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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する  作者: 誠くん2F29
転校生編

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第9話 "セブンキングス"たる所以

「その余裕そうな顔を、崩してやるわ!」

(奥の手を隠してる場合じゃないわね…)


 メアはヘルトの隙を作ろうと、地面に向かって魔力を込めた剣を振った。

 すると、爆煙で周りが見えなくなってしまった。


「視覚を奪ってくるとは考えたね」

(魔力を溜めてる?また大技を使ってくるのかな?)



「ここよ!」


 メアは剣に溜めていた魔力を全開放する。それはメアの全魔力を代償に、どんなものでも燃やし、喰らい尽くす必殺技だった。


「【灼滅天龍(しゃくめつてんりゅう)!!】」


 大きく剣を振りかぶり上に向かって剣を振るう。

 するとそこから巨大な炎の龍が、天からヘルトを喰らい尽くそうと落ちててきた。

 周囲には凄まじい熱気が波紋し、辺り一面が焦土と化していた。


 メアからするとヘルトは、無防備に攻撃を受けたかの様に見えた。


「ハァ~ハァ〜、やれた…のかしら?」


 そんなメアの淡い期待は、あっさりと崩れることになった。


「良い威力の攻撃だね。でも、発動まで少し時間がかかり過ぎかな」


 剣を横に薙いで煙を吹き飛ばした。

 その結果、ダメージなどを負ってないことがあらわになった。

 ヘルトはメアの本気の必殺技を受けてもなお、何事もなかったかのように立っていた。


「ここまで壁が高かったのね…」

(ヘルトは異能解放すら使ってないのに…)


 メアは魔力を全部使い果たして、息が切れぎれな状態で言葉を捻り出した。


「メアにも伸び代はあると思うんだけどね」


 一般人なら、ここまで圧倒的な差を見せつけられたら挫折をするところだが、メアの心はまだ光ったままだった。


 それは約束のお陰か、もしくは、せい…なのか。


「最後にヘルトの本気を見せてくれないかしら?」


 この質問にはいつの間にか近くに戻って来ていたルナも、目を輝かせていた。


「セブンキングスの実力を、1回見ておくのも良いかもね」


 ヘルトが言葉を紡いだ瞬間、場の空気が支配された。


「じゃあいくよ!」「世界をこの手に、"権能解放"」


 瞳が煌々と輝いたのを皮切りに、世界が崩壊しだした。

 メアとルナの理解を超える量の魔力が場を支配し、満ち溢れていた。

 ヘルトを中心に重圧がかかっており、近くにあるものが全て潰れた様な錯覚を覚え、光さえも彼の前ではひれ伏していた。

 その異常性をメアとルナは肌で感じたせいで、指1本動かせず、呼吸すらも出来なかった。


「ふぅ〜。世界よ戻れ!」


 やがて世界は時間が巻き戻されたかのように、修復されていった。

 お陰でメアとルナは再び呼吸をすることが出来きた。


「どうだったかな、俺の"権能解放"は?」


「これが"権能解放"なのね…」

(やはり異能解放とじゃレベルが、格がまったく違う…)


「さすがですヘルト様!」

(ヘルト様に私の全てを支配されているような感覚があって最高///)


 メアとルナは"権能解放"のプレッシャーや圧力のせいで、自力では立てず、地に伏している状態だった。


「過度な負荷をかけ過ぎたようだね、信頼できる人がいる医務室に転送しておくよ」


「後は任せたよ、ルナ」


「はいこのメス……じゃなくてメア先輩のことは任せてください!」


「この子私への扱い、なんでこんなに悪いの!」


 "パチン" ヘルトの指を鳴らした音が、運動場に響きわたった。

 が、少し離れた場所で今の戦いを観戦している者がいた。


「まさかヘルトが"権能解放"を使うとわね」





 生徒数が膨大なスターダスト異能学園には、その生徒数に比例するようにけが人や、体調不良者が出ることも常だったので医務室の数もたくさんある。

 その中の1つの医務室にて、2人の少女が医務室担当の女性の先生に回復をしてもらっていた。


「身体の方は回復出来たけど、魔力の方は時間経過でしか回復出来ないからね」


「はい、分かってます」

(やっぱりヘルトが魔力を回復させてくれたことは、普通ではないのね)


 医務室の先生は女生徒2人がいきなりワープしてきたことに対し、最初は驚いていたがこんな芸当ができる人はこの世に1人しか居ないと分かっていたが、念の為聞くことにした。


「誰と戦ってあんな状態になっていたの?」


 メアが答えようとしたが、ルナが横から割って答えた。


「この先輩は、あのヘルト様と戦ってボロ負けしたんです」


 喋っている先生は妖艶な雰囲気を醸し出してした。   

 が、だんだん影がさしたような雰囲気に変わっていった。


「あら〜、今頃ヘルト君と戦おうとする人が居るなんてね」

「あの子が"セブンキングス"になってから戦おうとする人なんてまったく居なくかったのにね〜」

(やっぱりヘルト君のお客さんか…こんな可愛い子が2人も)(ヘルト君には"あの子"も居るのに…ライバルが多いわね……)

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