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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)  作者: 誠くん2F29
黒き福音編

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第51話 キャップ萌え

 お世話係になった私の朝は早い。

 まず仕事のためにヘルトが起きる30分前に起きる。

 ヘルトは毎朝6時に起きているので、起きる時間にはまだ外は暗い。


 普段の私は7時に起床するので、生活リズムを頑張って変えている。


 ヘルトは起きると紅茶を飲むルーティーンがある。

 その紅茶を淹れてほしいと頼まれている。

 なので、諸々の準備の為に早く起きている。


 紅茶を淹れるにはお湯を沸かしたり、蒸らしたりるすために時間がかかる。


 ヘルトお気に入りの紅茶を蒸らしていると、アラームの音が部屋に響いた。

 しかし、なかなかヘルトが起きてこない。


「もう、しょうがないわね」


 リビングから寝ているヘルトの隣にまで寄る。

 タイマーが鳴り続いているのに、起きないヘルトの表情を覗き見る。


 いつもは薄ら笑みを携えて、スカしているのに今は雰囲気がまったく違う。

 新鮮というか、自分でもよくわから気持ちだ。

 ヘルトは顔立ちはかっこいい系だったはずだが、なぜだか可愛く見えてきてしまう。

 これがいわゆるギャップ萌えというものだろうか?

 ただの出来心で、未だスヤスヤ寝ているヘルトの頭を撫でようと手を伸ばした。


「なにをしているんだい?嫌な予感がすると思ったら、メアには寝込みを襲う趣味でもあったのかい?」


「…そそそ、それはただの誤解で、ヘルトを起こそうとしただけなのよ!」


 タイミングの悪い時に起きられてしまった。

 そうだ、私はヘルトの頭を撫でたいんじゃなくて、ただ起こしたかっただけなのよ。

 だから、不純な動機なんてものは一切ない。

 そう、一切ないのよ私には。


「本当に?まぁでも、メアの言っていることを信じよう」


「そう言ってくれるとありがたいわ。じゃあ紅茶を淹れているから飲んでみて」


 ヘルトがゆっくりと体を起こし、目をこすりながらリビングに向かう。

 机にはティーカップを2つ置いていて、既に紅茶を注いである。

 私もヘルトに続いて机の席に座った。


「普段紅茶は淹れたことないのだけれど、ヘルトの見様見真似でやってみたのよ」


「それは楽しみだね。さっそく飲んでみよう」


 匂いは自分が作った時とはなんら変わりない。

 しかし、味の方は雑味が混じっていて、慣れてないのが分かる。


「味はどうかしら?」


「…お世辞にも美味しいとは言えないかな。でも、初めてなら上出来だね」


 私も一口飲んでみる。

 確かに飲めない程ではないが、美味しくはない。


「これからも練習して上手くなってみせるわ!」


「そう、その意気だよ」




 この後は学校に行くための準備を始めた。

 私の準備は前日に終わらせているが、ヘルトの準備は終わっていない。

 ヘルトは魔法で何でも出せるので、準備など要らないのだが、制服などは必要だ。

 なので、ヘルトのクローゼットから制服一式を取り出し、並べて置いておくのも私の新しい仕事である。


「ここに置いておいたから、ちゃんと着てよね」


「分かったよ。ありがとうね」



 大変な仕事だと思っていたけれど、ヘルトに感謝されると嬉しさと達成感がある。

 意外と悪い仕事ではないかもしれない…。



 私は着替えを終えて、学園に向かった。

 ヘルトはまだしたいことがあるらしいので、私だけで学園に行くことになった。



「(ヘルトは部屋でなにをしているのかしら?)」


 いつもは2人で学園に行っているので、少し新鮮に感じる。


 朝の空気はまだ少し眠たげで、空はやわらかな青に薄い雲が浮かんでいる。

 ほんわかとした気持ちで道を歩いていると、前方に見覚えのある背中があった。


「あの子って橋本さん…よね?」


 学年交流会でヘルトに魔力をもらっていた子だ。

 学園ではなかなか出会えなかったが、やっと出会えた。


 一度ちゃんと話してみたかったので、僥倖だった。


「あの…橋本さん」


 後ろから近づいて、声をかけた。


「…っ!」


 驚かせるつもりは無かったのに、すごく驚かれてしまった。

 しかし、私の顔を見ると橋本さんも落ち着きを取り戻していった。

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