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第4小路 伯爵合流

朝から練習場に行こうと思ったがあいにくの雨模様

「なぁ、サティス、どうしようか。この雨では行く気にもならんな」

「そうでございますね…」

2人で雨が降り続く城外を眺めていた

「マーニ様!」

「大神官か?どうした、こんな朝早くに」

「先日おっしゃっていた、魔法に長けているものを連れて参りました」

はち切れそうな白いシャツに短いスカート

紫色の長い髪のダークエルフが立っていた

「お初にお目にかかります、ナリアーノと申します」

「どの程度できるのだ?」

少し考えた後

「マーニ様、何かお困りごとはございますか?」

ナリアーノは笑顔で尋ねた

「そうだな、当面困っていることはないが…そうだ、今雨に困っている。城外に魔法の訓練に行きたいのだが、この雨ではどうもやる気が出なくて困っている」

「なるほどなるほど、それでは生態系のこともありますので午前中3、4時間ほどあたりの雨雲を除去いたします。

いくつか方法はあるのですが、比較的容易な方法をご覧いただきます」

ナリアーノは窓を開けて

「こちらの方角でよろしいですか?」

「構わん」

「わかりました」

空に向けて両手をかざす

青色魔法陣が幾つも雨雲に満遍なく広がり

それぞれの中央に雨雲が集まり水の塊となってその場に留まっている

空から太陽が顔を出して見事に晴れた

大神官さえも驚いている

「よくわかった、ナリアーノ。我々2人に魔法の手ほどきをお願いしたいのだが…」

「喜んでお受けいたします。が、ただというわけには行きませんので…」

ナリアーノの目が金貨になっている

「もちろん言い値で払おう」

「あと午前中のレッスンとさせていただいてよろしいでしょうか?午後は別の仕事が入っておりまして」

「それで構わない」

「かしこまりました。それでは今現在お二方の魔法を見せていただき、本日はオリエンテーションといたしましょう」

シュイーン



その日から午前中はナリアーノの指導、午後は2人で復習

という日が続いた



「今日で私の授業は終わりです。2人には今私が教えられることを全て教えました。マーニ様、特にあなたはもう私の想像を超越しています。」

「ナリアーノ、感謝する。この数日で魔法のなんたるかがわかった気がする。本当にありがとう」

「それではまた、どこかで!」

シュイーン



シュイーン

「お帰りなさいませ、マーニ様、サティスディーナ様」

「今日は飯の前に風呂に入りたい、出来ておるか?」

「はい、ご用意してございます」

「サティス!」

「は、はい!」

「背中を流してくれるか?」

サティスは顔を真っ赤にして

「か、かしこまりました」


大理石の風呂、外には露天風呂も

近くの源泉から引いている、天然温泉だ

「フーー、落ち着くなー。どうした?サティス」

「い、いえ、あのーちょっと明るくて…恥ずかしいです」

本当にサキュバスなのかと思うくらい控えめだ

「さぁ、背中を流してもらおう」

「は、はい」

背中を手拭いで流している

「今度はお前の体で流してくれるか?」

「は、はい」

少しずつ硬くなっていく2つの突起を背中に感じた

「では前も流してもらおう」

「はい…」

腕から丹念に隅々まで擦り合わせていく

脛から太腿に向かった頃

真ん中にそそり立つ塔を見つけた

2つのピンク色が塔の先端に衝突する

男の反応した顔を確認した後

イタズラな笑みを浮かべた

その2つの摩擦の間に柔らかい何がまとわりつく

(もう…限界だ)

