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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)  作者: 誠くん2F29
黒き福音編

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第74話 サンドバッグ

 私が近づいたら、ボスも合わせて一歩踏み出した。

 そして、鋭い爪が生えている前足を振るってくる。

 動物ではありえない速度で、前足が迫ってくる。


 さすがこの場所のボスの魔物なだけある。

 しかし、今まで戦ってきた中にはキリカやイザベルがいる。

 そんな人たちと比べると、あまりにも遅すきる。


 これなら、逆にこちらから合わせに行く。

 前足が振るわれる軌道上から逸れて、異能の炎を纏わせた剣で叩き斬る。


 すると、狼のケルベロスは大きい鳴き声をあげて怯む。

 こうなれば明確な隙が生まれる。

 そして、とりあえず真ん中の頭を狙う。

 

 いろんな技を使ってみたいが、ボスの強さがまだイマイチ分からないので、小手調べとして使い慣れた技を使うことにする。


「【煉獄閃】」


 研ぎ澄まされた一閃をくり出す。

 ついに音すらも過ぎ去って、狼のケルベロスの頭へと到達した。


ーーすると、頭部から血が吹き出した。


 普通は煉獄に焼かれて、血など蒸発して吹き出しはしないのだが、よく分からない状態になっている。

 このダンジョンの魔物は特殊なのだろうか?


 ボスについて考察していると、狼のケルベロスが後ろに倒れた。

 思っていたより呆気なく倒れたことに、驚きが隠せない。


「えっ、弱くない?」


 本音がポロッと出てしまったが、正直期待外れだ。

 私はまだ戦っていたかったのに…。


 落胆していた時に、急にこの場に変化が起きた。


 溢れんばかりの月光が一点に収束し、ケルベロスの体をさらに輝かせた。

 あまりの眩しさに目を瞑ってしまう。

 それから目を開けると、ケルベロスの頭から煙が出ている。

 徐々にその煙は収まっていき、姿を現した。 


「おっ、これは第2形態というやつかな?それにしては変化が少ないけどね〜」   

  

 日向がそんな感想を抱くぐらいには変化が乏しい。

 体が少し大きくなって、目の部分が怖くなっているぐらいの変化しかない。


 しかし、それぐらいの変化しかなくとも、サンドバッグがまた起き上がってくれたと思うと、かなり嬉しい。

 これからは私の舞台だ!


 実際に使って感触を確かめたいものが沢山ある。


「(メアちゃん口角上がってるね〜。鬱憤でも溜まってのかな?)」


 そう思っていると、メアが軽やかな動きで走り出した。

 先程までは剣のみに炎を纏わせていたが、その身体にも炎を纏わせている。


 どうやら私が想定していたよりは、異能を自分のものに出来ていたようだ。


 メアは華麗に飛んでから、刺すように突貫した。


 これには狼頭のケルベロスもちろん反撃を試みた。

 

 全ての頭が口を大きく開け、エネルギーを圧縮した。

 それが限界まで溜められると、メアに向けて勢いよく放たれた。

 音を置き去りにして放たれたそのビームは、一瞬でメアの元まで到達した。


 それにメアは何の反応も示さなかった。

 それどころか、自ら突っ込んでいるようにも見える。


「(ガードしないってことは、何か秘策があるってことだよね?まぁ、想像つくけど)」


 日向の予想は的中した。

 放たれたビームは、メアが纏っていた炎に触れた瞬間、まるで炎に食べられてるかのように消えていった。

 一般人には、相当奇妙に映るだろう。




 そのままメアは、ボスにむけて温存してきた大技を放つ。


絶華鳥砲フェニックスノヴァ


 自らを包んでいた炎をさらに拡張させて、不死鳥の姿をかたどっている。

 その不死鳥の姿で、口とも呼べる場所から大きな火球を生み出した。


 その火球は太陽と見紛うほどの、熱量と明るさがある。

 その火球から、極太の熱線が放たれた。


 すると、ボスの狼頭のケルベロスは、悲鳴一つあげることができず、蒸発していった。


「(ふぅ〜、ちょっとまだ足りない…。でも、これから出てくる敵に期待しようかな)」


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