第8話 ヘルト(変身?を後2つ残している) VS アメリカ1位
「どうだルナ、良い経験になったでしょ」
「はい、でも悔しいです…」
(あの女、ヘルト様と仲良さそうだったから、ボコボコにしたかったのに…)
ルナは本気で落ち込んでおり、周囲の気温が2℃ほど
下がっている様に感じられるほどだった。
しかし、ヘルトは逆に「(涼しいな)」と、喜ぶというズレた感想を抱いていた。
「じゃあ、次は俺と戦おうか」
「ようやくヘルトと、戦えるのね」
メアはヘルトと戦えることが待ち遠しくて、剣を振り回してアップをしていた。
その姿はとてもキレイで、ヘルトは自分の中でのメアの評価を上方修正した。
「先輩、ヘルト様と戦うって、正気ですか?ヘルト様を誰だと思っているんですか」
「えっ?凄腕の魔法使いってことしか、知らないわよ」
ルナはメアの、返答にすごく呆れた反応をしていた。
ヘルトはこの反応が面白くて、思わず笑いそうになっていた。
「凄腕?そんなレベルでは無いですよ!」
「ヘルト様はあの、セブンキングス序列3位金色の魔王ですよ!!」
「えっ?」(ポカーン)
メアは、突然の爆弾発言に、頭がオーバーヒートを起こしていた。
その様子を見て、先程我慢出来ていた笑いが溢れ出てきてしまい、軽く吹き出していた。
「メアの反応面白いね」
「はい。すごく滑稽な顔をしています」
ヘルトとルナにバカにされて、ようやく気を取り戻した。
しかし、頭の中を整理することができ、衝撃的な事実を呑み込むことが出来た。
「誰が滑稽よ!」
(名前を聞いたことが、あると思っていたけどまさか、"セブンキングス"とわね…)
「だからクラスでセブンキングスになるって言った時、みんながヘルトのことを見てたり、模擬戦の授業で、1人で突っ立っていたりしていたわけね」
心の中で上手く合点がいった結果、メアの心に詰まっていたわだかまりが、溶けたような感覚があった。
「ヘルト様が、"セブンキングス"と、知ってもなお、戦おうと思うんですか?」
「もちろんよ!ヘルトが"セブンキングス"なら、いずれ超えなきゃいけない壁だから」
メアが声高らからに叫んでいるのを、ルナは無謀だと思っているが、ヘルト自身は案外こういう真っ直ぐな志し自体は好きだった。
「良い心意気だね。じゃあその、心意気に免じて魔力を回復させてあげよう」
メアの周囲がヘルトの魔力で満ちていて、とても幻想的な雰囲気を出していた。
(ルナはメアを、羨ましそうに見ていた)
「ありがとう。これで本気で戦えそうだわ」
初めての感覚を体に馴染ませるために、手を開閉しているメアだった。
しかし、不快感などはまったく感じておらず、逆に心地がとても良かった。
「じゃあルナ、審判頼むよ」
「はい。そんな女ボコボコに、しちゃってください!」
「ちょっと酷くない!?」
ヘルトとメアは互いに距離をとって、メアの方は剣に魔力を溜めていた。
それのせいで、先程まで下がっていた周囲の温度が次第に元に戻り、そして気温はそのまま上がり続けていた。
「本気でかかってきてね」
「言われなくても、本気を出すわよ」
(余裕感がにじみ出てて、ちょっとイラつくわね)
舐められていることに腹が立ったので、魔力の込める速度を急ピッチで進めた。
そして、メアが魔力を剣に込め終わった時、ルナの開始の合図がでた。
「よ〜いスタート!」
「最初から飛ばさせて貰うわよ!」
「異能解放!!」
メアから、大量のオーラが迸っている中、ヘルトは魔法で剣を生成していた。
そして、その剣は何処にでもありそうな普通の片手剣だった。
「魔法使いが剣、とは私のことを舐めてるのかしら」
「メアが剣を使っているから、それに合わせているだけだよ」
ヘルトの本領はもちろん魔法なのだが、剣術の方も我流だがある程度は修めていた。
そのため、俗に言う"舐めプ"とは言えないほどの実力が剣でもあった。
「じゃあ力押しで、行かせてもらうわ!」
メアは剣の刀身に炎を纏わせて、ヘルトに向かって超加速をする。
すると、メアの足元の地面が吹き飛んだ。
それに対してヘルトは、余裕な笑みを携えて、剣でメアごと弾き返した。
「あなたこの前、身体を動かすのが苦手とか言ってなかったっけ!?」
「さすがに戦う時ぐらいは、身体強化を使うさ」
この時メアはあまりのヘルトのパワーに、腕が痺れて軽く痙攣していた。
「今度はこっちから行くよ!」
ヘルトは足に魔力を集中させて、お返しと言うばかりにメアに接近した。
ヘルトの攻撃に、メアは動きをかろうじて捉えれれていた。
そのままヘルトに向かって、ルナの時にも使用した、大技を繰り出す。
「【煉獄閃!】」
メアの剣から、大量の炎が飛び出し、ヘルトを剣ごと燃やし尽くそうとしたが、あっさり剣でかき消されてしまった。
メアは、大技を消されたのにまるで、予定調和のように落ち着いたまま、次の大技を使った。
「【焔天渦巻!】」
剣から放出された焔が、渦巻き状にとぐろを巻いて、ヘルトに襲いかかった。
が、ヘルトは先程メアが使っていた大技を、即興でコピーして相殺してみせた。
「危ないな 【煉獄閃】」
メアの【焔天渦巻】と、ヘルトの【煉獄閃】が、お互いに作用しあってその場には、爆風が吹き荒れた。
その結果、ルナは後方に吹き飛ばされされてしまったが、当事者の2人の場所は台風の目のようになったので、あまり影響を受けていなかった。
「ちょっとさすがに、やってることむちゃくちゃじゃない!?」
(私がその技を使えるようになるのに、何年かかったと思っているのよ!)
「相手が俺なんだから、今更でしょ」
その言葉には、ヘルトの自信と矜持が現れていた。
(バトルシーン難しい…)←作者の悲痛な叫び
もし、「面白い!」「続きが気になる!」「応援してやっても良いんだからね♡」という方は、是非とも評価、ブックマークをお願いします!