第5小路 指導快楽
ドラキュラはサキュバス3人の相手をしている
その合間に訃報は届いた
(ミイラ男がやられた?なかなか骨のある冒険者…いや勇者か?)
暫時楽しんだあと、膝の上に頭を乗せその余韻に浸っていた
■■■■■■■■
膝枕…時々思い出す母の記憶
横向きの視界からゆっくりと目を閉じて
太腿の間の耳に違和感を感じてポジションを変える
収まりの良さ、香り、柔らかい肌の感触
よくわからないものが込み上げる
そのあと、急に不安になる
何か乗り物に乗っている。すごく楽しそうな子供の笑顔が
急に絶望に変わる。今まで見ていた景色がひっくり返り
轟音と共に体を衝撃が襲う
■■■■■■■■
「…ッハァ、ハァハァ…」
「伯爵様、大丈夫ですか?」
ゆっくり撫でていた手を止めて、膝枕の主が伯爵を覗き込む
「すごく気持ち良さそうに眠っておられましたのに、急に眉間に皺をお寄せになってうなされておりました」
「そうか…いい夢ではなかった気がする」
寝返りをうち、体の中心の窪みのピアスを舌でなぞりながら
「…ぁん…」
その音に反応して指が道なき道を進む
岩肌がピンク色の頂きにたどり着くと迷い込んだかのようにグルグル回りだす
「…ぁあーーん…ぁあ…」
頂きが大きく成長していくと大地が隆起、降下を波のように繰り返す
そして、突如現れたブラックホールにそのピンクは吸い込まれていく
吸血鬼中でもドラキュラは不死と言われ、150歳は超えていると昔の友達だというものから教えられるがあまり実感がない…ここ30年くらいの記憶はまだ鮮明だがその前の記憶にはモヤがかかっている。歯車が噛み合わない心地悪さを感じていた、
それでも、肉体的にも精神的にも他より優っているのを知るのは容易だった。魔法1つとっても頭2つ分くらい他より威力が大きかったし、自分が根城にしている場所、その一帯を治めるのは容易かった。だが、それ以上領土を拡大したいかと問われれば答えはNOだった。自分の目が届く範囲、それ以上は必要なかった、そう彼に会うまでは。
とてつもなく大きい魔力と統率力、支配力…どれをとっても敵わない。敗北感、劣等感ではなく尊敬、崇拝の念を抱いた。彼について行こうと、彼のために生きようと。
ナンバー2のによる解放感と同時に責務を全うすることの達成感が伯爵自身の成長を後押しする。
D6の統率、未開の地への遠征・侵略、他国との紛争から鎮圧まで全てドラキュラの功績である
魔族属国はほぼ制圧していた。
残りはエドガルとその周辺国
大昔に袂を分かつことになった人族の国々である
そこでの実行・指令はマーニが行うことになっていた。
その意図はわからなかったが何の不満もなかった
「あぁ…ドラキュラ伯爵…ああ…」
山頂から旅人差し指は窪みに戻り、そのまま南下する
大きな洞窟の前の石を刺激するとドンドン成長し
洞窟から水が溢れ出す
「…アァーーーそこは…アァンー」
旅人はその湧水に怯まず果敢に奥に向かう
しばし探索を続けたあと
その水を止めまいと大きな岩が洞窟に入っていく
洞窟と大きな岩が互いに同調し、時には交差する
水は一向に止まる気配がない
「…ン、アーー…ドラキュラーーッ」
水流は早くなり、より一層湧き出したかと思うと
岩は洞窟を塞ぐのを止め静かな時間が訪れた