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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)  作者: 誠くん2F29
黒き福音編

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第78話 役割分担

 私はホクホクした顔で味気ない道を進む。

 なぜこんなに上機嫌かというと、先程きれいに【連結爆破】が成功したからだ。

 これで再びあいつらが出てきても、処理できる。


 あのまま時間だけをくわれて、踏破に時間がかかってしまうとヘルトに顔向けが出来なくなる。

 これからはギアを上げていこ……


 意気揚々と歩いていると、下の方から"ゴゴゴ"と音が鳴っている。

 それと同時にダンジョン内が大きく揺れた。

 震度で表すとすると、5弱ぐらいはあるだろうか?

 私の生まれ育った場所では、地震など滅多に起こることはないので細くは分からないが、肌感では妥当だと思う。


「この音と揺れは何?ダンジョンではよくあることなの?」


 もしかしたら、こんな出来事は日常茶飯時なのだろうか?

 そうなのだとしたら、かなり怖いのだが…。



「ん〜いや、全然そんなことないよ。多分下層で相当激しい戦いをしてるんじゃない?」


 しかもかなり深くから音を感じた。

 この時間にこんな場所に居るとは、すごい速度で潜ったことが分かる。

 せっかちな人同士が鉢合ったのかな?


 冗談は置いておいて、大きな魔力の波動を感じた。


 私は学園から何も聞かされていない。

 これは予定調和なのだろうか?

 不測の事態なら動かないといけないが、今はこの子の限界を見てみたい。

 まぁ、ヘルトがメアちゃんを側に置いてる理由は分からないけどね〜。


「どうなってるか理解できないけど、このまま進みましょうよ」


「そうだね〜。なんかきな臭い気がするけどな〜」



 揺れは一旦収まったが、時々不定期に揺れることがある。

 それに影響されたのか、魔物の発生量も減っている気がする。


 私はそんな状態のまま魔物を斬り続ける…。






 ※時間軸を少し遡る


 最下層は明かりがないので非常に暗くて、夜目が利かない人は何も見えないだろう。

 まぁ、そんな奴はメンバーにはいないが。


 さっきから探索を続けているが収穫がない。

 魔法的な隠蔽をしてるんだろうが、手がかりすら掴めない。


 よほど高度な魔法を使っていることが窺える。


「リリアン、隠蔽魔法を突破できそうか?」


 リリアンとはあの日、冷静に大男を諭した気品のある女性だ。

 彼女は魔法のエキスパートである魔法使いだ。

 この手の事は彼女の専門分野である。


「私よりも格上の魔法使いが魔法を行使したことだけは分かりましてよ。それが口惜しくてなりませんわ。しかも、糸口だけこちらに気づかせるように、わざと露骨なヒントも残されてますわ」


 リリアンは内心苛立ちを感じながら答える。


 彼女からしたら、バカにされているように感じるだろう。

 でも、相手が奴なのでもはや諦めるしかない。


「そのヒントはもうすぐ分かりそうですから、もう少しお待ちください」


「あぁ、分かった。こちらもできる限り調査をしてみる」


 魔法的な方面だけでなく、物理的にも調査を試みることにする。

 何度壁や床を見ても、しみったれた壁や床があるだけだ。


 直に触ってみる。


 感触は至って普通だ。

 軽く殴ってみても反応は無い。

 壁や床に仕掛けは無いようだ。


 今度は転移魔法をあちらこちらで発動させようとしてみる。

 すると、前回のように阻害されて終わりだった。


「ヒントが解けました」


 調査を始めてから10分ほどでリリアンがヒントを解読出来たようだ。

 恥ずかしながらそのヒントにすら気付けなかったが、自分はバトルメインだ。

 この手の事は任せるのみ。


「どうやら、そこに隠し扉があるみたいですわ。ほんのりですが、異質な魔力を感じました」


 リリアンが指をさしている場所は、何の変哲もない壁だった。

 しかし彼女曰く、その場所に隠し扉があるようだ。


 状況を整理すると、ヒントとは隠し扉の場所に魔力を少しだけ残しておいた、ということだろう。


「ボス、この場所に魔力をぶつけてくださいませ」


 隠し扉のある場所に魔力をぶつければ良いそうだ。

 その見えない壁を壊さないように、手加減をしてから魔力を拳から放つ。

 すると、なんともふざけた扉が姿を現した。

 この扉は事前に学園から言われていた、秘密の部屋へと通じる扉のはずだ。


 なのに、その扉は変にライトアップされており、表札の場所に変な文言が書いてある。

 それは〈序列3位である金色の魔王の好きな料理は?〉と、妙にデコられて書いてある。

 その下には、ご丁寧にキーボードまで設置されている。


「こんなの分かる訳ないだろうが!」


 メンバーで唯一の大男、ブルーノが激昂する。


 それは当たり前だろう。

 セブンキングスの好きな食べ物など、この場の者が知ってるはずもない…。


「いや、私なら分かる」


 ボスのドミナスが前に出て言った。

 その申し出に、メンバーの面々はひどく困惑していた。

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