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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)  作者: 誠くん2F29
黒き福音編

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第76話 妨害とドミナスの心境

 ここはダンジョンの最深部である。

 これまでの道のりは非常に簡単だった。


 なぜなら、どの魔物も弱すぎるからだ。

 そこに違和間を覚えた。


 一瞬なにかしらの罠にかかっているのでは?と、勘繰ったりもしたのだが、結果は何もなかった。

 あまりにも呆気ない。


 これなら、自分の近くに転移させられた生徒を、学園に見つからずに昏倒させる方が手間だった。


「この場所なら呼びだしても問題はあるまい」


 異能と並列して、魔法を放つ。


【超越転移】


 この空間とアジトを繋げる。

 本来は超越転移を使うには、莫大な魔力を消費する。

 さらに今回は、うちのメンバー全員を転移させるので、さらに消費する。

 しかし、自分の異能の効果で転移系の魔法なら、どんなに大規漠のものでも、消費魔力を0にできる。


  大規漠な魔法なので少々時間がかかったが、ようやくメンバーがこの場に集まる。



 空間に亀裂が入り、まずは幹部が姿を表して、続々と頭を垂れる。


 次に一般のメンバーがやってきて頭を垂れる…はずだった。

 おかしい。


 血の気が一気に引き、世界の音が遠のいた。

 

 超越転移ならこのダンジョン内であろうとも、使えるはずだ。

 超越転移とは名の通り、他の転移魔法とは一線を画したものである。

 この魔法を遮ることは絶対にできない……はずだった。


「カル坊、少しの間でいいから強めの結界を張ってくれたまえ」


「分かりました!」


 ドミナスがカル坊と呼んだ少年は血色が悪く、みすぼらしい服を着ている。

 しかし、それと正反対に声には活気がこもっている。

 彼は育ちが少し特殊なのだ。


 その子が異能を振り絞り、最高傑作の結界を展開する。



 白い光が円を描き、瞬く間に壁となる。

 そして、外界と断絶される。

 

 これで安心して調査ができる。


 そもそも超越転移は、転移妨害を突破できるはずだ。

 実際、第3位は前回使っていたではないか。

 それはしかと、この目で確認した。


 調査をしなければ、作戦が瓦解してしまう。


 辺りを調査していると、原因はすぐに分かった。

 結界の外には特殊なジャミング波が流されている。

 そのせいで、一定以上の強さをもった者でないと、超越転移でも呼びだせれないようた。



 こんな悪趣味な事をしてくるのは奴だけだ。


 おそらくこの最深部で待ち構えているのだろう。


 いくらお前だろうとも、私たちの邪魔をするなら消させてもらう。


「カル坊ありがとう。疲れただろう、もう解除してもいい」


「…ハァハァ…いえ、問題ありません」



 明らかに疲れた様子で異能を解除している。


 カル坊にこうやって全力で結界を張ってもらわないと、逆探知される可能性がある。

 こういう場面ではカル坊の異能は非常に有能だ。


「皆のもの、これから先は今まで経験した中で、最も過酷な戦になるだろう。しかし、我々なら乗り越えられるはずだ!」


「はい!」


 皆の心が一つとなった。

 一般のメンバーはいないが、ここには幹部が揃っている。

 総戦力的にはあまり変わらないので、持てる全てを使って戦うまでである。


 ドミナスは心境を幹部に悟られないように気を配って、鼓舞した。



 黒き福音とは、元々ボスであるドミナスが好き放題暴れていた頃、その自由さに憧れた者たちが勝手に作ったものだった。

 そこに勧誘されて、渋々入ったものだった。


 入ってみると、意外にも楽しかった。

 メンバーは俺がしたいことに着いてきてくれた。

 だから、弱小国の重要拠点を襲ったり、病院にカチコミにも行った。


 けれど、マイナスな面もあった。

 それは慕われすぎて、どこか神格化されているような気がする。

 そのせいで、彼らと接する時に大仰な姿勢を見せないといけない、という縛りができた。

 縛り、というと語弊が生まれるが、そういう空気が充満していたのは事実だった。


 


 ここで失うのは惜しい者たちだが、相手が相手なのでそうは言ってられない。


「(今日が年貢の納め時かな…。うわ〜、でもアイツに負けたくねぇ〜)」


 結果は見えていたとしても、それで諦めていては面白くない。

 細い勝機をたぐり寄せるための、決心を固めた。

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