言うことは、それだけマーニ様の人望が厚く、包容力があることの証でございます。

指導者が時間を持て余しても国力が増大していく、こんな素晴らしいことはございません!」

「もう1人くらい、私を構ってくれる側近を雇おうかな…」

まだイジけている

「ところでマーニ様、今日このあとお時間ございますか?」

「きさまー!何を聞いておったのだ!このあともクソも何時間でもお前にくれてやる!

で、どこに連れてってくれるの?サティスさん!」

「…特攻隊を率いてくれそうな人材がエドガル国のミドーガルドという村におりまして」

「おぉ!そうか!

で、また採用すると俺の仕事が減るのだな?」

「はい、左様でございます」

「ハァ…仕事が取られるのも嫌だが、今この暇な時間をどうにかしたい。行くぞ、サティス」

「ありがとうございます」



◇◇◇

こちらの模様は

電工月下 第27回路にてご覧くださいm(_ _)m

https://ncode.syosetu.com/n7336ks/24

◇◇◇



「どうにかならんものか?」

獣人族長は頭を悩ませている

「どうかなさいましたか?」

いかにも屈強、全身を硬い筋肉で覆われているジャガーの女、エディオが尋ねた

「どうにか我々の種族から、マーニ様の世嗣ぎを出したいのだ。マーニ様のお眼鏡に叶うものがおればと…う〜ん」




シュイーン

「おかえりなさいませ、マーニ様」

「うむ、ご苦労」

「サティスさん?」

「いかがされました?マーニ様」

「あのオオカミ娘…ちょっとタイプかも…」

「はあ?そうですか!」

「名前聞かなかった…サティスさん、知ってます?」

「知りません!知っていても教えません!」

「えーー結婚してるのかな?お忍びでちょいちょいあの村に行こうかな?」

「ダ・メ・で・す!

満月の仕事が終わったら連れてきて好きにすればいいじゃないですか!」

「えーーまた、それまで暇になっちゃう。

サティスちゃん、俺と遊ぼ!」

「私は仕事が残っておりますので、失礼します」

シュイーン


なんか怒らせたかな?

ハティは居心地悪そうだ

「(咳払い)ハティ、これを預ける」

模造月のカケラを渡した

「大切に保管せよ。必要な時に呼び寄せる」

「かしこまりました」

シュイーーン



エディオは壁の向こうからそのやり取りを聞いていた

「オオカミで人妻…」




マーニはメイドとあっち向いてホイ

をしている

「じゃんけん、ほい!」

「あっち向いて〜ホイ!」

獣人族長が歩み寄る

「マーニ様、ご機嫌麗しゅうございます」

「獣人族長か。どうした?何か問題でも?」

「いえいえ、マーニ様。たまには我々の街にご招待しようかと…」

「おぉ、それは良いな!行こう、今すぐに!」

「それでは、早速…」

シュイーーン

 


【獣人の街・マルハニオス】

シュイーーン

「お待ちしておりました。私、本日案内役を務めさせていただきます、ユリオス・メグゼットと申します。長いのでユリとお呼びください」

犬耳でスタイルの良い女性

長い尻尾、綺麗な長い黒髪に上品な出立ち、時折耳をピクッと動かし、斜め下を見てせつなげな表情を見せる

「では、参ろう」

獣人族は商人が多く、街は活気にあふれている

「良い街だな」

「はい、それはもう!」

笑顔で答えるが、その瞳は笑っていない

「何か欲しいものはあるか?洋服とか…」

「えっ?本当ですか?行ってみたいお店があって…

でも、今日はマーニ様の…」

「構わん、特に目的があるわけではないからな。

それに、今日はお忍びだ。様をつけるのはやめような、ユリ」

「はい!マーニさ…マーニ…」

男の笑顔を見て、ユリは照れくさそうに笑った。


「ここは?」

「あの…すいません…ちょっと下着を…」

「か…構わんぞ」

「いらっしゃいませー」

あまりこういうとこに来ないマーニは落ち着かない

派手な色に、奇抜なデザイン…ほとんど意味をなさない紐みたいなのもある

ユリはあれこれ悩んでいる。定員と何か話して

「マーニさ…」

顔を赤らめるユリ

「な…なんか呼んだか?」

「いえー、折角だから彼氏さんのご意見も聞いた方がいいんじゃないかと…」

店員は不敵な笑みを浮かべている

「彼氏さん?あ、あーそうだな…」


「マーニ、これは?」

試着室から何度も呼ばれた、ピンク、紫、黒…

「どれが良かった?」

「紫…かな?」

「じゃ、これで!」


「マーニ様、ごめんなさい、お代まで払わせちゃって…」

「構わん。…様に戻っておるぞ」

「ごめんなさい、マーニ!」

ユリはマーニの腕を取ってしっかり掴んだ


「これはどう?」

試着室から出て来たユリは

取っ替え引っ替え色んな洋服を着てはマーニに確認させた

その後、マーニのコーディネートに紳士服も訪れた


「マーニ、私今日すごく楽しい!」

笑顔で尻尾を振っている

先ほどのくもりはその瞳からすっかり消えてしまっていた。

初めは乗り気じゃなかった。族長に1日付き添うように言われ、義理の母親に預けている子どもも気にかかっていた。

ただ徐々に惹かれていくマーニの魅力にいつしか心から楽しんでいる自分がいた。背徳感も時折顔を覗かせながら…


公園のベンチに座って

2人でコーヒーを飲んでいた

「私…結婚していて、子供がいるの。

今日はおばあちゃんに預かってもらっているんだけど。

幸せよ、3人で幸せ。

でもね、お母さんなの。子供にとっても、旦那にとっても。

時々思うの、私は女よ、女として見て欲しいって」

「そんなこともあるんだな…」

女はマーニの顔を見た

口元にウインナーコーヒーのクリームがついている

母性、慈愛、背徳感…

顔を寄せてその口元のクリームを舐めた

見つめ合う刹那

唇が重なり合った


「ユリ…」

「マーニ…」

誰もいない午後の公演

2人は欲望の赴くままに


女は最初は少し抵抗した

後ろめたさが勝っていた

しかし、次第に受け入れ、求めた


真新しい紫の布は邪魔者のように剥ぎ取られ

体と体のぶつかり合う音が響く




「マーニ様、またお会いできますか?」

「そうだな、また会おう」

「いつ会えますか?」

「いつとは言えんが、そのうち…」

強く握りしめた手を離し

マーニは城に戻った

シュイーーーーン



「おかえりなさいませ、マーニ様」

「マーニ様、おかえりなさいませ。いかがでしたでしょうか?」

獣人族長は歩み寄った

「あぁ、まあいい役者だったぞ」

「えっ?あ、いや…」

マーニは初めからわかっていたのだ

「こういうシュチュエーションも悪くないな!」

「は、はぁ」

「マーニ様、何?その格好」

イロハニール!

「マーニ様、まさかデート?ですか?

許せません、私というものがありながら…ウーーーッ」

サティス!

「いや、これはだな…おでかけ、いや出張だ。

それぞれの種族の街を巡回しておるのだ!」

「出張でその格好…」

「お姉様、見て!首元にキスマーク!」

「マーニ様!!」

「はいーっ!!」


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