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異能使いの魔王は学園を好き放題に蹂躙する (旧題 : 金色の魔王(魔法の王)は微笑む)  作者: 誠くん2F29
黒き福音編

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第49話 少し時間を遡る

 【メアリー・ アウローラ】


 彼女の過去はとある情報屋から仕入れた。

 情報屋の人格はともかく、その情報は信頼できるので、おそらく正しいだろう。


 その情報によると、彼女の幼少期は至って普通であった。

 同年代の子よりかは早く異能が発現したとしても、俺含めて他のセブンキングスは産まれてすぐに異能が発現していた。

 なので、普通の枠にカテゴライズして良いだろう。


 それからナタリー・ベネットと出会い、仲を深めていった。

 メアの幸せな日々はある日崩れ去った。

 異能の制御を誤って、ナタリーに大怪我を負わせてしまったらしい。

 一命は取り留めたらしいが、さらなる不幸に見舞われた。

 どうやら有名なテロ組織に病院が襲われてしまったようだが、それは防備の薄い病院側も明らか悪いだろう。


 そしてナタリーの治療を代償に、アメリカの国家機関である異能省に入ることになった、という訳らしい。


 よく友達のためにここまで出来るよ。

 俺には絶対出来ないだろうね。

 まぁ、する気もないけど。


 どうやらメアはナタリー関係のことで、とんでもない状態に立たされているようだ。

 いつもの俺なら「ふ〜ん、そうなんだ」で終わるところだが、メアに関しては事情が少し異なる。


 この前の学年交流会での1件のせいだ。

 こんなことは言いたくないが、正直かなり驚いた。

 強さに驚いたのではなく、成長速度に驚いた。

 俺が魔力を渡した優奈のバリアにヒビを入れていせた。

 出会った頃のメアでは到底無理なことをあの場でやって見せた。


 このままこちらから干渉するのは面倒いと感じていたが、退学する可能性があるのなら、干渉せざるおえない。

 そうしないと俺の計画が狂ってしまう。

 すると、楽しみも自ずと減ってしまう。


 そんなことは自分が望んでいない。

 しかし、干渉するためには理由がいる。

 素直に心情を全て語るのは面白くないので、どうしようか考えた。

 結果は丁度最近欲しかった、お世話係でもやらせようということに決まった。

 部屋も同室なのも相まって、頼みやすいからだ。


 自分の中で指針が決まったので、探知魔法を行使してメアの居場所を掴んだ。






 メアとの契約が終わって、寮に帰ることにした。

 どうやらメアはまだ心の整理の時間が欲しいようで、少し風に当たっているらしい。


 街灯がぽつぽつと灯り、虫どもが光源に集まっている。

 羽の音が耳障りなので、周囲の空気を魔法で操作して、音を完全に遮った。

 これで何も気にせず帰ることができる。


 公園から寮までの距離はそこまで遠くは無い。

 といっても多分、歩いてないからだろう。


 まだご飯を食べていないので、空腹が目立ってきた。

 家には確かカップ麺があったはずだ。


「(今日はそれでも食べようかな)」


 コンビニをすれ違ったので、そこでお弁当を買う択もあるが、上手く形容出来ない違和感が先程から体を這いずっている。

 しかも、その違和感の元凶は寮の自室から発せられている。

 だからコンビニに寄る暇はない。


「(強盗とかだったら楽で良いんだけどな〜)」



 寮の自室の部屋の前まで着いた。

 音を遮断していた魔法を切って、カードキーをかざして部屋に入る。


 違和感は正しかったようで、なぜか部屋の電気がついていた。

 しかし、部屋は荒らされておらず、強盗などの可能性は低くなった。


 思わず目頭を押さえてしまう。

 嫌な予感が当たってしまった。

 こういう変な違和感が必ず当たってしまうのは、本当にやめて欲しいものだ。


「先輩やっといらしゃったんですね!」


 本当にどうしてこいつがここに居るのか分からない。

 部屋を出る時はメアが鍵を閉めたなのに、突破されてしまっている。


「はぁ…、なんでここにルナがいるの?」


 そんな気はしていたが、ルナが不法侵入していたようだ。

 しかも、なぜか良い匂いが部屋中に充満している。

 料理でもしているのだろうか?


「忘れちゃったんですか?私今日ヘルト様のために愛情の籠もった料理を振る舞うと、数日前から言ってましたよ」


 いかにも"プンプン"と効果音が出そうな表情で怒っている。

 仕草は可愛らしいし、確かにそのような話もあった。

 しかし、不法侵入をしている理由にはなっていない。

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