第80話 黒き福音初の大ピンチ
ここはおそらくダンジョンの中ではなく、金色が作った空間だろう。
ということは、 その気になれば一瞬でこちらを屠れることが想像できる。
しかし、そんなつまらない事はしないと思うから、リリアンをフィルターで隠して固定砲台のように使う。
彼女が得意な魔法は超大規模な破壊魔法だ。
彼女が本気を出せば、この星の形を変えられるほどの威力の魔法を持っている。
しかも、異能と並列することで火力が+αで上がっていく。
高貴な育ちである彼女には、自身の敵を消すためにはピッタリだった。
我らは、このリリアンの溜めの時間を稼がなければならない。
それを理解して、ブルーノはその体格を活かして壁のようになりながら拳を振るう。
その状態で拳だけでなく、異能で全身を硬化させる。
そんなブルーノに向けて、先程放たれたものと同じものが飛んできた。
その白い光は硬化している体をすり抜けた。
その途端、ブルーノは膝をついた。
衝撃的な光景だが、それに怯まずアスパーはレイピアを高速で何度も突き出す。
彼の異能は自身が握っている全ての物の貫通力を100倍にする、というものだ。
この異能のおかげで、数多の金庫やバリアを破ってきた。
これには金色も避けないといけないはずだ。
結果は、ドンピシャでドミナスの予想は当たった。
実際、ヘルトは危険性を感じたのか斜めの方向に下がった。
しかしそれだけでなく、巨大な氷の塊をこちらに飛ばしてきた。
これを避けると、後ろで倒れているブルーノに当たってしまう。
「(まったく……手のかかる奴だよ)」
巨大な氷塊を超越転移で、逆に金色の頭上へと移す。
機転の効いた良い策だ思ったが、全色は動じておらず、落ちてくる氷塊を見上げているだけだった。
「これは俺の魔力で作ったものだよ。それで俺を害そうなどと考えない方がいいよ」
そういって指を鳴らし、氷は瞬時に分解され、粉々になって降り注いだ。
金色に氷の粒が降り注ぐ姿は、憎たらしいほど様になっている。
こんな時にもアスパーは突く腕を止めない。
しかし、その悉くが避けられてしまっている。
そこで自分も正面から参戦しようと思ったが、効果的ではない気がした。
自分は金色に対しての有効打がない。
業腹だが、ここはサポートに徹しよう。
魔力に色を付け、金色の周りを覆う。
腕を振っただけで壊されたが、一瞬でも視界を遮れただけで十分だ。
自分とアスパーを転移させて、挟むような形にする。
腕に莫大な魔力を纏わせて、自分の方に注意を割かせる。
これで後ろのアスパーより、自分の方が脅威に感じてくれるはずだ。
すると、ヘルトはため息混じりで言った。
「…作戦があまりにも幼稚すぎる。やっぱりお前はそんな格好をしても変わらないな…。【炎葬花】」
この魔法は以前にも使用したが、見た目がキレイなので意外と気に入っている。
目の前のコイツが耐えられるであろうギリギリの魔力を込める。
そして、真っ赤な花が咲く。
この魔法を知っているドミナスは避けることを試みるが、気付くのが少し遅れた。
そのせいでもろに被弾してしまった。
しかもその余波で空間が揺れ、ダンジョンをも揺れた。
全身に鈍痛が走る。
あまりの痛みに意識を手放しそうになるが、必死に堪える。
力を振り絞ってアスパーの方を見ると、力なく倒れている姿が目に入る。
どうやら先程の攻撃に耐えられなかったようだ。
ヘルトは冷たい視線をリリアンに向けている。
しかも瞳が金色の名に相応しく、輝いている。
「まずいこれじゃ!」
やはりフィルターだけでは、あいつの目を誤魔化せなかったようだ。
そして、へルトは火球を生み出した。
最初は手の平サイズだったものが、 徐々にこの階層を覆い尽くさんほどのサイズになっていった。
※黒き福音のメンバーたちは、簡単にヘルトにやられていますが、きちんと強いです。
その証拠に、ヘルトが相手の攻撃を避けています。
これは非常に稀なことです!
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