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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する  作者: 誠くん2F29
黒き福音編

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第86話 テスト後のエピローグ

「今回のテスト結果はどうだった?」


「単刀直入に言わせていただきますと、あまり芳しくありません。学園側で設定した最低ラインを少し上回ったぐらいです。セブンキングスは別格ですけど…」


 学園長室では、この場の主と小鳥遊先生が互いに苦い顔をする。

 テロ組織を無事に捕まえられたのは良かった。

 しかし、そんな事よりも生徒たちの成長の方が重要だ。


「皆がセブンキングスぐらい強くなってくれれば良いのに」


 そんな学園長の思いつきの発言に、小鳥遊先生はため息をつく。


「もうやめてくださいよ。そんなことが本当になったら、世界が滅ぶかうちの第1位が皆を消して世界を滅ぼすかのどちらかですよ」


 小鳥遊先生の意見には非常に同意する。

 そもそもこんなのは夢物語だ。

 それも、とびっきりの悪夢だ。


「ただの戯言だよ。わざわざ真に受けないでくれよ」


「あなたが言うと冗談が冗談に聞こえないんですよ」


 そんなに私の信用がないの?

 ちょっとショックかもしれない。


「まぁ、生徒の成長が今後の最優先課題だね」


「その通りです。子供は人類の宝ですから」


 この後も学園長室での話し合いは続いた。







 実技テストが終わって、全てのテストが終了を迎えた。

 後は結果を待つだけだが、一つ知りたいことがあった。

 それはもちろん黒き福音についてだ。


「秘密裏に処理したみたいだけど、噂の学園内にいた裏切り者はだれだったの?」


 いつもニコやかな日向の様子ではなく、いつになく真剣な様子だ。

 こんな姿は珍しい。


「なぜヘルトは今回風紀委員からの依頼を受けたの?そもそもヘルトでないといけない理由はあったの?」


 とんでもないスピードでまくし立ててくる日向。

 随分自分の中に謎を溜め込んでいたようだ。


 しかし、日向が突っかかってくるのに少し意外である。


 こういうのはメアの役割なのに。


「それは単純に俺の気が向いただけさ。でも実際相手は転移の使い手でね、俺が阻止していなかったら今回のテストは中止になったかもしれない可能性があったんだよ」


 窘めるような口調で言ってくるヘルト。

 思っていたよりも丁寧に説明してくれた。

 全てが本音ではないだろうが、大筋は本当のことを言っているみたい。

 今はこれだけで満足しないといけないようだ。


「それにしても、本当の中に嘘を混ぜるなんて詐欺師の常套手段じゃない」


 そんなことを言ってもヘルトはどこ吹く風というような感じだ。


 ヘルトはここで話題を変えてきた。

 あまりこの話を続けたくなかったようだ。


「それよりもメアはどうだった?一緒にテストを受ける流れになったみたいだけど」


 私とメアちゃんが一緒に居たことが分かるとはさすがだけど、私に聞いてくるんだ。

 本人に直接聞けばいいのに…。


「確かに強かったよ。今の序列からは絶対に上がるだろうね。それに伸び代もまだありそう。けど、何か光るものが足りないかな。いずれは埋もれていくだけの子に見えるよ、私は」


 今日思ったことを全て伝えた。

 本人には悪いが、公平な目で見るとこのような評価になってしまう。

 メアちゃんが弱いのではなく、この学園には強者が集まりすぎているだけ。


「さすが日向、人を見る目があるね。俺も概ね同じ評価だよ。でも、メアのこれからを見たくなったんだよ」


「それであの子が埋もれたり、潰れたりしたらどうするの?」



 ヘルトは割り切った性格をしているが、ここまで肩入れしているメアちゃんをどこまでカバーしていくのだろうか。

 初めての弟子であるあの子はもう独り立ちして立派になっているが、あそこまではしてあげないだろうけど。


「う〜ん…。まぁ、成長を続ける限りは面倒を見ようかな。メアは完全に尖ってると思うんだ、ゴミにも星にもなれる可能性を持ってるからね」


 ゴミにも星にも……か。


 メアちゃんを間近で見てもそんな気はしなかった。

 視点や考え方が違うから仕方ないことだけど。

 けれど、ヘルトには実績がある。

 氷上詩乃…ヘルトの弟子で、いきなりセブンキングスとなった異端児。

 という圧倒的なものが。

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