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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)  作者: 誠くん2F29
黒き福音編

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第68話 一抹の不安

「そして、ダンジョンの出口は複数あって、そこで待ち受けているものは、出口によって異なります。細かいルールは秘匿されていますが、出口によっても難易度が異なるため、運も試されるようなものになっています」


 ここまで聞くとさすがに皆、今回の実技テストの趣旨がわかってきた。


 以前にもこのようなテストがあった。

 その時は、スタートした瞬間に全員がランダムな場所に強制転移させられた。

 周囲には名前も知らない同級生が複数おり、その人たちと協力することになった。

 しかし、どの人も一癖二癖あり、連携などとれる状況じゃなくて、逆に大変であった。


「1時間後から筆記の方があるので、そちらをできれば優先して欲しいのですが、この学園ではあまり重要ではありませんからね…。ですから、勉強をしてる人の邪魔をしちゃ駄目ですよ」


 静香先生が警告を発したが、モチベーションの高いクラスメイトの中には、もう作戦を友人間で話し始めている。

 ここは普通の学園ではなく、異能学園なので、基本は皆戦闘狂である。

 これは先生のちょっとした、悩みの種である。


「(担任としては、筆記の方にも力を入れて欲しいな…)」


 その悩みは教室の雰囲気を見ると、まったく変わりそうにない。





「ねぇヘルト。ダンジョンってもしかして、学年交流会でも使ったあのゲートを使うの?」


「そうだよ。ダンジョンは各地に実在するけど、基本は政府が管理してるからね。だから、あのゲートで構造を自由に変えて生み出すんだ」


「まぁそうよね。私の母国でもダンジョンはあったけど、異能省からの任務で数回入った程度で、テストで使えるようなものでもないしね」


 自分がダンジョンに潜った時は、特別な鉱物資源を採取をしている人の護衛だった。

 ダンジョン内では、モンスターと呼ばれる魔力を帯びている危険な動物が出現する。

 そのモンスターは凶暴で、ダンジョンの外には出てこないが、その内部でダンジョンから生まれないものを排除しようとする性質をもつ。

 だから、私が所属していた異能省が護衛係として、召集されることが稀にあった。



「本来のダンジョンは何百階層と続く巨大迷宮だが、学園で用いられるものは、そこまで深くないから安心して良いよ」


「実はそれが一番気になっていたのよね。相手の強さより、何階層あるのか、という方が重要なのよね。タイムアタックになることが決まっているから、やっぱり時間が大事よね」


 前回潜った時は、仕事で来ただけなので、何も感じなかったが、今はワクワクしている。

 モンスターはシンプルにサイズがデカい。

 だから、いいサンドバッグになる。


 実際に技を放てる機会は滅多にない。


 この前特訓でイザベルと戦ったが、あの場では慣れない技を使うほど余裕は無かった。


「おいおい、お前等も作戦会議か?」


 張り詰めかけていた雰囲気に、おちゃらけた奴が割り込んできた。

 さっきまでは、先生の話を聞き流しながら内職をしていたのに、今となっては騒がしくなっている。


「俺は筆記は大丈夫だからね。メアの方は大丈夫なの?」


「えっ、それは……」


 メアは分かりやすく狼狽えはじめた。


 よっぽど筆記の自信がないのだろうか?


 そんなメアを、すかさず渡がなだめる


「大丈夫に決まってるだろ。メアちゃんなら実技の方で、いくらでも取りかえせるって。さすがに点数が一桁とかではない限りはね」



 そ、そうよね。

 私は頭を使うより、体を使う方が得意だ。

 だから、そこでカバーしよう。


「はぁ〜、それなら良かった。それじゃあ実技テストを全力でがんばるぞ!」

 

 前に在籍していた学国では特待生なので、筆記は免除されていた。

 (年齢が全然違うので、それは当然である)


 そのせいで、勉学を学ぶ機会が少なく、苦手意識が完全にできていた。

 しかし、この学園でなら、そんな心配をしなくていい。

 それは個人的にとても助かる。


 昔のことを考えていると、ふと懐かしくなった。

 今となっては、良い思い出になっている。


「(あの頃は仕事で忙しかったけど、皆と過ごす時間も悪くなかったわね)」

※次話は番外編として、以前メアが在籍していた異能学園での、一幕をお送りいたします。

それから、実技テスト本番が始まります。


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