女の状態を起こし激しく舌を絡める

そのまま対面座位へ

激しく時にはゆっくりと緩急をつけて

中の温もりを味わう

「あぁぁぁーーイクーーーっ」

彼女の喜鳴が響き渡る



サティスディーナは参謀となってから

多方面に偵察に行ったり

D6の各長と定期的に会議を開き

その実力を発揮している



魔法の鍛錬も終わって

1人になる時間が増えた。

昼間は退屈な日々を送っていた

王として謁見したり、書類の整理をしたり

夜はそれぞれの種族があの手この手でサティスディーナの地位を狙っているのは明らかだったが、単純に性行為を楽しんでいた



会議の合間にサティスディーナがマーニの前に現れた

「マーニ様、ついて来ていただきたい場所がございます」

「この退屈な日々から脱却できるのであろうな」

「多少なりとも刺激にはなるかと…」



【デスロックダンジョン地下5階】

シュイーン

転移魔法で現れた白いマントの男

それには金の糸による豪華な刺繍があしらわれ

いかにも高価で唯一無二の代物であることが窺える

白い手袋をした右手には紫の宝玉をコブラが咥えそそり立っている様子を表したいかにも伝統工芸と言わんばかりの杖を携えている

白いブーツ、白い手袋からは彼の一貫した潔癖症であることの象徴であることを意味している

顔ははっきりしないが余裕、王者の貫禄が存在そのものを物語っている

彼の周囲5mほどはエリア魔法により松明無しで歩けるほど十分な明かりが確保されている

「つまらん、つまらん、実につまらん。こんなカビ臭いところになぜ私が直々に出向かないといけないのか?サティスデイーナよ」

彼の影から現れたのは対照的に黒いマントを身につけてはいるが

妖艶、婀娜(アダ)をそのスタイル、露出の高いランジェリーによるものであることは大半間違いではないが、その語り口調、間など全てにおいて醸し出している。

「大変申し訳ございません。魔族界を統一していただくための第一歩でございます」

「私でなくとも代わりのものがことを成せば良かろう。」

「下のものを従えるのにはちょうどいい案件かと思いまして」

「この下の階におるのだな、彼は」

「はい、そのように聞いております」

行き止まりになっている広間にたどり着いた

「まるで管理者のいない観光地だな」

彼はあたりを見渡した

あちらこちらに空の瓶やら誰かが忘れていった武具や錆びついた剣などが落ちている。幸いナマモノなどはアンデッドたちが処理したのだろう、充満したガスや臭いはない。当然アイツらの残り香はあるが。

行き止まりの岩壁を杖で軽く叩いている

コンコン

コンコン

コンコン

コンカッ

カッカッ

カッコン

「ここだな」

音が変わったところに杖を当て魔力を送ると

宝玉が光り出した。

ボロッボロッボロボロボロッ

壁が崩れた

「私が壁を吹き飛ばしましょう」

「やめてくれ、ガサツなことは。埃が立ってかなわん。そんなことなら初めから吹き飛ばす。今はいかに埃を立てないようにこの壁を処理しようかと考えているんだから」

「申し訳ございません、マーニ様」

ガガガ…ガガガ…ガガ

「これで通れるか。先に進もう、こんなとこからは早くおさらばしたい」

先に進むと奥の方に少しあかりがともっている

仕立てのいい紅のスーツ姿。白いシャツは襟が短めで立てていて

右手でワイングラスをゆっくり回している

肩まで伸びる黒髪、赤い瞳片方だけ分け目から覗かせている

「伯爵様ー今日は私とお戯れになってくださいませー」

「そうだなーどうしようかなー」

「えー、今日は私でしょう?」

はべらせている3人のサキュバスに囲まれて上機嫌だ

「随分楽しそうだな、ドラキュラ伯爵」

「おいおい、入り口は封鎖して随分経つんだが。

招かれざる客人とは、何用だ。」

「私もこんなとこに来たくはない。ただこの辺りを取り仕切っているのが貴様だと聞いて、わざわざ挨拶に伺ったまでだ。」

「挨拶?」

パンッ

なんて軽い音、伯爵の頭が爆ぜたというのに。

「キャー」

サキュバスたちは腰を抜かすが

頭は再生していく

「随分な挨拶だな」

「交渉…あぁ交渉だ。挨拶ではなかったな。」

「交渉?」

「選択肢をやる。私に平伏するか抗うか」

「抗った場合…」

パンッ

ゆっくりと再生していく

この距離であんな攻撃をしてくるなんて

本気で戦って敵う相手ではないと悟った

「なるほどわかった。降伏しよう。

この私が支配している領土、魔物はすべて貴方のものだ」

「そうか、話が早くて助かる。では、ともに来てくれ」

「御意」

「ところでここの留守番はどうする?」

「ミイラ男に任せようと思っておりますが」

「ここに呼べるか?」


「マーニ様、ミイラ男にございます」

「マーニ様、お呼びーでしょうーか?」

「伯爵を同行させる。ここはお前が主人となって治めよ」

「仰せのー通りに」

「これを預けておく」

転生した時の次の模型のカケラを渡した

「大切に保管せよ。必要な時に呼び寄せる」

「かしーこまりました」

ミイラ男は立ち去った


「アイツの音を伸ばすところの規則性が見つからん。

気になってしょうがない」

「長い間一緒におりますが、同感です」

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